応用物理

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 原康夫著「物理学基礎」(学術図書)ISBN978-4-7806-0525-9/実験書、実験準備ノート、実験ノート等は配布する。 (参考文献:山本義隆著「新・物理入門」(駿台文庫)ISBN4-7961-1618-4、原島鮮著「熱力学・統計力学」(培風館)ISBN978-4563021399、D. ハリディ, J. ウォーカー, R. レスニック共著「物理学の基礎[2]波・熱」 (培風館)ISBN 978-4563022563、猪木慶治・川合光著「量子力学Ⅰ」(講談社)ISBN4-06-153209-X)
担当教員 若生 潤一,阿部 裕悟

到達目標

1) 熱力学における基礎概念を理解すること。
2) 熱力学に関する基本的な現象について定量的に説明できること。
3) 量子論とはどのようなものか、またその基本的な考え方を説明できること。
4) 実験で扱われる諸現象とその背後にある法則を説明できること。
5) 実験結果を正確に提示し、それについて考察したことを明解な文章で表現できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1多くの物理概念・物理量を含んだ問題を解くことができる。定義から物理概念が理解でき、物理量を計算できる。計算で求めた答えは単位付きで表示することができる。物理量の定義を一部は説明することができる。定義式を用いた特定の計算はできる。  A ・ B ・ C
評価項目2物理法則の数式を説明することができ、問題を解くことができる。重要な物理法則を用いて、問題を解くことができる。重要な物理法則の一部の説明はできる。  A ・ B ・ C
評価項目3表やグラフを正しく完成できる。実験装置のしくみや実験の原理を説明することができる。測定データから表やグラフを作成し、物理法則を用いて分析することができる。定められた形式で実験ノートを期日までに完成させることができる。実験ノートに測定データの記録までは完成させることができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学、量子論の基礎概念を身に付け、専門科目への応用の基礎をつくる。
実験により物理現象の理解をさらに深めるとともに、実験ノート提出を通じて実験結果を考察し、文章により表現する力を発展させる。
授業の進め方・方法:
黒板板書をノートに写し、授業内容の問題についてグループワークで議論しながら取り組む。熱力学や量子論に関する物理実験に取り組む。
実験においては、実験準備ノートと実験書を事前に読み、しっかりと理解しておくこと。
実験においては、各テーマごとに実験ノートを提出すること。実験ノート未提出者の単位取得はできないものとする。
実験ノート未提出で単位が取得できなかった学生の再試験は実施しない。
座学においては、事後学習として授業ごとに課される課題、および教科書中の例題や章末問題に取り組むこと。
前期の座学においては、授業プリントや課題を綴じるためのA4ファイルを用意すること。
後期の座学においては、板書を写すノート、授業プリントや課題を綴じるためのB5ファイルを用意すること。
注意点:
板書を写すノートを用意すること。実験ノート未提出者の単位取得はできないものとする。実験ノート未提出で単位が取得できなかった学生の再試験は実施しない。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
第1回目授業にて説明を行った。  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:授業計画の通りに実施した。  
                                     
  ・前期末試験まで :授業計画の通りに実施した。                                       

  ・後期中間試験まで:授業計画の通りに実施した。                                       

  ・学年末試験まで :コロナウイルス対策における学内対応のため、学年末試験を実施しない運びとなった。代わりとして、学年末試験素点分の成績は後期授業分の課題提出を以って代替え措置とすることとした。学生には1/21付けで成績算出変更についてTeamsチャネルで連絡済み。 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
変更分を含め、評価方法通りに総合評価を算出した。 

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
1.熱力学
1-1.熱と温度
授業計画・達成目標・成績の評価方法を知る。

