科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 法学
科目番号 0050 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 伊藤真(2012)『伊藤真の法学入門』日本評論社
担当教員 吉井 千周

到達目標

1 法学について汎用な知識を習得できること
2 授業で取り上げた用語について理解し説明できること
3 新聞の法律に関する記事を過不足なく理解できるようになること
4 論理的な文章で、法に関する意見を著述できるようになること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基本的な法学の理論を支える用語を理解し、正しく使用し、自分の見解を述べる事が出来る。 基本的な法学の理論を支える用語を理解しているが、正しく使用することができず、あいまいながら自分の見解を述べる事ができる。基本的な法学の理論を支える用語を理解しておらず、正しく使用することができず、自分の見解を述べる事ができない。
評価項目2リーガルマインドを理解し、授業外でも一人で、現代社会について、法学的な視座から判りやすく説明することができる。リーガルマインドを理解し、授業内で補助者の下、現代社会について、法学的な視座からを判りやすく説明することができる。リーガルマインドを理解できず、授業内で補助者の下であれば現代社会について、法学的な視座から説明することができる。
評価項目3法学の理論に基づいた自己の主張を、適切な根拠に基づき、わかりやすく伝えることができる。 法学の理論に基づいた自己の主張が、適切な根拠に基づいて伝えられているが、話がわかりにくい。法学の理論に基づいた自己の主張を支える根拠に飛躍が見られる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
法という制度と仕組み、法が社会に置いて果たす役割、法が一般の人にとって日常生活にとってどのような意味を持つか理解することを目的とする。知的財産法および著作権法などの工業部門に親しい分野の法律についても随時とりいれていくが、現在の法制度を「覚える」のではなく、新しい「法」に接する時にもそれを運用し、自らの生活に取り込むような「法的思考」(いわゆる「リーガルマインド」)を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
法学に関する基礎的な知識を有しており、かつ、これに対する関心をもっていることが望ましい。またこの科目は5年で開講される『産業財産権』受講の際の必修科目となる。
注意点:
「法学を受講するに当たって、1年生の時に履修した「現代社会」並びに3年生の時に履修した「政治・経済」の教科書を再読しておくこと

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション 「科学」/社会科学/法学の概要、ノートのとりかたと授業の受け方 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
2週 法と規範 法と規範との違いを理解する。
3週 法規範の特質について 法規範の特性を理解し、道徳などとの違いを理解する
4週 近代法の成り立ちについて/慣習法と近代法 近代法の形成過程をフランス革命以降の流れの中で理解し、人権の成り立ちを理解する。
5週 日本近世法制史 大化の改新以降、江戸時代までの日本法制史を理解する。
6週 日本近代法制史 明治期における日本における近代法形成過程を理解する。
7週 日本国憲法の成り立ち・憲法前文 第2次世界大戦以降の日本国憲法成立過程を理解し、さらにそれに伴って変更が行われた法律・法制度について理解する。
8週 基本的人権(自由権・参政権・社会権) 憲法に規定されている基本的人権について理解する。
2ndQ
9週 新しい人権 憲法に規定されていないが、憲法第13条を元にして認められている「新しい人権」(環境権・プライバシー権)について理解する。
10週 法と正義/法的安定性 法によって実現される正義と法的安定性について理解する。
11週 フランクフルト学派法理論/Nichlas Luhmanの法社会学 裁判において権利義務を争うためのルールを学ぶ
12週 ドイツ法理論の系統/ヘーゲル法哲学 ヘーゲル法哲学の問題提起を理解する。
13週 H.L.Aハートの法理論 ハートの法理論を理解する。
14週 ロールズの正議論 ロールズの正義論を理解し、正義の尺度の多様性を理解する。
15週 マイノリティと法制度 法制度を利用できない人々(国内国外を問わず)の権利をどのように保護するか考える。
16週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
後期
3rdQ
1週 成文法と不文法/公法と私法 法源としての成文法/不文法について理解する。また公法と私法について違いを理解出来るようになる。
2週 国内法と国際法 国内法と国際法(条約など)との関係を理解する。
3週 裁判制度/判例の位置づけ 裁判制度を理解し、法源としての判例について理解する。
4週 法的三段論法とリーガルマインド 判決文に見られる法的三段論法とリーガルマインドについて理解する。
5週 法律の勉強の仕方/法律文書の書き方/六法全書の使い方 法制度を学ぶために必要な勉強方と記述方法、六法全書の使い方を学ぶ。
6週 判例の検索 判例の検索方法と読み方について理解する。
7週 法の解釈と運用 法の解釈と判例との比較について理解する。
8週 法実務と法理論 法実務における法理論の応用について理解する。
4thQ
9週 民法・商法 民法・商法の概略を理解する。
10週 刑法 刑法の概略を理解する。
11週 民事訴訟法・刑事訴訟法 訴訟法の概略を理解する。
12週 行政法・労働法 行政法・労働法の概略を理解する。
13週 知的財産権 知的財産権の概略を理解する。
14週 法曹職(パラリーガル)への応用 法曹職の役割と理系の学生でも取得できるパラリーガル資格について理解する。
15週 総括 1年間の学習内容を振り返る
16週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解60060
思考・推論・創造 へ の 適 応 力01010
汎用的技能01010
態度・志向性 (人間力)000
総合的な学習経験 と創造的思考力20020