無機化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 荻野博 他 著 「基本無機化学」 (東京化学同人)978-4-8079-0900-1
担当教員 藤森 崇夫

到達目標

1)原子や簡単な分子の軌道を正しく表すことが出来る。
2)元素の持つ性質を電子配置から正しく説明することが出来る。
3)化学反応を電子の移動などの現象から正しく説明することが出来る。
4)化学反応や原子の性質を定量的に取り扱うための理論を理解し、正しく理論式を取り扱うことが出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1簡単な分子や金属の軌道を分子軌道法を用いて説明できる。簡単な分子の分子軌道を原子価結合法を用いて説明できる。原子軌道については説明することが出来る。  A ・ B ・ C
評価項目2学んだ理論を応用し、授業で扱った以外の現象についても論理的に説明できる。学んだ理論から授業中に取り扱った現象を正しく説明できる。学んだ理論については部分的に説明することができる。  A ・ B ・ C
評価項目3イオンの電子配置を予測し、錯体イオンの電荷を正しく予測することができる。イオンの電子配置について元の原子の電子配置から説明することができる。原子のもつ電子配置については説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
一般化学の基礎知識を復習しながら、各元素とその化合物の諸性質が電子配置によって説明されることを理解する。
授業の進め方・方法:
1)課題の提出期限を厳守すること
2)授業プリント(またはデジタルコンテンツ)を配布して授業を行うので、きちんと整理すること
3)事前学習として2年生までに学習した基礎化学と分析化学、有機化学の内容をきちんと復習すること
4)事後学習として原子や分子の軌道についてきちんと描画できるように軌道の形や相互作用を理解すること
5)事後学習として原理・原則を自分の言葉で説明できるように授業内容をきちんと復習すること
注意点:

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 原子構造と周期律(1) 無機化学の学問分野について理解する
4つの量子数について理解する
2週 1. 原子構造と周期律(2) 4つの量子数について理解する
ボーアの水素モデルについて理解する
3週 1. 原子構造と周期律(3) イオン化エネルギー等の原子の性質について理解する
4週 1. 原子構造と周期律(4) 電気陰性度について理解し、分子の分極を知る
5週 2. 原子価結合法(1) ルイス構造を描くことができる
6週 2. 原子価結合法(2) 混成軌道を用いて分子の形を説明できる
7週 2. 原子価結合法(3) π結合とσ結合について説明できる
8週 2. 原子価結合法(4) 共鳴構造について説明できる
VSEPR理論について説明できる
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 3. 分子軌道法(1) 電子の粒子性と波動性から軌道の位相について説明できる
11週 3. 分子軌道法(2) 簡単な二原子分子の分子軌道について説明できる
12週 3. 分子軌道法(3) 異核二原子分子について分子軌道を説明できる
13週  4.イオンと結晶、金属結合(1) イオンの生成について電子配置から説明できる
14週  4.イオンと結晶、金属結合(2) イオン半径比から結晶構造を説明できる
金属結合について説明できる
15週  4.イオンと結晶、金属結合(3) 金属結合からバンド理論を説明できる
金属の充填率を説明できる
16週
後期
3rdQ
1週 5.酸と塩基、酸化と還元(1) 中和反応について理解し酸解離定数を定量的に取り扱える
2週 5.酸と塩基、酸化と還元(2) 酸化還元反応について理解し、ネルンスト式を用いて起電力が計算できる
3週 6. 典型金属 典型金属について説明できる
4週 7.非金属 非金属元素から成る簡単物質について説明できる
5週 7.遷移金属 第一遷移金属についてSc-Cuまでの性質を説明できる
6週 8.遷移金属錯体の構造(1) 配位結合や配位数について説明できる
錯体の構造と配位数の関係を示すことができる
7週 8.遷移金属錯体の構造(2) 錯体の命名法を用いて命名することができる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 9.結晶場理論(1) d軌道の分裂について説明できる
10週 9.結晶場理論(2) 結晶場理論から安定化エネルギーを計算できる
11週 10.配位子場理論(1) 分子軌道法を用いて錯体のエネルギー準位図を説明できる
12週 10.配位子場理論(2) 配位子場理論より錯体の色(d-d遷移)について説明できる
13週 11.錯体の反応(1) アクア錯体の酸解離反応について説明できる
錯形成反応について理解し、定量的に取り扱える
14週 11.錯体の反応(2) エントロピーの観点からキレート効果を説明できる
15週 12.無機化学の発展 有機金属錯体や生体内での代表的な中心金属について説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2前1
σ結合とπ結合について説明できる。3前7
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3前6,前12
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3前11,前12
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。2前5
共鳴構造について説明できる。2前8,前12
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3前1,前2
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3前1,前2
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4前2,前11,前12
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4前3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3後3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4前3,前4
イオン結合と共有結合について説明できる。4前13
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4前5
金属結合の形成について理解できる。4前14
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前7,前11,前12
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4前6
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前14,前15
配位結合の形成について説明できる。4後6
水素結合について説明できる。3後15
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4後6
錯体の命名法の基本を説明できる。4後7
配位数と構造について説明できる。4後6
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。2後9,後10,後12,後15
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。2後3,後4,後5
分析化学錯体の生成について説明できる。3後9,後10,後12,後14
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3後1,後13
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3後2
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3後13
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3後1,後2,後13

評価割合

試験その他合計
総合評価割合9010100
知識の基本的な理解70070
思考・推論・創造への適応力10010
態度・志向性(人間力)01010
総合的な学習経験と創造的思考力10010