高電圧工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0080 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 日高邦彦:「高電圧工学」,新・電気システム工学,数理工学社 978-4-901683-59-3
担当教員 北野 宏明

到達目標

1.放電現象の基本的な説明や簡単な計算ができる。
2.気体/液体/固体/複合誘電体中における放電現象に関する説明ができる。
3.高電圧・大電流の発生方法や測定方法に関する説明ができる。
4.電力系統を構成している高電圧機器に関する説明や簡単な説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1絶縁破壊のプロセスを、電界分布の不平等性と関連付けて説明できる。電界分布の不平等性と電位変化を関連付けて説明できる。全路破壊や局部破壊の分類、及び概要を説明できる。電位と電界、及び絶縁破壊の概念について説明ができる。  A ・ B ・ C
評価項目2各種誘電体で発生する放電現象について、発生する理論を含めて説明できる。タウンゼントの法則、パッシェンの理論、ストリーマ理論、ショットキー効果など。各種誘電体で発生する放電現象について、具体的に火花放電、アーク放電、グロー放電、コロナ放電、トリーイングなどを説明できる。気体、液体、固体などの各種誘電体で発生する放電現象の概念を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目3直流や交流の高電圧の発生方法・計測方法について,回路図や理論式などで説明できる。直流や交流の高電圧の発生方法・計測方法について,概要を説明できる。直流や交流の高電圧の発生方法・計測方法について,概念を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目4高電圧機器の構造を説明できる。避雷器の動作原理、遮断器の電流遮断方法を説明できる。電力系統を構成する機器が高電圧に耐える為にどのような構造になっているのか説明できる。電力系統を構成する機器の概要を説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 高電圧工学は、高電界強度下における絶縁破壊及び放電現象の理解を基礎として、電力機器がその機能を十分に発揮するために必要な知識を集めた学問だといえる。この授業では、電力系統を構成する機器の工事、維持、運用に従事する技術者に必要な内容として、放電現象の基礎、気体/液体/固体/複合誘電体での放電現象、高電圧の発生・測定及び高電圧機器について学習する。
1.放電現象の基本的な説明や簡単な計算を学ぶ。
2.気体/液体/固体/複合誘電体中における放電現象を学ぶ。
3.高電圧・大電流の発生方法や測定方法を学ぶ。
4.電力系統を構成している高電圧機器について学ぶ。
授業の進め方・方法:
【履修上の注意】
1 毎回の授業の終わりに、10問程度の小テストを行う。
  ・小テストによる成績評価比率が全体評価の30%を占めている。
  ・小テストは、教科書に記載の有無に関わらず、講義で説明した内容及び予習・復習を指示した範囲から出題する。
  ・毎回の講義をしっかりと聞くこと、及び自宅での予習・復習を確実に励行すること。 
【事前に行う準備学習や自己学習】
1 毎回の授業時に、自宅学習する範囲を指示するので、自宅学習を励行すること。
  授業の終わりに行う小テストの約半分を自宅学習範囲から出題する。
2 初回授業時には、教科書p1~7を自宅学習してくること。
  初回の小テストの約半分をこの範囲から出題する。
注意点:

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ○授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
○高電圧工学とは
・高電圧工学の授業で学ぶ概要を理解する
・電界と電位について概念を理解する
2週 ○電界と電位 ・電界と電位を理解する
・不平等性による電界の分類、全路破壊や局部破壊などの分類を理解する
3週 ○放電現象の基礎 (1) ・荷電粒子の運動、衝突を理解する。
・衝突周波数、平均自由行程を理解する
4週 ○放電現象の基礎 (2) ・励起、電離、電子付着、再結合の過程を理解する
・電界ドリフト、拡散の概念を理解する
5週 ○気体の放電 (1) ・衝突電離作用、タウンゼント理論、ストリーマ理論、パッシェンの法則について理解する
6週 ○気体の放電 (2) ・電極形状と放電特性を理解する
・電圧波形と放電特性を理解する
・雷放電のメカニズムと雷遮蔽を理解する
7週 ○定常気体放電 ・グロー放電とアーク放電を理解する
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却及び解説
○液体、固体の放電
試験問題の解説及びポートフォリオの記入、まとめ
・液体、固体の電気伝導、絶縁破壊の特性を理解する
10週 ○複合誘電体の放電 ・複合誘電体の電界分布を理解する
・沿面放電、ボイド放電、トリーを理解する
11週 ○高電圧の発生 ・交流、直流、インパルス電圧の発生方法を理解する
12週 ○高電圧の測定 ・高電圧を直接測定する方法を理解する
・高電圧を変換、分圧して測定する方法を理解する
・大電流の測定方法を理解する
13週 ○高電圧機器 (1) ・碍子、ブッシング、電力ケーブルの構造を理解する
14週 ○高電圧機器 (2) ・遮断器の構造、電流を遮断する方法を理解する
15週 ○高電圧機器 (3) ・避雷器の構造、動作原理を理解する
・電力系統を構成する各種機器について理解する
16週 期末試験
(17週目は試験答案の返却・解説及び
ポートフォリオの記入)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
電磁気電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
計測指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4

評価割合

定期試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
知識の基本的な理解5030000080
思考・推論・創造への適応力200000020