知能情報処理

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 知能情報処理
科目番号 0054 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 人工知能システムの構成(近代科学社、小倉久和、小高知宏 共著)
担当教員 樋渡 幸次

到達目標

(1) 前向き推論と後ろ向き推論の技術を身につけること。
(2) プログラミング言語を理解して、応用できること。
(3) 探索問題、述語論理、Fuzzy論理、遺伝的アルゴリズム等の抽象概念と応用プログラミングを機能的に合成できる訓練。
(4) 暗記でなくて自分で考える能力をつける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1非手続き的思考ができて再帰と述語論理を区別して表現し、複雑な問題に適用できる。基本的な問題を再帰的あるいは論理 的に読解出来る能力。自分でアルゴリズムを部分的に考えられる。
評価項目2リスト処理の有用性を理解し、複雑な問題の知識表現と解決(推論)アルゴリズムを提示してプログラミングできる。知識をリストで表現できて、短いプログラムなら十分に記述できるレベル。解説の補助を受けると一部理解できる。
評価項目3種々の問題の特性を理解して、具体的な処理を通じて一般社会での問題解決への適用可能性をも評価できる。各問題について理解できて、アルゴリズムが読める。核問題が持つ意味を部分的に理解でき、や言語の適用が不十分である。
評価項目4独自の解決アルゴリズムを考えて表現できる。独自でなくとも、幾つかのアルゴリズを調べて自分のものにできる。どのように考えれば良いのか一部分だけ思いつく。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(1) 人工知能処理とは何か?どのような手法(考え方)があるのか?適用するための手法、等々の抽象概念を教授する。
(2) 人工知能用言語(Lisp と Prolog)を理解・習得してプログラミングできる能力を身につけさせる。
(3) 応用問題を解決できる能力を身につけさせる 。
授業の進め方・方法:
(1) 教科書は殆ど文章で記述されており暗記項目のように思われるが、評価は自らの問題解決能力を重要視するので十分に意識して取り組むこと。
(2) 人工知能用言語(Lisp と Prolog)の演習に十分時間を確保するので必ずを理解・習得すること。自分のPCに言語環境をインストールすること。
(3) 問題解決のためのプログラム等、多くの印刷物を配布する。教科書には記載して無い内容なので必ず復習すること。
 先ず、プログラミング環境を自分の PC に整備して下さい。人工知能の分野では決まった解はありません。関数型言語や論理型言語をツールとして使いこなせる
事が必要条件ですから、自己学習で必ず演習問題を解くこと。その場合レポートとして提出すること。自らが考案したアルゴリズム等のレポートを積極的に提出した
場合の評価も行います。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明             授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明をし理解する
2週 1.人工知能ってなーに?  研究の歴史とキーワードについて説明し理解する
3週 2.空間状態探索問題とリスト表現 種々の探索問題と探索方法とサンプルプログラムの例を理解する
4週 続き データのリスト表現と内部構造及びその操作について理解する
5週 3.S式とLisp 言語の基礎(1) AI言語Lispの基本を理解する。
6週 続き 内部関数を解説し理解する
7週 4.S式とLisp 言語の基礎(2) 基本問題を演習し理解する
8週 続き 関数定義と基本問題を演習し理解する
2ndQ
9週 中間試験
10週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入 
11週 5.探索問題への適用 木構造の探索アルゴリズムを理解する
12週 続き プログラミング演習
13週 6.ゲームの探索アルゴリズム ネットワークの探索アルゴリズム(前向き推論)を理解する
14週 7.知識表現とルールの定義 複雑な制限付きネットワーク上での探索問題の考え方での探索手法を理解する
15週 8.複雑なPath探索問題への適応 プログラミング演習(総当たり探索・最適解探索)を理解する
16週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入 
後期
3rdQ
1週 9.命題理論と述語論理の基礎 基礎知識と定理の証明を理解する
2週 10.反駁法 反駁法による定理の証明を理解する
3週 11.論理型言語Prolog Prologについて解説し理解する
4週 続き 基本的なプログラミング演習問題が理解できる
5週 12.PrologでのPath問題と迷路問題の演習 後ろ向き推論、縦優先探索、ダイクストラ法を理解する
6週 続き プログラミング演習(迷路問題を含む)が理解できる
7週 13.自然言語処理の実際 自然言語の生成アルゴリズムを理解する
8週 14.ファジー理論 ファジー関係、ファジー推論を理解する
4thQ
9週 15.ファジー数と演算 Min-Maxアルゴリズムによる演算を理解する
10週 16.ファジー理論のプログラミング演習 ファジー数、ファジー時間を理解する
11週 続き ファジー関係、ファジー推論を理解する
12週 17.遺伝的アルゴリズム 遺伝的アルゴリズムの一般的な解法を理解する
13週 続き 遺伝的アルゴリズムの一般的な解法を理解する
14週 18.まとめ(レポート整理等) これまでに課したレポートの仕上げと試験対策ができる
15週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入、まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。4後15
プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。4後15
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4後15
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4後15
基本的な論理演算を行うことができる。4後15
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。4後15
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。4後15
論理式から真理値表を作ることができる。4後15
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。4後15
情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。4後15
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4後15
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。4後15
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4後15
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4後15
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4後15
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。4後15
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。4後15
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。4後15
主要な計算モデルを説明できる。4後15
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4後15
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。4後15
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。4後15
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。4後15
時間計算量や領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを理解している。4後15
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。4後15
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。4後15
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。4後15
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。4後15
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。4後15
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。4後15
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。4後15
計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4後15
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4後15
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4後15

評価割合

定期試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
知識の基本的な理解4001000050
思考・推論・創造への適応力2001000030
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力1001000020