生物工学実験

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生物工学実験
科目番号 0060 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 所定の実験書を使用
担当教員 福留 功博,高橋 利幸,平沢 大樹

到達目標

1)生物工学実験の基礎を習得し、当テーマに関連する実験を実行できる。
2)各実験原理を理解し、正しい実験操作を実践し、期待される結果を実験的に導き出すことができる。
3)参考資料等も調べ、十分な考察を行った後、整理されたレポートを完成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験の理論から、結果を推論し、実験結果の妥当性を考察できる。実験の理論から推論し、実験結果を予想できる。実験の手法と理論を理解し説明できる。
評価項目2実験結果から、用いた試料の特性を考察し、結論を提示できる。試料や器具の種類等によって最適な実験条件を提案できる。実験書に従って実験を行い結果を出すことができる。
評価項目3専門用語や参考資料を適切に配置したレポートを完成できる。参考資料によって得た知識から、考察されたレポートを作成できる。一定の形式でレポートを作成できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物工学実験では、1)バイオ産業で用いられる基本的な生物や酵素の取り扱い方を習得し、2)生物工学的技術の基礎と理論を習得する。さらに、得られたデータを分析し、3)科学レポートの作成法を習得することを目的とし、各テーマの実験を行う。
授業の進め方・方法:
全ての実験は、配布された実験書にしたがい、実験を行う。実験の中には、毒劇物に該当する試薬を使用する実験や時間を要する実験もあるため、安全・効率的に実験を行うために、実験前に実験書を熟読しておく。実験前の不明な点は、自己学習として実験書、専門書、Web 等を使用し、自己学習しておく。また、実験後は、指定の期日までに実験レポートをまとめ、提出する。
注意点:
1)実験前に実験書を熟読し、不明な点は調べておくこと。
2)自己学習は実験書、専門書、Web 等を使用すること。
3)白衣を着用する等、実験書に記載された注意事項を厳守して行うこと。
4)担当教員の指示に従い、安全に実験をおこなうこと。
5)実験後、速やかにレポートを完成し期限内に提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明と安全指導 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明および実験上の安全に関する内容の確認
2週 生物工学実験準備 生物工学実験を行うための諸注意、準備実験準備、安全教育
3週 微生物実験Ⅰ 微生物の取り扱い方、滅菌、培地調製の原理を理解し、実践できる。
4週 微生物実験Ⅱ 希釈平板法による菌数計算の原理を理解し、実践できる。
5週 微生物実験Ⅲ 微生物のグラム染色の原理を理解し、実践できる。
6週 レポート整理 実験室の整理整頓とレポート整理を行うことができる。
7週 酵素工学実験Ⅰ-1 酵素のpHおよび温度依存性の確認の原理を理解し、実践できる。
8週 酵素工学実験Ⅰ-2 実験結果の整理を行い、適切にレポート校正できる。
2ndQ
9週 酵素工学実験Ⅱ-1 酵素反応の挙動解析、Km・Vmaxの算出し、レポート作製作成できる。
10週 酵素工学実験Ⅱ-2 実験結果の整理を行い、適切にレポート校正できる。
11週 生化学実験1 ポリアクリルアミドゲル電気泳動による卵白タンパクの分離(試料調製、電気泳動)の原理を理解し、実践できる。
12週 生化学実験2 実験結果の整理を行い、適切にレポート校正できる。
13週 植物工学実験1 ニンジン根の組織培養と分化(試料調製、滅菌、培養)の原理を理解し、実践できる。
14週 植物工学実験2 ニンジン根の組織培養と分化に関して、実験結果を観察し、考察できる。
15週 植物工学実験3 実験結果の整理を行い、適切にレポート校正できる。
16週 レポート結果の説明 指摘された点に関して、レポート整理を行うことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前3,前4,前11,前12,前13,前14,前15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前3,前4,前11,前12,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前3,前4,前12,前14,前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前5,前6,前11,前12,前13,前14,前15,前16
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前5,前6,前11,前12,前13,前14,前15,前16
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3前11,前12
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。3前11,前12
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。2
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4前3,前4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4前3,前4,前13,前14
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4前11,前12
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4前11,前12
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4前11,前12
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000003030
専門的能力000005050
分野横断的能力000002020