科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学
科目番号 0016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 化学基礎改訂版(数研出版)、リードLightノート化学基礎(数研出版)、スクエア最新図説化学(第一学習社)
担当教員 中島 里紗

到達目標

1)周期表は原子番号1番から20番まで元素記号と名前を書くことができ、組成式が書け、その名前が書ける。
2)イオン結合、共有結合、金属結合が理解でき、物質をそれぞれに区分することができる。
3)物質量であるモルを理解でき、化学変化の量的な関係と気体反応の法則を計算できる。
4)熱化学方程式、中和反応、酸化還元反応を理解し、それぞれの計算問題を解くことができる。
5)無機物質、有機化合物のそれぞれの特徴を理解し、代表的な有機化合物の構造式と名前を書くことができる。
6)データ整理を行い、定められた形式で実験レポートを期日までに提出することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
評価項目1周期表は原子番号1番から20番まで元素記号と名前を書くことができ、組成式が書け、その名前が書ける周期表と組成式が8割程度書くことができる。周期表と組成式が6割程度書くことができる。
評価項目2イオン結合、共有結合、金属結合のそれぞれの特徴を書くことができ、物質をそれぞれに区分することができる。イオン結合、共有結合、金属結合の違い説明することができ、代用的な物質をあげることができる。イオン結合、共有結合、金属結合のそれぞれに物質をわけることが少しできる。
評価項目3物質量であるモルを理解でき、化学変化の量的な関係と気体反応の法則を計算でき、様々な実験や応用問題で使うことができる。物質量であるモルを理解でき、化学変化の量的な関係と気体反応の法則を使って、教科書の問題を解くことができる。物質量であるモルが理解できなく、教科書の問題を解くことが少しできる。。
評価項目4熱化学方程式、中和反応、酸化還元反応を理解し、それぞれの計算問題を解くことができ、実験に応用できる。熱化学方程式、中和反応、酸化還元反応を理解し、それぞれの教科書の計算問題を解くことができる。熱化学方程式、中和反応、酸化還元反応の教科書の計算問題を解くことが少しできる。
評価項目5無機物質、有機化合物のそれぞれの特徴を理解し、代表的な有機化合物の構造式と名前をすべて書くことができる。無機物質、有機化合物のそれぞれの特徴を理解し、代表的な有機化合物の構造式と名前を8割ほど書くことができる。無機物質、有機化合物のそれぞれの特徴を理解し、代表的な有機化合物の構造式と名前を5割ほど書くことができる。
評価項目6表やグラフを正しく完成でき、「考察」を自分の言葉を用いて表現することができる。データ整理を行い、定められた形式でレポートを期日までに完成させることができる。実験レポートの実験方法や結果までは完成させることが少しできる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
中学校で学んだ理科を基礎に、物質(イオン、分子、金属、無機物質、有機物質など)の性質や物質の化学変化(量的関係、反応熱、酸・塩基の中和反応、酸化還元反応)を知り、実験や身の回りの現象を注意深く観察し、新たな知識や考え方を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
1)問題集は各自必ず解くこと。
2)復習・予習を怠らないこと。
注意点:
1)実験レポートは提出期限日までに提出すること。
2)授業中は静かに授業を受けること。
3)電卓を持ってくること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
物質の構成 純物質と混合物 
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
物質を混合物と純物質に分け、さらに純物質は化合物と単体に分けることができる。
2週 物質の分離・精製法 混合物の分離を行う際に、適切な分離方法を選ぶことができる。
3週 化合物・単体・元素
同素体、成分元素の検出
元素と単体の違いが解る。同素体の種類を説明できる。成分元素の確認方法を知る。
4週 粒子の熱運動と物質の三態
物質の三態と粒子の熱運動の関係を説明できる。
5週 原子の構造
同位体と放射性同位体
原子の構造を知り、元素の周期表を原子番号1番の水素から20番のカルシウムまで覚える。
6週 電子配置と周期表  電子の電子配置を理解し、周期表と関連付けることができる。
7週 イオン結合  陽イオンと陰イオンの成り立ちが理解でき、イオン結合を説明することができる
8週 組成式と名称 イオン結合でできる物質の組成式とその名称を書くことができる。
2ndQ
9週 共有結合 電気陰制度と分子の極性 共有結合が解り、分子の結合の様子と分子の極性が理解できる
10週 化学結合と物質の分類 金属結晶、イオン結晶、分子結晶、および共有結合の結晶の4つの分類を説明することができる。
11週 原子量・分子量 物質量であるモルを理解し、原子量と分子量がどのようにして決められたか理解できる。
12週 物質量 物質量、質量、個数および気体の体積の関係の計算ができる。
13週 物質量② 物質量、質量、個数および気体の体積の関係の計算ができる。
14週 化学反応式 化学変化を化学式を用いて式に表し、反応式の係数と物質量の関係が示されることを理解し、計算できる。
15週 溶液の濃度
質量パーセント濃度とモル濃度計算ができる。
16週 化学変化の量的関係
化学変化の量的関係を計算できる。
後期
3rdQ
1週 熱化学方程式 熱化学方程式が理解できる。
2週 ボイル-シャルルの法則、気体の状態方程式 気体の状態方程式を使って、気体の圧力、容積、温度の関係の計算ができる。
3週 酸と塩基 水の電離とpH 酸と塩基の性質と種類を知り、価数と強弱に分類できる。水素イオン濃度や水酸化物イオン濃度からpHが計算できる。
4週 酸・塩基の中和と塩
滴定曲線
中和反応の量的関係が計算できる。中和反応でできた塩の酸・塩基・中性の区別ができる。滴定曲線の説明ができる。
5週 実験⑤(中和滴定)
酸化と還元
中和滴定についての実験を行う。酸化と還元の定義を、酸素、水素、電子および酸化数で説明できる。
6週 酸化剤と還元剤
酸化剤と還元剤を選択できる。酸化剤と還元剤を使って酸化還元反応を組み立てることができる。
7週 金属のイオン化傾向
実験⑥(金属のイオン化傾向)
金属のイオン化傾向と水、酸、空気との反応性を説明できる。金属のイオン化傾向についての実験を行う。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却及び解説
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
