オペレーティングシステム

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 オペレーティングシステム
科目番号 0074 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「オペレーティングシステムの基礎」 大久保英嗣 著 (サイエンス社)
担当教員 丸田 要

到達目標

1)OSとはどのような役割を果たすものかがわかる。
2)どのようにしてマルチタスクが実現されているかの概要がわかる。
3)仮想記憶はどのようにして実現されているのかの概要がわかる。
4)ファイルシステムの概要がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1OSとはどのような役割と計算機資源管理の重要性の概要を説明することができるOSとはどのような役割を果たすものかがわかるOSと計算機、アプリケーションプログラムとの関係がわかる
評価項目2代表的なCPU割付けアルゴリズムについて理解している、また、CPUスケジューラとディスパッチャについて説明できるどのようにしてマルチタスクが実現されているかの概要がわかるマルチタスクとどのようなものなのかがわかる
評価項目3セグメンテーションページングおよびページ化セグメンテーション、プログラムの参照の局所性について説明ができる仮想記憶はどのようにして実現されているのかの概要がわかる仮想記憶とは何かを理解している
評価項目4ファイル、ディレクトリ、割付け技法についての概要を説明できるファイルシステムの概要がわかるファイルとは何か理解している

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計算機等のシステムを稼働・運用する際にオペレーティングシステム(OS)は重要な役割を果たす。本講義では、OS内部でどのようなことが行われているのかについての概要について講義し、OSのようなシステムや応用プログラムをプログラミングする際に必要となる基礎知識を獲得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
内容が広範にわたり、動作の説明的な部分も多いため、事後学習により当該授業時間で進行した内容を授業後に配布する課題によりしっかりと復習すること。
注意点:
本講義でのOSに関する内容は、特定のOSについてではなく、一般的にOS内部でどのようなことが行われているかを講義するものである。OSは計算機アーキテクチャと密接に関係する部分もあるので、計算機工学をしっかり理解しておくことが望ましい

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
1.OSの概略、1.1 OSの概要、1.2 OSの構成法と運用
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の確認、オペレーティングシステムとは
歴史,構成要素、モジュール、カーネル、OSの運用と管理
2週 2.プロセスとスケジューリング、2.1 プロセス プロセスの状態と遷移および制御,スレッド
3週 2.プロセスとスケジューリング、2.2 スケジューリング CPUスケジューラとスケジューラアルゴリズム
4週 3.プロセスの同期と通信、3.1 並行プロセス 並行プロセスの指定と同期と相互排除
5週 3.プロセスの同期と通信、3.2 プロセス間通信 プロセス間の通信方式、デッドロック
6週 4.実記憶の管理、4.1 記憶管理の概要、4.2 単一連続割り付け 記憶階層、管理技法の概要、再配置、スワッピング、オーバーレイ
7週 4.実記憶の管理、4.3 固定区画割り付け、4.4 可変区画割り付け 絶対アドレス指定及び相対アドレス指定による割り付け
コンパクション、空き領域の割り付け技法
8週 5.仮想記憶の管理、5.1 仮想記憶とは、5.2 仮想記憶の手法1 2階層記憶、動的アドレス変換、セグメンテーション
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説、5.仮想記憶の管理、5.2 仮想記憶の手法2 試験問題の解説及びポートフォリオの記入、
ページング
11週 5.仮想記憶の管理、5.2 仮想記憶の手法2 セグメンテーションページング、ページ化セグメンテーション
12週 5.仮想記憶の管理、5.3 管理技法、5.4 プロセスの特徴 フェッチ技法、置き換え技法、割り付け技法
スラッシング、局所性、ワーキングセットモデル
13週 6.ファイルシステム、6.1 ファイルシステム レコードとブロック、ファイル操作、アクセス法
14週 6.ファイルシステム、6.2 ディレクトリ、6.3 ファイル保護 ディレクトリの管理、ディレクトリの階層、アクセス制御、バックアップと回復
15週 7.割り込みと入力制御、7.1 割込みの制御、7.2 入出力の制御 割込みの種類、割り込みの処理方式、処理の流れ、
入出力装置、処理の流れ、バッファリングとスプーリング
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前3,前5,前6,前7,前8,後1
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4前1,前2,前8
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4前5,前8
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解8020100