物理化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「化学熱力学中心の基礎物理化学」 秋貞英雄、井上 亨、杉原剛介(学術図書出版)
担当教員 岡部 勇二

到達目標

1) 濃度の概念を正しく理解し、気体や溶液の濃度を求めることができる。
2) 気体・液体・固体の純物質・混合物に関する基礎的な公式を理解し、使用できる。
3) 物質の相変化と圧力、温度、濃度の関係を説明できる。
4) 変化の進行度や平衡状態を理解し、化学反応については濃度や平衡定数を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
評価項目1濃度と単位について正しく理解し、濃度を求めることができるだけでなく、濃度の相互変換が自由にできる。濃度と単位について正しく理解し、濃度を求めることができる。濃度を求めることができる。
評価項目2基礎的な公式を理解し、使うことができるだけでなく、それらを組み合わせることができる。基礎的な公式を理解し、使うことができる。基礎的な公式を使うことができる。
評価項目3平衡状態につついて正しく理解し、相平衡について説明できるだけでなく、相の状態について考察できる。平衡状態について正しく理解し、相平衡について説明できる。相平衡について説明できる。
評価項目4化学平衡について正しく理解し、平衡定数を求めることができるだけでなく、温度や圧力に対する依存性を説明できる。化学平衡について正しく理解し、平衡定数を求めることができる。平衡定数を求めることができる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標・サブ目標との対応 2-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学は物理学の手法を使って化学現象を理解する学問領域であり、複雑な化学現象を単純化し、基礎的な物理量だけを使って関数で表現することで、その本質を理解することを目標とする。本授業では様々な化学現象を再現する関数(公式)を理解することを通じて、物理化学の基礎について学ぶ。
授業の進め方・方法:
1) 課題の提出期限を守ること。
2) 定期試験(4回)の平均点が40点を下回る者の再試験は認めない。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単位 単位について正しく理解する。
2週 対数 対数の意味を知り、対数を正しく使える。
3週 気体の法則 気体の特徴を知り、Boyleの法則とCharlesの法則を正しく使える。
4週 理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式を使って気体の圧力や体積、温度や物質量を求めることができる。
5週 気体分子運動論 ミクロな分子の運動とマクロな圧力との関連を知り、運動エネルギーの概念を理解する。
6週 実在気体と状態方程式 van der Waalsの式を使って気体の圧力や体積、温度や物質量を求めることができる。
7週 臨界現象と相応状態 van der Waals定数と臨界値の関係を知り、相応状態の原理について学ぶ。
8週 前期中間試験 学んだことの定着度を定期試験で確認する。
2ndQ
9週 物質の三態と相転移 物質の三態について確認し、相転移と平衡状態について知る。
10週 液体の蒸気圧 液体の特徴を知り、Clapeyron-Clausiusの式を使って液体の蒸気圧と温度の関係を取り扱えるようになる。
11週 固体 固体の特徴を知り、Clapeyron-Clausiusの式を使って昇華や融解を取り扱える。
12週 純物質の状態図 純物質の状態図を使って純物質の状態や変化について説明できる。
13週 混合物と濃度 種々の濃度の定義を理解し、混合物の濃度を正しく計算できる。
14週 Daltonの分圧の法則 分圧の概念を正しく理解し、分圧から濃度を求めることができる。
15週 気体の溶解とHenryの法則 Henryの法則を正しく理解し、Bunsenの吸収係数を正しく取り扱える。
16週
後期
3rdQ
1週 Raoultの法則 理想溶液について知り、Raoultの法則を使って、平衡状態にある溶液と蒸気の組成の関係を理解できる。
2週 溶液の束一性 束一的性質について理解し、沸点上昇定数や凝固点効果定数から沸点上昇度や凝固点降下度を求めることができる。
3週 溶液の束一性 浸透圧について理解し、van't Hoffの浸透圧の法則から溶液の浸透圧を求めることができる。
4週 水蒸気蒸留の原理 水蒸気蒸留の原理を正しく理解する。
5週 相平衡 平衡状態について理解し、相平衡について正しく説明することができる。
6週 相平衡と状態図 気相液相平衡を示す組成圧力図や沸点図を正しく取り扱うことができる。
7週 相平衡と状態図 液相液相平衡および固相液相平衡について概観し、さまざまな状態図を知る。
8週 後期中間試験 学んだことの定着度を定期試験で確認する。
4thQ
9週 可逆反応と化学平衡 可逆反応と化学平衡について正しく説明することができる。
10週 化学平衡と平衡定数 濃度平衡定数と圧平衡定数を正しく求めることができる。
11週 平衡定数とLe Chatelierの原理 平衡定数に基づいて物質の濃度を求めることができ、Le Chatelierの平衡移動の原理を理解できる。
12週 平衡定数の温度依存性 van't Hoffの定圧平衡式を使って平衡定数と温度の関係を正しく取り扱える。
13週 弱酸と弱塩基の電離平衡 弱酸と弱塩基の電離平衡の平衡定数を正しく理解し、濃度からpHを求めることができる。
14週 緩衝溶液 緩衝作用について正しく理解し、緩衝溶液の調製法を説明できる。
15週 難溶塩の溶解度積 難溶塩の溶解度積について正しく理解し、溶解度と溶解度積を相互に変換できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。2後13
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。2後15
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。2後13
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。2後13
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。2後14
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前3,前4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。2前5
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前6,前7
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。2前7
混合気体の分圧の計算ができる。4前14
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前9,前10,前12
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4後5,後6,後7
束一的性質を説明できる。2後2,後3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4後2,後3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4後2,後3
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。2後6,後7
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後9,後10,後11
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後11
均一および不均一反応の平衡を説明できる。2後5,後6,後7
平衡定数の温度依存性を計算できる。3後12

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果品実技その他合計
総合評価割合80200000100
知識の基本的な理解6020000080
思考・推論・創造への適応力200000020
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000