電力輸送工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電力輸送工学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 山口,家村,中村: 送配電の基礎 第2版 (森北出版)  9784627741928
担当教員 村野 秀昭

到達目標

1) 配電線路に関連した用語と保護装置を説明できる。
2) 送電線路の線路定数を使って送電線路の電気特性を計算できる。
3) 対称座標法を使って故障時の基本的な計算ができる。
4) 高調波の発生原因と安定度の意味を説明でき、直流送電が行われている場所を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1配電線路の用語と保護装置を説明でき、関連する計算問題もできる。配電線路の用語と保護装置を説明できる。配電線路の用語を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目2右に加え、電力円線図と調相設備を説明・計算することができる。送電線路の線路定数を求めることができ、それを使って送電線の電気特性を計算することができる。送電線路の線路定数を求めるができる。  A ・ B ・ C
評価項目3対称座標法を使って実系統の送電線の1線地絡以外の故障計算もできる。対称座標法を使って実系統の送電線の1線地絡時の故障計算ができる。簡易回路を使って1線地絡時の地絡電流を計算できる。  A ・ B ・ C
評価項目4右に加え、高調波の発生原因及び安定度を式及びグラフを使って説明できる。右に加え、高調波の発生原因及び安定度を説明できる。直流送電が行われている場所と理由 を説明できる。   A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電力輸送工学の目的は、需要家の要求に応じて、安全かつ安定した電力の供給を行うための電力システム(発電・送電・変電・配電)を構成することである。この授業では、電力系統を構成する様々な電力機器の工事・維持・運用に従事する技術者に必要な内容として、配電線路の保護、送電線路の電気特性計算、対称座標法計算、高調波及び直流送電について学習する。
1.配電線路に関連した用語と保護装置を学ぶ
2.送電線路の線路定数を使って送電線路の電気特性計算を学ぶ
3.対称座標法を使った故障時の基本的な計算を学ぶ
4.高調波の発生原因や安定度、直流送電について学ぶ
授業の進め方・方法:
【履修上の注意】
1 授業中は電卓を持参すること。授業中は時間の関係で途中の計算過程を省略する場合があるので、必ず自分で計算して確認すること。
2 毎回の授業の終わりに、10問程度の小テストを行う。
  ・小テストによる成績評価比率が全体評価の30%を占めている。
  ・小テストは、教科書に記載の有無に関わらず、講義で説明した内容及び予習・復習を指示した範囲から出題する。
  ・毎回の講義をしっかりと聞くこと、及び自宅での予習・復習を確実に励行すること。 
【事前に行う準備学習や自己学習】
1 毎回の授業時に、自宅学習する範囲を指示するので、自宅学習を励行すること。
  授業の終わりに行う小テストの約半分を自宅学習範囲から出題する。
2 初回授業時には、教科書p7~11を自宅学習してくること。
  初回の小テストの約半分をこの範囲から出題する。
注意点:

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

                                        
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
1. 三相交流(1)
・ベクトルオペレータ及び対称三相交流を理解する
2週 1. 三相交流(2) ・対称三相交流のベクトル電力を理解する
3週 2. 配電方式 ・配電線路の需要率などについて理解する
4週 3. 配電線路の計算 ・配電線路の電圧降下、力率改善および電力損失について理解する
5週 4. 配電線路の保護装置 ・開閉器、遮断機、避雷器、接地工事の種類などについて理解する
6週 5. 送電線の線路定数 ・送電線の線路定数(RLC)について理解する
7週 6. 送電線の電気特性(1) ・送電線の等価回路について理解する
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却及び解説
6. 送電線の電気特性(2)
試験問題の解説及びポートフォリオの記入、まとめ
・送電線の電気特性計算を理解する
10週 7. 電力円線図 ・電力円線図及び調相容量を理解する
11週 8. 故障計算(1) ・対称座標法の考え方を理解する
12週 8. 故障計算(2) ・無負荷発電機の故障計算を理解する
13週 8. 故障計算(3) ・実送電系統の故障計算を理解する
14週 9. 第3高調波 ・第3高調波の発生原因と防止方法を理解する
15週 10. 安定度と直流送電 ・安定度及び直流送電について理解する
16週 前期末試験
(17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)
*前期末試験の返却と解説は17週目の授業時に行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3前1,前2,前3
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3前1,前3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3前1,前2,前3
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3前5,前8,前9
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3前5
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3前8
電力システムの経済的運用について説明できる。3前5,前8
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3前9

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力4020000060
専門的能力3010000040
分野横断的能力0000000