回路網理論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 回路網理論
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平山 博、大附 辰夫:「電気学会大学講座 電気回路論 (第3版改定)」(オーム社) 978-4-88686-265-5
担当教員 小森 雅和

到達目標

1) 与えられた周波数特性を実現する一端子対回路を構成できる。
2) Fパラメータを用いて二端子対回路の解析ができる。
3) 定K形フィルタの回路構成を説明でき、与えられた周波数特性を有する定K形フィルタを設計できる。
4) 分布定数回路での取り扱いが必要な場合を理解し、特性インピーダンス・伝搬定数を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B最低到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1複雑な周波数特性有する一端子対回路を構成することができる。標準的な周波数特性有する一端子対回路を構成することができる。簡単な周波数特性を有する一端子対回路を構成することができる。  A ・ B ・ C
評価項目2複雑な二端子対回路の特性をF、Z、Yパラメータを用いて解析することができる。標準的な二端子対回路をF、Z、Yパラメータを用いて解析することができる。簡単な回路のF、Z、Yパラメータを求めることができる。  A ・ B ・ C
評価項目3低域通過、高域通過、帯域通過、帯域除去の定Kフィルタを設計することができる。低域通過と高域通過の定Kフィルタを設計することができる。定Kフィルタの原理と特性を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目4損失を有する伝送線路の基礎方程式を用いて回路の特性を解析できる。損失の無い伝送線路の基礎方程式を用いて回路の特性を解析できる。電線を分布定数回路として取り扱うことが必要になる場合を説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
回路網の構成素子が時間的に変化せず、かつ内部に電源を含まない受動線形回路網(R,L,Cだけから成る回路網)の解析方法および構成法を習得する。特に入力端子と出力端子の電流・電圧に着目し、回路網内部の詳細を考慮せずに等価な回路に置き換えて解析する方法を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
・電気回路Ⅰ、Ⅱを復習し、十分に理解しておくこと。複素数の計算が、筆算でも電卓でも正しくできること。
・複素数以外にも行列や微分方程式を使うので、線形代数や微積分をよく復習しておくこと。
・授業では電卓を持参すること。授業では時間の関係で途中の計算過程を省略する場合があるので、復習する時に必ず自分で計算して確認すること。
・レポート課題などで具体的な問題の解き方を練習すること。
・課題を適宜与えるので、期日までに提出すること。
注意点:
・公式の丸暗記ではなく、公式の導出、公式の意味、グラフによる直観的な理解に努めること。
・電圧、電流、インピーダンスなどの単位や有効数字の扱いに注意して明確に記述すること。
・定期試験の点数80%、レポート20%により総合評価し、総合評価が60点以上を合格とする。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明、1.1 一端子対回路概論 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の理解、一般一端子対回路のインピーダンスの理解。
2週 1.2 リアクタンス一端子対回路(1) リアクタンス一端子対回路の周波数特性、リアクタンス関数の理解。
3週 1.2 リアクタンス一端子対回路(2) リアクタンス定理、与えられた周波数特性のリアクタンス一端子対回路の構成法に関する基礎の習得。
4週 1.2 リアクタンス一端子対回路(3) 与えられた周波数特性のリアクタンス一端子対回路を構成法の理解。
5週 1.3 R-L一端子対回路 R-L駆動点インピーダンスの性質、R-L一端子対回路の構成法の理解
6週 1.4 R-C一端子対回路 R-C駆動点インピーダンスの性質、R-C一端子対回路の構成法の理解
7週 1.5 逆回路と定抵抗回路 逆回路の定義と作り方、簡単な定抵抗回路の理解
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却及び解説、2.1 インピーダンスパラメータ 試験問題の解説及びポートフォリオの記入、インピーダンスパラメータの理解。
10週 2.2 アドミタンスパラメータ、Gパラーメータ、Hパラメータ アドミタンスパラメータ、Gパラーメータ、Hパラメータの理解。
11週 2.3 四端子定数、Kパラメータ 四端子定数、Kパラメータの理解。
12週 2.4 影像パラメータ 影像インピーダンス、伝達定数の理解。
13週 2.5 四端子定数と影像パラメータ 四端子定数と影像パラメータの関係、影像パラメータによる縦続接続の計算の理解。
14週 2.6 反復パラメータ 反復インピーダンスの定義、伝搬定数の理解。
15週 2.7 二等分定理 バートレットの2等分定理の理解。
16週 前期末試験
(17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)
後期
3rdQ
1週 3.1 フィルタ概論 フィルタの種類とその周波数特性と影像パラメータとの関係の理解。
2週 3.2 定K形フィルタ 定K形フィルタの影像パラメータと通過域・減衰域の関係の理解。
3週 3.3 定K形低域フィルタ 定K形低域フィルタの周波数特性とその設計法の理解。
4週 3.4 定K形高域フィルタ 定K形高域フィルタの周波数特性とその設計法の理解
5週 3.5 定K形帯域フィルタ 定K形帯域フィルタの周波数特性とその設計法の理解
6週 3.6 定K形帯消去フィルタ 定K形帯域消去フィルタの周波数特性とその設計法の理解
7週 4.1 分布定数回路概論 分布定数回路の基礎方程式
8週 後期中間試験
4thQ
9週 4.2 正弦波交流における分布定数回路 正弦波交流における分布定数回路の基礎方程式の理解。
10週 4.3 特性インピーダンスと伝搬定数 特性インピーダンスと伝搬定数の理解。
11週 4.4 無損失線路、無ひずみ線路と伝搬ひずみ 無損失線路、無ひずみ線路と伝搬ひずみの理解。
12週 4.5 端条件による電圧・電流分布 様々な端条件による電圧・電流分布の理解。
13週 4.6 位置角 位置角の定義と電圧、電流、インピーダンスの位置角による表示の理解。
14週 4.7 分布直列インピーダンスおよびアドミタンス 単位長あたりの直列インピーダンスと並列アドミタンスの測定の原理の理解。
15週 4.7 反射および透過 負荷インピーダンスによる反射現象の理解。
16週 学年末試験
(17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前2,前3,前4

評価割合

定期試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
知識の基本的な理解7020000090
"思考・推論・創造への適応力100000010
総合的な学習経験と創造的思考力0000000