電力輸送工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電力輸送工学
科目番号 0077 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 山口,家村,中村: 送配電の基礎 第2版 (森北出版)  9784627741928
担当教員 御園 勝秀

到達目標

1) 配電線路に関連した用語と保護装置を説明できる。
2) 送電線路の線路定数を使って送電線路の電気特性を計算できる。
3) 対称座標法を使って故障時の基本的な計算ができる。
4) 高調波の発生原因と安定度の意味を説明でき、直流送電が行われている場所を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1配電線路の用語と保護装置を説明でき、関連する計算問題もできる。配電線路の用語と保護装置を説明できる。配電線路の用語を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目2右に加え、電力円線図と調相設備を説明・計算することができる。送電線路の線路定数を求めることができ、それを使って送電線の電気特性を計算することができる。送電線路の線路定数を求めるができる。  A ・ B ・ C
評価項目3対称座標法を使って実系統の送電線の1線地絡以外の故障計算もできる。対称座標法を使って実系統の送電線の1線地絡時の故障計算ができる。簡易回路を使って1線地絡時の地絡電流を計算できる。  A ・ B ・ C
評価項目4右に加え、高調波の発生原因及び安定度を式及びグラフを使って説明できる。右に加え、高調波の発生原因及び安定度を説明できる。直流送電が行われている場所と理由 を説明できる。   A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
発電所で生み出した電力を需要家に安定して届けるためには、送配電の技術が重要である。この科目では、広範囲かつ多岐に渡る電力輸送工学の基礎理論および基礎知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
・電気回路Ⅰ・Ⅱ(三相交流、変圧器)および回路網理論(4端子回路、伝送線路)を復習して確実に理解しておくこと。複素数の計算を筆算や電卓で間違いなく行ったり、複素平面上に図で表すことが自由にできること。
・この授業は対面授業と遠隔授業を併用して行う。遠隔授業の場合も、授業時間には教室に顔を出すので、質問などはその時にも受け付ける。
・授業中は電卓を持参すること。授業中は時間の関係で途中の計算過程を省略する場合があるので、必ず自分で計算して確認すること。
・本科目は学修単位科目のため、理解度を確認するための課題をほぼ毎回与える。期日内に提出すること。
注意点:
・電力輸送に関連した身の回りの設備(鉄塔、電柱、電線、家庭の配電盤、コンセント、積算電力計、電力会社からの請求書など)を普段から見て問題意識を持っておくこと。学習する内容の一部は5年の実験テーマとして実習するので、実験を通して理解を深めること。
・定期試験の点数70%、レポート30%により総合評価し、総合評価が60点以上を合格とする。なお、レポートの提出が無断で期限に遅れた場合は、半分の点数で評価するので注意すること。成績不振の学生には課題を与える。
・コロナウイルスの感染拡大などにより定期試験が実施できない場合は、レポートで成績をつける。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

                                        
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 三相交流(1) ・ベクトルオペレータの意味を説明でき、これを使った対称三相交流の計算ができる。
2週 1. 三相交流(2) ・対称三相交流のベクトル電力の計算ができる。
3週 2. 配電方式 ・配電線路の需要率などについて計算できる。
4週 3. 配電線路の計算 ・配電線路の電圧降下、力率改善および電力損失について計算ができる。
5週 4. 配電線路の保護装置 ・開閉器、遮断機、避雷器、接地工事の種類などについて説明できる。
6週 5. 送電線の線路定数 送電線の線路定数(RLC)を求めることができる。
7週 6. 送電線の電気特性(1) ・送電線を等価回路で表すことができる。
8週 6. 送電線の電気特性(2) ・送電線の電気特性を計算することができる。
2ndQ
9週 中間試験 *中間試験の返却と解説は10週目の授業の最初に行う。
10週 7. 電力円線図 ・電力円線図を描くことができ、調相容量を求めることができる。
11週 8. 故障計算(1) ・対称座標法の考え方を説明できる。
12週 8. 故障計算(2) ・無負荷発電機の故障計算ができる。
13週 8. 故障計算(3) ・実送電系統の故障計算ができる。
14週 9. 第3高調波 ・第3高調波の発生原因と防止方法を説明できる。
15週 10. 安定度と直流送電 ・電力相差角曲線を使って安定度の意味を説明できる。直流送電が行われている場所を説明できる。
16週 前期末試験 *前期末試験の返却と解説は17週目の授業時に行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3前1,前2,前3
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3前1,前3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3前1,前2,前3
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3前5,前8,前9,後3,後9
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3前5,後14
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3前8,後9,後13
電力システムの経済的運用について説明できる。3前5,前8,後9
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3前9,後9

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力4020000060
専門的能力3010000040
分野横断的能力0000000