生物化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物化学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 生化学、鈴木紘一編(東京科学同人)(ISBN: 9784807906475)【参考資料:ストライヤー生化学、Stryer著、入村達郎ら訳(東京化学同人)(ISBN: 9784807909292);細胞の分子生物学、Alberts ら著 中村桂子ら訳(Newton Press)(ISBN: 9784315518672)】
担当教員 高橋 利幸

到達目標

1)生物の構成分子(糖類、脂質、タンパク質、核酸など)に関する基本的な観点を理解できる。
2)生物の代謝のうち代表的な代謝機構の仕組みを説明できる。
3)生物の遺伝子発現とその応用利用について説明できる。
4)生物が恒常性を維持する仕組み(免疫機構)を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(A)標準的な到達レベルの目安(B)未到達レベルの目安(C)(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1生物の構成分子と代謝機構の基本的な概念に加え、その生理的な意義を説明できる。生物の構成分子と代謝機構の基本的な概念を説明できる。生物の構成分子と代謝機構の基本的な概念の一部を説明できる。A ・ B ・ C
評価項目2生物の遺伝子発現機構とその応用利用(遺伝子工学)の基本的な概念に加え、その生理的意義と工学的意義をそれぞれ説明できる。生物の遺伝子発現機構とその応用利用(遺伝子工学)の基本的な概念を説明できる。生物の遺伝子発現機構とその応用利用(遺伝子工学)の概念の一部を説明できる。A ・ B ・ C
評価項目3生物が恒常性を維持する仕組みの基本的な概念に加え、その生理的意義を説明できる。生物が恒常性を維持する仕組みの基本的な概念を説明できる。生物が恒常性を維持する仕組みの概念の一部を説明できる。A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1)生物体がどのような物質から成り立っているのか、2)それらの物質が生体内でどのようにして合成・分解されるのか、3)またこれらの物質が生体システムの中でいかなる機能を営んでいるかということに関連した生物化学の基礎知識を身につける。
授業の進め方・方法:
1)教科書と授業中に配布する配布資料を中心に授業を行います。
2)授業の理解を確認するため、確認問題を実施します。
3)事後学習としての授業内容の課題問題は、オンラインクイズ形式で行います。
注意点:
1)基礎化学、科学Ⅱの生物系分野と関係する基本的内容をよく理解しておくこと。
2)課題レポートは提出期限日までに提出すること。
3)pH や化学物質の官能基の構造など生物反応にも関係する化学の基礎知識をよく理解しておくこと。
4)配布資料によく目を通し、復習に重点をおいて学習すること。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明および「細胞と生体内における pH」 生化学で何ができるのか、さらに生物の細胞の基本的な作りや細胞内における水分子や pH の作用を説明できる。
2週 糖(単糖類・二糖類・多糖類1) 単類の構造および性質を説明できる。
3週 糖(単糖類・二糖類・多糖類2) 単類の構造や性質に基づき、二糖類・多糖類の構造や生体内における働きを説明できる。
4週 脂質 単類の構造や性質に基づき、二糖類・多糖類の特生体高分子としての脂質の構造と性質を説明できる。
5週 演習1 基本的な細胞の構造、糖類や脂質に関して、その構造や働きを整理できる。
6週 アミノ酸とタンパク質、ビタミンと補酵素 アミノ酸の構造、タンパク質の構造と機能を説明できる。また、ビタミンと補酵素の機能を説明できる。
7週 酵素1 生体触媒の基本的な働きを挙げることができる。
8週 演習2 アミノ酸、タンパク質、ビタミン、補酵素と酵素に関して、その構造や働きを整理できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 酵素反応速度論1 酵素反応の特徴を挙げることができる。
11週 酵素反応速度論2 酵素反応の性質を挙げることができる。
12週 代謝(異化・同化)とエネルギー 代謝と高エネルギー化合物の機能を説明できる。
13週 解糖系と TCA サイクル 解糖系、TCAサイクルの代謝経路とその特徴を説明できる。
14週 電子伝達鎖、好気呼吸と嫌気呼吸 電子伝達の機構と嫌気呼吸その特徴を説明できる。
15週 演習3 酵素、代謝などに関して、その構造や働きを整理できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 脂質代謝 ヒトの体における脂質代謝の機構を説明できる。
2週 窒素代謝 ヒトの体における窒素代謝の機構を説明できる。
3週 光合成 光合成の機構を説明できる。
4週 核酸 核酸の構造と性質を説明できる。
5週 遺伝子(DNA複製) DNAの複製(半保存的複製)の仕組みを説明できる。
6週 遺伝情報の発現(転写とタンパク質合成) 遺伝情報の発現としてのタンパク質合成の仕組みを説明できる。
7週 演習4 代謝、核酸、DNA複製などに関して、その構造や働きを整理できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 遺伝子発現の制御機構 遺伝子発現の制御機構を説明できる。
10週 遺伝子工学1 遺伝子操作の概要を説明できる。
11週 遺伝子工学2 遺伝子操作に必要な酵素や技術を説明できる。
12週 免疫の機構1 免疫による生体防御の仕組みを説明できる。
13週 免疫の機構2 生体防御を担う生体分子の特徴を説明できる。
14週 細胞工学 免疫の仕組みを利用した細胞工学に関して説明できる。
15週 演習5 遺伝子発現、遺伝子工学、免疫機構などに関して、その構造や働きを整理できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3前2,前3,前5,前6
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。1
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。2
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3前2,前3,前5,前6,後4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3前2,前3,前5,前6
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2前2,前5,前6,前8
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。2前3,前5
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3前6,前8,後4,後7
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3前6,前8,後4,後7
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3前6,前8
高分子の熱的性質を説明できる。3前10,前15
重合反応について説明できる。3前3,前4,前5,前6
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3前3,前4,前5,前6
無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。2前6
水素結合について説明できる。2前1,前5,前6,後4,後5,後7
分析化学強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。1前1,前5
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。2前1,前5
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。2前1,前5
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1,前5
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3前1,前5,後3,後7
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前12,後1,後2,後7
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前7,前8,前10,前15,後5,後6,後7,後11,後15
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4前12,前15,後3,後7
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後4,後7,後10,後15
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後6,後7,後10,後15
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3後7,後9,後10,後15
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。2前11,前15
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4後12,後13,後14,後15
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前4,前5,前6,前8
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前6
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前2,前5
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前2,前3,前5
グリコシド結合を説明できる。4前3,前5
多糖の例を説明できる。4前3,前5
脂質の機能を複数あげることができる。4前4,前5,後1,後7
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前4,前5,後1,後7
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3前4,前5
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前6,前8,後7,後12,後15
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前6,前8
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前6,前8,後2,後7
タンパク質の高次構造について説明できる。4前6,前8
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後4,後5,後7,後9,後15
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後4,後5,後7,後9,後15
DNAの半保存的複製を説明できる。4後5,後7
RNAの種類と働きを列記できる。4後6,後7,後9,後15
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後6,後7,後9,後15
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4前7,前8,前11,前15
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4前10,前11,前15
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4前7,前8
解糖系の概要を説明できる。4前13,前14,前15,後1,後7
クエン酸回路の概要を説明できる。4前13,前14,前15,後1,後7
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前14,前15
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4前14,前15
各種の光合成色素の働きを説明できる。4後3,後7
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後3,後7
炭酸固定の過程を説明できる。4後3,後7
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。1
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。2前14,前15
食品加工と微生物の関係について説明できる。2前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力100000313
専門的能力800000585
分野横断的能力0000022