有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー 有機化学概説 John McMurry, Eric Simanek著 ISBN978-4807909278
担当教員 山下 敏明

到達目標

1) H、C、O、Nの原子構造および共有結合・イオン結合・水素結合の仕組みが理解できる。
2) ルイス式・線結合式・縮合結合式・共鳴式などの各種化学式が書ける。
3) 酸・塩基反応の仕組みが理解できる。
4) 配座と配置の違いなど、立体化学の基本が理解できる。
5)慣用名・IUPAC命名法ができるようになる。
6)アルケン、ジエン、アルキン、芳香族化合物の物理的性質、合成法、他の化合物への変換およびその反応機構等について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1様々な分子の構造の仕組みが理解でき、それらを分子軌道を用いて描くことができる。メタン、エチレン、アセチレンを分子軌道を用いて描くことができる。H、C、O、N原子の電子配置および共有結合・イオン結合・水素結合の違いが理解できる。   A ・ B ・ C
評価項目2アルカン、アルケン、ジエン、ポリエン、アルキン、芳香族化合物が組み合わさった複雑な化合物のIUPAC命名ができる。基本的なアルカン、アルケン、ジエン、ポリエン、アルキン、芳香族化合物や立体配置の異なる化合物のIUPAC命名ができる。アルカン、アルケン、ジエン、ポリエン、アルキン、芳香族化合物の名前が示されれば、その構造式を描くことができる。  A ・ B ・ C
評価項目3求電子置換反応の反応機構を描き、それらを説明することができる。また、目的化合物の原料や合成ルートを提案できる。酸・塩基反応、 求電子置換反応、ディールス-アルダー反応によってできる化合物の構造式を描くことができる。酸・塩基反応、 求電子置換反応、ディールス-アルダー反応によってできる化合物の構造式を描くことができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学を理解するために必要な基本事項を修得する。次に、アルカン、アルケン、アルキンおよび芳香族化合物ごとに、その性質、構造、命名法などの基礎的なことを学び、続いてそれらの化合物の合成法および反応を修得する。また、これらの学習を通して、求電子付加反応、求電子置換反応、酸化反応を修得する。これらの修得をもとに、広く有機化学を学べる知識と能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
予習を事前に行い、授業後は、毎回の授業で学んだことを復習すること。
注意点:
定期的に小テストを行うので、しっかり授業に臨むこと。
定期試験の平均点(80点)、復習ノートおよび小テスト(20点)を総合して100点法で評価し、60点以上を合格とする。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
原子の構造
原子の構造(軌道、電子配置図など)と共有結合の仕組み、分子軌道(シグマ結合)などについて理解する。
2週 原子軌道と共有結合の軌道理論 原子の構造(軌道、電子配置図など)と共有結合の仕組み、分子軌道(シグマ結合)などについて理解する。
3週 共有結合性化合物 原子の構造(軌道、電子配置図など)と共有結合の仕組み、分子軌道(シグマ結合)などについて理解する。
4週 イオン化合物 イオン結合の仕組み、電気陰性度などについて理解する。
5週 各種の化学式および官能基 ルイス式、線結合式、縮合結合式、共鳴式などについて理解する。
6週 構造異性および水素結合 異性体、水素結合の仕組みについて理解する。
7週 酸-塩基概論 ブレンステッド-ローリーの酸・塩基、ルイス酸・塩基について理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却と解説、炭化水素の分類 試験問題の解説及びポートフォリオの記入 炭化水素の分類について理解する。
10週 アルカンの物理的性質 アルカンの沸点について理解する。
11週 アルカンの命名法I アルカンの慣用名、IUPAC命名法について理解する。
12週 アルカンの命名法II アルカンの慣用名、IUPAC命名法について理解する。
13週 アルカンの結合と配座 アルカンの各種配座とエネルギーについて理解する。
14週 アルカンの反応 ラジカル反応の基本的機構について理解する。
15週 シクロアルカンの命名法と配座 シクロアルカンのIUPAC命名法配座の違いについて理解する。
16週 前期末試験(16週)、試験の解説(17週) 試験(16週)および試験問題の解説及びポートフォリオの記入(17週)
後期
3rdQ
1週 アルケンおよびアルキンの結合 二重結合と三重結合の仕組みについて理解する。
2週 命名法および物理的性質 アルケン、アルキンの慣用名、IUPAC命名法と沸点について理解する。
3週 アルケンの合成 脱水反応、脱ハロゲン化水素反応について理解する。
4週 アルケンの求電子付加反応 マルコウニコフ則と各種求電子剤との反応について理解する。
5週 有機化合物の酸化と還元 酸化と還元の定義について理解する。
6週 アルケンヘの水素付加および酸化 金属触媒下での水素付加反応、酸化剤存在下での酸化反応について理解する。
7週 アルキンの反応 金属触媒下での水素付加反応、酸化剤存在下での酸化反応について理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案返却と解説、ジエンの分類 試験問題の解説及びポートフォリオの記入 
ジエンの分類について理解する。
10週 ジエンとポリエンの命名法 ジエンとポリエンのの仕組みについて理解する。
11週 ジエンの付加反応 ベンゼンの結合 1,2及び1,4付加反応、ベンゼンの結合の仕組みについて理解する。
12週 置換ベンゼン類の命名法 置換ベンゼン類の慣用名、IUPAC命名法について理解する。
13週 芳香族求電子置換反応I 置換および二置換体のベンゼン誘導体への各種求電子剤の付加反応および置換位置について理解する。
14週 芳香族求電子置換反応II, 置換基効果 芳香族求電子置換反応の置置換基効果について理解する。
15週 置換基効果,アルキルベンゼン 置換配向性の仕組みおよびアルキルベンゼンの置換位置について理解する。
16週 前期末試験(16週)および試験の解説(17週) 試験問題の解説とふりかえり

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3前2,前3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3前12,前15,後2,後10,後12
σ結合とπ結合について説明できる。4前2,前3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前2,前3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前2,前3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前5
共鳴構造について説明できる。3前5
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4後11
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3前13
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3前5
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3後13,後14
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3前14,後3,後4,後6,後7,後10,後11,後13,後14,後15
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3後3,後4,後6,後7,後10,後11,後13,後14,後15
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3後13,後14,後15

評価割合

試験復習ノートおよび小テスト合計
総合評価割合80200100
知識の基本的理解5010060
思考・推論・創造への適応力3010040