エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 0058 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 エネルギー工学 電気書院 関井康雄 脇本隆之著
担当教員 阿部 哲己

到達目標

1 人類のエネルギー利用とエネルギー資源の有効利用について概略を理解し説明できる。
2 大量の電気エネルギーを得る為に利用されている、水力発電、火力発電、原子力発電について理解し説明できる。
  ・各発電方式の原理、設備、建設、運転と保守
3 地球環境保全の観点から重要性を増している再生可能エネルギーを利用する発電方式を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1エネルギー資源から電気エネ ルギーを得る変換プロセスを、 エネルギー形態の変化と変換装置と関連付けて説明できる。電気エネルギーの利点を説 明できる。発電方式ごとに、 エネルギー資源を利用する方法の概略を説明できる。エネルギーの形態やエネルギー資源について部分的に説明できる。
評価項目2各発電方式の設備と役割を理 解し、設備の建設、運転、保守の概略を説明できる。各発電方式の原理及び構成する設備の概要を説明できる。各発電方式の原理及び設備を部分的に説明できる。
評価項目3汽力発電所の再生サイクル、再 熱サイクルを設備と関連付けて、T-s線図、P-v線図を使って説明できる。熱機関の理論サイクルであ るランキンサイクルを、汽力 発電所を構成する設備と関 連付けて、T-s線図、P-v線図を使って説明できる。ランキンサイクルを、汽力発電所を構成する設備と関連付けて説明できる。
評価項目4再生可能エネルギーによる発電方式の利点と問題点を説明できる。再生可能エネルギーによる発電方式の原理について説明できる。再生可能エネルギーによる発電方式の原理を部分的に説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1 現代社会におけるエネルギーが日々の生活の中でどのように活用されているかを学ぶ。
2 電気エネルギーを利用するために、エネルギー資源をどのようにエネルギー変換するのか原理を学ぶ。
3 発電方式毎の設備構成、建設、運転、保守の概要を学ぶ。
授業の進め方・方法:
【履修上の注意】
1 毎回の授業の終わりに、10問程度の小テストを行う。
  ・小テストによる成績評価比率が全体評価の30%を占めている。
  ・小テストは、教科書に記載の有無に関わらず、講義で説明した内容及び予習・復習を指示した範囲から出題する。
  ・毎回の講義をしっかりと聞くこと、及び自宅での予習・復習を確実に励行すること。 
【事前に行う準備学習や自己学習】
1 毎回の授業時に、自宅学習する範囲を指示するので、自宅学習を励行すること。
  授業の終わりに行う小テストの約半分を自宅学習範囲から出題する。
2 初回授業時には、教科書p1~19を自宅学習してくること。
  初回の小テストの約半分をこの範囲から出題する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
1 エネルギーとエネルギー資源
・エネルギーとエネルギー資源の概要、及び5つのエネルギー形態とエネルギー変換の概念を理解する
2週 2 水力発電
2.1 水力発電の原理 (水力学)
・水の力学的性質と水力学の基本を理解する
3週 2.2 水力発電の設備 ・水車の種別と特性を理解する
4週 2.3 水力発電所の建設 ・水力発電所を構成する機器と役割、及び建設工事の概略を理解する
5週 2.4 水力発電所の運用・運転・保守 ・水力発電所の運用・運転・保守の基本を理解する
6週 3.1 火力発電の原理 (熱力学) ・熱エネルギーの概念を理解する
・内燃機関の理論サイクルを理解する
7週 (続き) ・水蒸気の状態変化と汽力サイクルについて理解する
8週 3.2 火力発電設備の概要
・火力発電所を構成する機器の概要を理解する
2ndQ
9週 中間試験
10週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入、まとめ
11週 3.3 汽力発電所の燃料種別毎の特徴及び運用 ・汽力発電所を構成する機器の概要を燃料種別ごとに理解する
12週 4.1 原子力発電の原理
         (核分裂反応)
・原子核の構造と核分裂・核融合反応の基本を理解する
13週 4.2 原子力発電の概要
4.3 加圧水型炉(PWR)の特徴
・核分裂反応によって発生するエネルギーを取り出す原子炉の原理や構造を理解する
14週 4.4 沸騰水型炉(BWR)の特徴
4.5 原子燃料サイクル
4.6 原子力発電所の事故例
・核燃料の製造から廃棄物処理までの一連のサイクルを理解する
15週 5 再生可能エネルギーによる発電 ・再生可能エネルギーによる発電方式の原理を理解する
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4
FETの特徴と等価回路を説明できる。4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
電子工学原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
計測指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4

評価割合

定期試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
知識の基本的な理解5030000080
思考・推論・創造への適応力200000020
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000