熱平衡状態、温度、熱などの基礎概念について学ぶ。
2週 1-1.熱と温度 熱平衡状態、温度、熱などの基礎概念について学ぶ。
3週 1-2.熱の移動 伝導、対流、放射についての違いを理解する。
4週 1-3.気体分子運動論 分子運動、特に気体の場合を考え、内部エネルギーについて理解する。
5週 1-4. 熱力学第一法則 内部エネルギー、仕事などの基礎概念を理解し、熱力学第一法則について学ぶ。比熱について学ぶ。
6週 1-5.理想気体の状態変化と比熱1 準静的過程による理想気体の定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化を学ぶ。
7週 1-5.理想気体の状態変化と比熱1 準静的過程による理想気体の定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化を学ぶ。
8週 1-6. 熱力学第二法則 熱力学第二法則の様々な表現を学びその意味を理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験 1-1から1-6までの内容について問題が解ける。
10週 試験答案の返却及び解説
1-7.熱機関1
熱機関の構成と効率について学ぶ。
11週 1-7.熱機関2 熱機関の構成と効率について学ぶ。
12週 1-8.カルノー・サイクル カルノーサイクルとカルノー熱機関の効率、カルノーの原理について学ぶ。
13週 1-9.クラウジウスの不等式 クラウジウスの不等式と不可逆過程について理解する。
14週 1-10.エントロピー1 エントロピー増大則を学び、エントロピーの概念を理解する。
15週 1-10.エントロピー2 エントロピー増大則を学び、エントロピーの概念を理解する。
16週 前期末試験 1-7から1-10までの内容と応用物理実験1の内容について問題が解ける。
後期
3rdQ
1週 応用物理実験説明 実験内容の解説を行う。光の量子論について学習する。
2週 応用物理実験2 ヤング率の測定をする。
剛体の運動について理解する。
固体の線膨張率を測定する。
ニュートンリングについて理解する。
光電効果について理解する。
3週 応用物理実験3 ヤング率の測定をする。
剛体の運動について理解する。
固体の線膨張率を測定する。
ニュートンリングについて理解する。
光電効果について理解する。
4週 応用物理実験4 ヤング率の測定をする。
剛体の運動について理解する。
固体の線膨張率を測定する。
ニュートンリングについて理解する。
光電効果について理解する。
5週 応用物理実験5 ヤング率の測定をする。
剛体の運動について理解する。
固体の線膨張率を測定する。
ニュートンリングについて理解する。
光電効果について理解する。
6週 応用物理実験6 ヤング率の測定をする。
剛体の運動について理解する。
固体の線膨張率を測定する。
ニュートンリングについて理解する。
光電効果について理解する。
7週 応用物理実験まとめ 実験内容のおさらいを行う。
8週 後期中間試験 応用物理実験2から6の内容について問題が解ける。
4thQ
9週 試験答案の返却及び解説
2.量子論入門
2-1.何故、量子論?


物質の構造と、ミクロ世界とマクロ世界のつながりを学ぶ。
10週 2-2.前期量子論1 原子模型の歴史を学び、量子力学の入り口を理解する。
11週 2-3.前期量子論2 古典力学・古典電磁気学の限界を学習する。
12週 2-4.エネルギー量子化 エネルギー量子化、定常状態を学習し、遷移現象や物質波について知る。
13週 2-5.物質波の運動方程式 シュレディンガー方程式を紹介し、波動方程式からの導出を試みる。
14週 2-6.物質波の運動方程式 シュレディンガー方程式を紹介し、波動方程式からの導出を試みる。
15週 2-7.量子論から何が分かるか 量子論が与える帰結について、いくつか紹介する。
16週 学年末試験 2-1から2-7までの内容について問題が解ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4前1,前2,前4,前16
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4前1,前2,前12,前16
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4前7,前16
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4前7,前16
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。4前1,前2,前8,前16
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4前1,前2,前4,前5,前7,前8,前16
気体の内部エネルギーについて説明できる。4前4,前5,前7,前8,前16
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4前4,前5,前7,前8,前16
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4前1,前2,前3,前12,前16
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4前10,前11,前13,前14,前15,前16
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4前10,前11,前13,前14,前15,前16
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
安全を確保して、実験を行うことができる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前12,後3,後4,後5,後6,後7,後8

評価割合

試験レポート後期提出物点合計
総合評価割合602020100
知識の基本的な理解30101050
思考・推論・創造への適応力30101050