10週 電池 電池も酸化還元反応であることを知る。
11週 電池②
各電極でのイオン反応式を書くことができる。
12週 電気分解
電気分解での陽極および陰極での反応式を書くことができる。ファラデーの法則を計算ができる。
13週 無機物質
アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の性質や反応を理解する。
14週 有機化合物の特徴と分類 有機化合物の分類と特徴を理解できる。炭化水素のアルカンの分子式と構造式、構造異性体を書くことができる。
15週 有機化合物の特徴と分類 アルケン、アルキンの分子式と構造式、構造異性体を書くことができる。
16週 酸素原子を含む有機化合物 炭素、水素、酸素で構成された有機化合物について、特性や反応を構造と関連して理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。4前1
物質が原子からできていることを説明できる。2前4
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前1
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前1,前3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2前4
水の状態変化が説明できる。3前4
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前4
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2前4
同位体について説明できる。2前5
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。2前5
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前4,前5
価電子の働きについて説明できる。3前4,前5
原子のイオン化について説明できる。3前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。2前5
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前5
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前6
イオン結合について説明できる。2前6
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前6
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前6
共有結合について説明できる。2前7
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前7
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前8
金属の性質を説明できる。3前8
原子の相対質量が説明できる。2前10
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前10
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前11
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前10
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前11
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前12
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前15
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前13
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前13
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前13
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2後3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。2後4
中和滴定の計算ができる。3後4,後5
酸化還元反応について説明できる。2後5,後6
イオン化傾向について説明できる。3後7
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後7
ダニエル電池についてその反応を説明できる。2後9
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。2後9
一次電池の種類を説明できる。2後9
二次電池の種類を説明できる。2後9
電気分解反応を説明できる。3後10
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。4後10
ファラデーの法則による計算ができる。3後10
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2前3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2前3
測定と測定値の取り扱いができる。3前11,前14,後5
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前3,前14,前15,後5,後7,後11,後12,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3前3,後5,後12
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前3,後5,後7,後12
試薬の調製ができる。3前15,後5
代表的な気体発生の実験ができる。3後7,後11,後12,後15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前3,後7,後11
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前15,後5
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3

評価割合

定期試験レポート課題合計
総合評価割合252055100
知識の基本的な25105590
汎用的技能010010
態度・志向性0000