半導体工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 大谷直毅著、「基礎から学ぶ 半導体電子デバイス」(森北出版)ISBN978-4-627-77621-0
担当教員 白濵 正尋

到達目標

1)エネルギー帯図が理解できる。
2)半導体デバイスの基本式3式を理解できる。
3)pn接合・バイポーラトランジスタ(tr.)・電界効果トランジスタ(FET)の構造および動作原理を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1金属、半導体、絶縁体の特徴をエネルギー帯図で説明できる。また、真性半導体、不純物半導体をエネルギー帯図で説明でき、キャリア濃度を計算でき、電気伝導現象を説明できる真性半導体、不純物半導体をエネルギー帯図で説明でき、キャリア濃度を計算できる。真性半導体のエネルギー帯図を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目2半導体デバイスの基本式3式を導出でき、説明できる。電流密度の式、連続の式を用いて問題を解くことができる。半導体デバイスの基本式3式を詳しく説明できる。半導体デバイスの基本式3式の概要を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目3pn接合・バイポーラTr・FETの構造を示し、その動作原理をエネルギー帯図で説明できる。また諸特性も説明でき、半導体デバイスの基本式から電圧電流特性を導出することができる。pn接合・バイポーラTr・FETの構造および動作原理を説明できる。pn接合の構造および動作原理の概要が説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 半導体においては,原子,固体中の電子のエネルギー状態,電気伝導,その他の諸現象についの理解が重要である.ここで,半導体デバイスは,pn接合,バイポーラトランジスタ(Tr.),MOS電界効果トランジスタ(MOS-FET)を用いる.そして,これらの構造および動作原理,これらに関する高度の内容を理解するうえで基礎となる考え方,手法を身につける.
授業の進め方・方法:
1)学修単位:授業以外に自学のため課題を課す。
2)数学(微積分,代数学など)を十分に理解しておくこと.
3)電卓を持ってくること.
事前学習:1)数学(微積分、代数学など)、物理(力学)、電気磁気学を十分に理解しておくこと。
     2)当該授業時間で進行する部分の教科書の内容を予習しておくこと。
     3)前回の授業、課題の復習をする。
事後学習:1)例題、演習問題を解き、課題を提出すること。
学修単位である。
注意点:
  

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。                                      
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 0.授業計画の説明
0-1SI単位
1.半導体結晶
1-1 半導体とは
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明。SI単位を理解する。
 さまざまな物質の導電率、抵抗率を知る。
2週 1-2 シリコン結晶
1-3 導電率制御【課題2】
 ダイヤモンド格子、結晶構造、ミラー指数、結晶面および面方位の表し方について理解する。
 共有結合、真性半導体、不純物半導体についての概要を知る。
3週 2.エネルギー帯図
2-1 エネルギー準位
2-2 エネルギー帯の形成
3.半導体のキャリア
3-1 フェルミ準位
3-2 キャリア密度とフェルミ準位【課題3】
 ボーアのモデルから電子のエネルギー準位を求める。また、シリコンSi原子のエネルギー準位と電子配置を理解する。
真性・不純物半導体のエネルギー帯図について理解する。
フェルミ準位について理解する。
 真性・不純物半導体のキャリア密度について理解する。
4週 3-2 半導体の電気伝導【課題4】  半導体デバイスの基本式について理解する。
 ドリフト電流、拡散電流の式を理解する。
 電流密度の式、キャリア連続の式、ポアソンの式を理解する。
 
5週 小テスト
4.pn接合 【課題5】
小テスト
 電圧-電流特性、降伏現象、接合容量、少数キャリア蓄積効果について概要を理解する。
6週 4-1 pn接合とは
4-2 電流-電圧特性【課題6】
構造、動作原理について理解する。
 半導体デバイスの基本式より電圧-電流特性を導出する。
7週 4-3 降伏現象
4-4 接合容量【課題7】
降伏現象について概要を理解する。
 ポアソンの方程式より接合容量の式を導出する。
8週
中間試験【課題8】
中間試験
4thQ
9週 5.金属と半導体の接触【課題9】  エネルギー帯図、電圧-電流特性、容量電圧特性、オーミック接触の形成法について理解する。
10週 6.バイポーラトランジスタ【課題10】  バイポーラトランジスタの構造、動作原理、電流増幅率について理解する。
11週 7.電界効果トランジスタ
7.1理想MOSダイオード【課題11】
エネルギー帯図が描ける。n-Siの場合のエネルギー帯図、電荷分布、表面電位について理解する。
12週 7.2MOS-FET【課題12】 構造、動作原理、電圧電流特性について理解する。
13週 8.集積回路【課題13】 集積回路について理解する。
14週 9.太陽電池【課題14】 太陽電池の構造、動作原理、特性について理解する。復習、演習
15週 まとめ【課題15】 総まとめをする。
16週 学年末試験 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前12,後1,後4,後6
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2前12,後6
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2前12,後6
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2前12,後6
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2前12,後12,後13
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前12,前13,前14,後5,後6,後7,後13,後14,後15
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3後10,後13,後15
FETの特徴と等価回路を説明できる。3後11,後12,後13,後15
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前4,後1
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1,前4,後1
原子の構造を説明できる。3前5,後1,後3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3前5,後1,後3
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3前1,前3,前5,前6,後2,後3,後4,後8
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3前4,後2,後3,後4,後8
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前6,前7,後2,後3,後15
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前5,前7,後2,後3,後15
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前12,前13,後5,後6,後7,後14,後15
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4後10,後15
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4後11,後12,後15
電力半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。2後7,後10,後14
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3前1,後1
情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3前2,後10,後13,後15

評価割合

定期試験小テストレポートその他合計
総合評価割合15156010100
知識の基本的な理解101030555
思考・推論・創造への適応力5530545