物理化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「化学熱力学中心の基礎物理化学」 秋貞英雄、井上 亨、杉原剛介(学術図書出版)
担当教員 岡部 勇二

到達目標

1) 濃度の概念を正しく理解し、気体や溶液の濃度を求めることができる。
2) 気体・液体・固体の純物質・混合物に関する基礎的な公式を理解し、使用できる。
3) 物質の相変化と圧力、温度、濃度の関係を説明できる。
4) 変化の進行度や平衡状態を理解し、化学反応については濃度や平衡定数を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1濃度と単位について正しく理解し、濃度を求めることができるだけでなく、濃度の相互変換が自由にできる。濃度と単位について正しく理解し、濃度を求めることができる。濃度を求めることができる。  A ・ B ・ C
評価項目2基礎的な公式を理解し、使うことができるだけでなく、それらを組み合わせることができる。基礎的な公式を理解し、使うことができる。基礎的な公式を使うことができる。  A ・ B ・ C
評価項目3平衡状態につついて正しく理解し、相平衡について説明できるだけでなく、相の状態について考察できる。平衡状態について正しく理解し、相平衡について説明できる。相平衡について説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目4化学平衡について正しく理解し、平衡定数を求めることができるだけでなく、温度や圧力に対する依存性を説明できる。化学平衡について正しく理解し、平衡定数を求めることができる。平衡定数を求めることができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学は物理学の手法を使って化学現象を理解する学問領域であり、複雑な化学現象を単純化し、基礎的な物理量だけを使って関数で表現することで、その本質を理解することを目標とする。本授業では様々な化学現象を再現する関数(公式)を理解することを通じて、物理化学の基礎について学ぶ。
授業の進め方・方法:
【自己学習】
・原子量や分子量、物質量(mol)の計算を正確にできるようにしておくこと。
・対数の計算、関数の微分や積分ができるようにしておくこと。
・教科書の例題や章末問題に取り組み、授業中やオフィスアワーに質問をすること。
注意点:
・課題の提出期限を守ること。
・定期試験(4回)の平均点が40点を下回る者の再試験は認めない。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎事項 単位について正しく理解する。対数の意味を知り、対数を正しく使える。
2週 気体-理想気体- 理想気体の状態方程式を使って気体の圧力や体積、温度や物質量を求めることができる。理想気体の特徴について説明できる。
3週 気体-気体分子運動論- ミクロな分子の運動とマクロな圧力との関連を知り、運動エネルギーの概念を理解する。
4週 気体-実在気体- 理想気体の実在気体の違いについて説明できる。van der Waalsの式を使って気体の圧力や体積、温度や物質量を求めることができる。
5週 気体-臨界現象と相応状態- van der Waals定数と臨界値の関係を知り、相応状態の原理について学ぶ。
6週 液体 液体の特徴を知り、純物質の気相-液相平衡にClapeyron-Clausiusの式を適用できる。
7週 固体 固体の特徴を知り、純物質の気相-固相平衡および液相-固相平衡にClapeyron-Clausiusの式を適用できる。
8週 前期中間試験 学んだことの定着度を定期試験で確認する。
2ndQ
9週 混合物-濃度- 種々の濃度の定義を理解し、混合物の濃度を正しく計算できる。
10週 混合物-濃度- 分圧の概念を正しく理解し、分圧から濃度を求めることができる。
11週 混合物-気相液相平衡- Henryの法則を正しく理解し、Bunsenの吸収係数を正しく取り扱える。
12週 混合物-気相液相平衡- Raoultの法則を使って、平衡状態にある溶液と蒸気の組成の関係を理解できる。理想溶液の定義を理解する。
13週 混合物-束一的性質- 束一的性質について理解し、溶液の沸点上昇度や凝固点降下度、および浸透圧を求めることができる。
14週 相平衡 気相液相平衡における組成圧力図および沸点図を理解し、正しく取り扱える。
15週 相平衡 液相液相平衡における相互溶解度、固相液相平衡における冷却曲線と融点図の関係を理解し、正しく取り扱える。
16週
後期
3rdQ
1週 化学平衡-可逆反応- 可逆反応と化学平衡、および質量作用の法則について正確に理解し、説明できる。
2週 化学平衡-気相反応- 気相反応の圧平衡定数と濃度平衡定数を正しく定義し、相互に変換できる。
3週 化学平衡-溶液反応- 溶液反応の濃度平衡定数について正しく定義できる。気相液相平衡におけるHenryの法則やRaoultの法則との関係について理解する。
4週 化学平衡-Le Chatelierの原理- Le Chatelierの原理について理解し、化学平衡に対する外的条件の影響について説明できる。
5週 化学平衡-van't Hoffの式- van't Hoffの式を使って種々の温度における平衡定数の値を求めることができる。
6週 化学平衡-酸塩基平衡- 水、弱酸、および弱塩基の電離平衡を理解し、水のイオン積、弱酸および弱塩基の解離定数や解離指数を正しく取り扱える。緩衝溶液の調製方法を説明できる。
7週 化学平衡-溶解度積- 溶解度積について正しく理解し、取り扱える。共通イオン効果について説明できる。
8週 後期中間試験 学んだことの定着度を定期試験で確認する。
4thQ
9週 熱力学の基礎-巨視的な系- 巨視的な系について理解し、正しく説明できる。
10週 熱力学の基礎-状態変数- 状態変数について正しく理解し、示強性変数と示量性変数を区別できる。Gibbsの相律について理解する。
11週 熱力学の基礎-熱と仕事- 熱と仕事の定義について正しく理解し、取り扱える。
12週 熱力学の基礎-熱と仕事- 熱容量について正しく理解し、取り扱える。
13週 熱力学の基礎-内部エネルギー- 系の内部エネルギーの分子論的解釈、および温度について正しく理解する。
14週 熱力学の基礎-内部エネルギー- 理想気体の内部エネルギーやJouleの法則について正しく理解し、取り扱うことができる。
15週 熱力学第一法則 熱力学第一法則について正しく理解し、熱と仕事の相互変換について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。2後13
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。2後15
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。2後13
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。2後13
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。2後14
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前3,前4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前5
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前6,前7
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前7
混合気体の分圧の計算ができる。4前14
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前9,前10,前12
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4後5,後6,後7
束一的性質を説明できる。4後2,後3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4後2,後3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4後2,後3
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。2後6,後7
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後9,後10,後11
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後11
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4後5,後6,後7
平衡定数の温度依存性を計算できる。3後12

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果品実技その他合計
総合評価割合30700000100
知識の基本的な理解2030000050
思考・推論・創造への適応力1020000030
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)020000020
総合的な学習経験と創造的思考力0000000