機器分析

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 機器分析
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 田中・飯田著 基礎化学選書 「機器分析」 裳華房
担当教員 野口 大輔

到達目標

1)物質の原子、電子レベルでの構造を説明できる。
2)物質と光の相互作用に基づくスペクトロスコピー分野の分析原理を説明できる。
3)質量分析、クロマトグラフィー、pHの測定などの分析原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の構造を化学結合に基づいて説明できる物質の原子、電子レベルの構造を説明できる化学結合について説明できる
評価項目2分析対象に対してスペクトロスコピー分野の分析装置を適切に選択できる物質と光の相互作用に基づくスペクトロスコピー分野の分析原理を説明できるスペクトロスコピー分野の分析原理利用した装置を挙げられる
評価項目3複数の分析装置な中から分析原理に基づいて分析装置を選択できる質量分析、クロマトグラフィー、pHの測定などの分析原理を説明できる質量分析、クロマトグラフィー、pHの測定などの分析装置を挙げられる

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
光と物質の相互作用の分析への利用、各分析法の測定原理と装置構成、得られる情報の種類と解析等について学習し、分析課題の試料に対して、分析原理を理解して適切な機器分析デザインを描くことのできる能力を養成する。
授業の進め方・方法:
講義内容をまとめた資料に基づいて、プロジェクターを用いて説明を行う。自己学習に関しては適宜与えられる宅習課題に関し、指示に従うこと。
注意点:
授業中に補足資料を配布し、ノートを作成する場合があるので、のりやはさみ等を用意する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機器分析のデザイン(1) 分析化学の概念を理解する。
2週 機器分析のデザイン(2) 分析の企画、知りたい情報と適切な機器分析方法の選択、サンプルの前処理、データ処理概説等について知る。
3週 スペクトロスコピー(1) スペクトロスコピー分野の分析法の概括を知る。
4週 スペクトロスコピー(2) 電磁波(光)の領域と名称・光の波長とエネルギーの関係を理解する。
5週 光と物質の相互作用(1) 原子の構造、量子数と電子軌道、軌道電子について理解する。
6週 光と物質の相互作用(2) 化学結合と分子軌道の形成について理解する。
7週 光と物質の相互作用(3) 物質と光との相互作用、分子軌道電子による光の吸収と蛍光について理解する。
8週 光と物質の相互作用(4) 分子振動・電子スピン等による電磁波との相互作用について理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 装置構成(1) 光源、モノクロメーターと光の回折について知る。
11週 装置構成(2) 検出器、装置の光学系等について知る。
12週 光吸収の法則 ランベルト・ベールの法則の誘導が出来る。
13週 スペクトロスコピー分野の分析法(1) 紫外-可視分光法の分析原理と装置構成を理解する。
14週 スペクトロスコピー分野の分析法(2) 蛍光分析法の分析原理と装置構成を理解する。
15週 スペクトロスコピー分野の分析法(3) 原子吸光法やICP法の分析原理と装置構成を理解する。
16週
後期
3rdQ
1週 スペクトロスコピー分野の分析法(3) 赤外吸収スペクトル法の分析原理と装置構成を理解する。
2週 スペクトロスコピー分野の分析法(3) NMR の分析原理と装置構成を理解する。
3週 スペクトロスコピー分野の分析法(3) XRDの分析原理と装置構成を理解する。
4週 質量スペクトル分析 質量スペクトルの分析原理と装置構成を理解する。
5週 質量スペクトル分野の分析法 GC-Mass,LC-Massについて理解する。
6週 クロマトグラフィー(1) 分配クロマトグラフィーの分析原理と装置構成を理解する。
7週 クロマトグラフィー(2) ガスクロマトグラフィーの分析原理と装置構成を理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 クロマトグラフィー(3) 高速液体クロマトグラフィーの分析原理と装置構成を理解する。
10週 電気化学分析(1) ネルンストの式について理解する。
11週 電気化学分析(2) 電極電位、pHメーターの測定原理を理解する。
12週 電気化学分析(3) ファラデーの法則につて理解する。
13週 電気化学分析(4) サイクリックボルタンメトリー法の分析原理と装置構成を理解する。
14週 熱分析(1)) TG-DTA分析の分析原理を理解する。
15週 熱分析(2) TG-DTA分析の装置構成を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学σ結合とπ結合について説明できる。3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
分析化学陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3
ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
知識の基本的な理解600000060
思考・推論・創造400000040
汎用的技能0000000
態度・志向性0000000
総合的な学習経験0000000