概要:
有機化学を理解するために必要な基本事項を修得する。次に、アルカン、アルケン、アルキンおよび芳香族化合物ごとに、その性質、構造、命名法などの基礎的なことを学び、続いてそれらの化合物の合成法および反応を修得する。また、これらの学習を通して、求電子付加反応、求電子置換反応、酸化反応を修得する。これらの修得をもとに、広く有機化学を学べる知識と能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
予習を事前に行い、授業後は、毎回の授業で学んだことを復習すること。
注意点:
定期的に小テストを行うので、しっかり授業に臨むこと。
定期試験の平均点(80点)、復習ノートおよび小テスト(20点)を総合して100点法で評価し、60点以上を合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画の説明 原子の構造 |
原子の構造(軌道、電子配置図など)と共有結合の仕組み、分子軌道(シグマ結合)などについて理解する。
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2週 |
原子軌道と共有結合の軌道理論 |
原子の構造(軌道、電子配置図など)と共有結合の仕組み、分子軌道(シグマ結合)などについて理解する。
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3週 |
共有結合性化合物 |
原子の構造(軌道、電子配置図など)と共有結合の仕組み、分子軌道(シグマ結合)などについて理解する。
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4週 |
イオン化合物 |
イオン結合の仕組み、電気陰性度などについて理解する。
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5週 |
各種の化学式および官能基 |
ルイス式、線結合式、縮合結合式、共鳴式などについて理解する。
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6週 |
構造異性および水素結合 |
異性体、水素結合の仕組みについて理解する。
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7週 |
酸-塩基概論 |
ブレンステッド-ローリーの酸・塩基、ルイス酸・塩基について理解する。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案返却と解説、炭化水素の分類 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入 炭化水素の分類について理解する。
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10週 |
アルカンの物理的性質 |
アルカンの沸点について理解する。
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11週 |
アルカンの命名法I |
アルカンの慣用名、IUPAC命名法について理解する。
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12週 |
アルカンの命名法II |
アルカンの慣用名、IUPAC命名法について理解する。
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13週 |
アルカンの結合と配座 |
アルカンの各種配座とエネルギーについて理解する。
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14週 |
アルカンの反応 |
ラジカル反応の基本的機構について理解する。
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15週 |
シクロアルカンの命名法と配座 |
シクロアルカンのIUPAC命名法配座の違いについて理解する。
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16週 |
前期末試験(16週)、試験の解説(17週) |
試験(16週)および試験問題の解説及びポートフォリオの記入(17週)
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後期 |
3rdQ |
1週 |
アルケンおよびアルキンの結合 |
二重結合と三重結合の仕組みについて理解する。
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2週 |
命名法および物理的性質 |
アルケン、アルキンの慣用名、IUPAC命名法と沸点について理解する。
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3週 |
アルケンの合成 |
脱水反応、脱ハロゲン化水素反応について理解する。
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4週 |
アルケンの求電子付加反応 |
マルコウニコフ則と各種求電子剤との反応について理解する。
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5週 |
有機化合物の酸化と還元 |
酸化と還元の定義について理解する。
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6週 |
アルケンヘの水素付加および酸化 |
金属触媒下での水素付加反応、酸化剤存在下での酸化反応について理解する。
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7週 |
アルキンの反応 |
金属触媒下での水素付加反応、酸化剤存在下での酸化反応について理解する。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験答案返却と解説、ジエンの分類 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入 ジエンの分類について理解する。
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10週 |
ジエンとポリエンの命名法 |
ジエンとポリエンのの仕組みについて理解する。
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11週 |
ジエンの付加反応 ベンゼンの結合 |
1,2及び1,4付加反応、ベンゼンの結合の仕組みについて理解する。
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12週 |
置換ベンゼン類の命名法 |
置換ベンゼン類の慣用名、IUPAC命名法について理解する。
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13週 |
芳香族求電子置換反応I |
置換および二置換体のベンゼン誘導体への各種求電子剤の付加反応および置換位置について理解する。
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14週 |
芳香族求電子置換反応II, 置換基効果 |
芳香族求電子置換反応の置置換基効果について理解する。
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15週 |
置換基効果,アルキルベンゼン |
置換配向性の仕組みおよびアルキルベンゼンの置換位置について理解する。
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16週 |
前期末試験(16週)および試験の解説(17週) |
試験問題の解説とふりかえり
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 前2,前3 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | 前12,前15,後2,後10,後12 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前4 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 3 | 前2,前3 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 4 | 前5 |
共鳴構造について説明できる。 | 3 | 前5 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 後11 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 3 | 前13 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | 前5 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | 後13,後14 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 3 | 前14,後3,後4,後6,後7,後10,後11,後13,後14,後15 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 3 | 後3,後4,後6,後7,後10,後11,後13,後14,後15 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 3 | 後13,後14,後15 |