化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 小島和夫ら 著,入門化学工学(培風館)
担当教員 清山 史朗

到達目標

1)単位換算が理解できること.
2)エネルギー収支を含む物質収支が理解できること.
3)伝熱が理解できること.
4)蒸留による物質分離が理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1特殊な単位換算まで計算できる.一般的な単位換算ができる.簡単な単位換算のみ計算できる.
評価項目2物質収支式を自ら導出し,複雑な物質収支が理解できる.エネルギー収支を含む物質収支が理解できる.基本的な物質収支式のみ組み立てができる.
評価項目3伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の全てが理解でき,応用問題が解ける.伝熱が理解でき,フーリエの法則を扱うことができる.基礎的なフーリエの法則が理解できる.
評価項目4気液平衡および連続蒸留の設計が理解できる.蒸留による物質分離が理解できる.ラウールの法則,ダルトンの法則が理解できる.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標・サブ目標との対応 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学の基礎となる単位換算,物質・エネルギー収支,熱移動現象としての伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱及び物質分離・移動操作の基礎である蒸留に関しての基礎的知識を修得する.
授業の進め方・方法:
化学工学の基礎となる単位換算,物質・エネルギー収支,熱移動現象としての伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱及び物質分離・移動操作の基礎である蒸留に関して,説明と演習を通して理解を深めていく.
注意点:
・定期試験による各期成績の総合評価
・学年成績60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単位系1(国際単位系・基本単位) 国際単位系,基本単位を理解する.
2週 単位系2(誘導単位・SI接頭語・絶対単位) 誘導単位,SI接頭語,絶対単位を理解する.
3週 単位系3(演習)
物質収支1(物理的操作をめぐる物質収支1)
単位系の演習により理解を深める.
物理的操作における物質収支を理解する.
4週 物質収支1(物理的操作をめぐる物質収支2) 物理的操作における物質収支を理解する.
5週 物質収支1(演習) 演習により物理的操作における物質収支を身につける.
6週 物質収支2(化学反応操作をめぐる物質収支1) 化学反応操作をめぐる物質収支を理解する.
7週 物質収支2(化学反応操作をめぐる物質収支2) 化学反応操作をめぐる物質収支を理解する.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 物質収支2(演習) 演習により化学反応操作をめぐる物質収支を身につける.
10週 エネルギー収支(エンタルピー変化の計算) エンタルピーについて理解する.
11週 エネルギー収支(エンタルピー変化の計算・演習)
エネルギー収支(物理的操作をめぐる熱収支)
演習によりエンタルピー変化の計算方法を身につける
物理的操作をめぐる熱収支について理解する.
12週 エネルギー収支(物理的操作をめぐる熱収支・演習) 演習により物理的操作をめぐる熱収支について理解を深める.
13週 エネルギー収支(化学反応操作をめぐる熱収支) 化学反応をめぐる熱収支について理解する.
14週 エネルギー収支(化学反応操作をめぐる熱収支・演習) 演習により化学反応をめぐる熱収支について理解を深める.
15週 エネルギー収支(反応熱の計算) 反応熱の計算方法について理解する.
16週 エネルギー収支(反応熱の計算・演習) 演習により反応熱の計算方法について理解を深める.
後期
3rdQ
1週 熱移動操作(伝導伝熱1) 伝導伝熱について理解する.
2週 熱移動操作(伝導伝熱2) 伝導伝熱について理解する.
3週 熱移動操作(伝導伝熱・演習) 演習により伝導伝熱について理解を深める.
4週 熱移動操作(対流伝熱1) 対流伝熱について理解する.
5週 熱移動操作(対流伝熱2) 二重管式熱交換器について理解する.
6週 熱移動操作(対流伝熱・演習) 演習により対流伝熱について理解を深める.
7週 熱移動操作(放射伝熱) 放射伝熱について理解する.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 蒸留(気液平衡の計算1) 気液平衡の計算方法について理解する.
10週 蒸留(気液平衡の計算2) 気液平衡の計算方法について理解する.
11週 蒸留(気液平衡の計算・演習) 演習により気液平衡の計算方法について理解を深める
12週 蒸留(単蒸留) 単蒸留について理解する.
13週 蒸留(フラッシュ蒸留) フラッシュ蒸留について理解する.
14週 蒸留(連続蒸留1) 連続蒸留について理解する.
15週 蒸留(連続蒸留2) 連続蒸留の計算方法について理解する.
16週 蒸留(連続蒸留・演習) 演習により連続蒸留について理解を深める.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
σ結合とπ結合について説明できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。3
高分子の熱的性質を説明できる。3
重合反応について説明できる。3
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。3
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。3
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
物理化学熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4前10,前11
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4前11,前12
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4前13,前14,前15,前16
化学工学SI単位への単位換算ができる。4前1,前2,前3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前3,前4,前5
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前6,前7
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。4後1,後2,後3
熱伝導による熱流量について説明できる。4後3,後4
熱交換器内の熱流量について説明できる。4後5,後6
放射伝熱について説明できる。4後7
蒸留の原理について理解できる。4後9,後10,後11
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4後12,後13,後14
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力700000070
専門的能力300000030
分野横断的能力0000000