物理化学実験

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学実験
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 「新物理化学実験」浅田誠一郎,内出茂,小林基宏著(技報堂)
担当教員 岡部 勇二

到達目標

1) 器具や装置を正しく取扱い、精密なデータを取得できる。
2) 適切な統計処理によってデータの信頼性が評価できる。
3) 適切な参考文献を見つけ出し、実験結果を妥当に解釈できる。
4) 正しい書式のレポートを作成し、実験結果について妥当な考察を書ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1器具や装置を正しく取扱い、精密なデータを取得でき、系統誤差について考察できる。器具や装置を正しく取扱い、精密なデータを取得できる。器具や装置を使ってデータを取得できる。  A ・ B ・ C
評価項目2適切な統計処理によってデータの信頼性を評価し、改善方法を検討できる。適切な統計処理によってデータの信頼性が評価できる。データの統計処理ができる。   A ・ B ・ C
評価項目3適切な文献を参考にして実験結果を妥当に解釈し、考察できる。適切な文献を参考にして実験結果を妥当に解釈できる。実験結果を考察できる。  A ・ B ・ C
評価項目4正しい書式のレポートを作成し、実験結果について優れた考察を書ける。正しい書式のレポートを作成し、実験結果について妥当な考察を書ける。正しい書式のレポートを作成できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学は物理学の手法で化学現象を再現することを命題とする学問領域であり、これを実現するためには精密なデータを取得する技術を習得しなければならない。本実験では器具や装置を適正に使用し、精密な実験データを取得し、理論と合致することを確認する。また統計処理による実験データの信頼性の評価方法について学ぶ。さらにレポート作成では適切な参考文献の選び方と考察の書き方について習熟することを目的とする。
授業の進め方・方法:
【自己学習】
・密度、粘度、相平衡、凝固点降下、中和反応に関する内容を復習しておくこと。
・反応速度、電池、分解電圧、導電率、および吸着に関する内容を予習しておくこと。
・グラフ作成を含むデータ処理はパソコンを活用すること。
・レポートの考察は文献の内容を参考にしながらまとめること。
注意点:
・レポートの提出期限を守ること。
・反応速度、電池、分解電圧、導電率、および吸着に関する実験は授業と前後するので注意すること。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験テーマの概要説明 10テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
2週 実験テーマの概要説明 10テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
3週 実験レポートの作成指導 レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
4週 実験レポートの作成指導 レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
5週 実験データの統計処理 実験結果の信頼性やデータの統計処理について知る。
6週 液体の密度測定 各種濃度のエチルアルコール水溶液の25℃における密度を測定し、濃度-密度曲線を作成する。
7週 液体の粘度測定 各種濃度のエチルアルコール水溶液の25℃における比粘度を測定し、粘度を計算する。また濃度-粘度曲線を作成する。
8週 液体の相互溶解度測定 水-ベンゼン-酢酸混合物の溶解度を測定し、3液から成る溶液の組成を三角図を作成する。
2ndQ
9週 液体の凝固点降下測定 溶質としてナフタレンを含むベンゼンの凝固点を測定し、凝固点降下度からナフタレンの分子量を求める。
10週 一次反応の反応速度測定 酸触媒による酢酸エチルの加水分解反応(偽一次反応)の速度定数を測定する。
11週 合金の溶融点測定 各種組成のスズ-鉛合金の冷却曲線から融点図を作成し、共融混合物の組成と共融点を求める。
12週 電池の起電力測定 ボルタ電池およびダニエル電池を構成し、起電力を測定する。また電流の計時変化を測定する。
13週 導電率(電解伝導度)の測定 コールラウシュブリッジを利用して、酢酸水溶液の導電率を測定し、酢酸の当量導電率および電離度、電離定数を求める。
14週 吸着平衡の測定 酢酸溶液中における活性炭による酢酸の吸着量を測定し、吸着等温線を描く。
15週 中和熱の測定 塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応の反応熱(中和熱)を測定する。
16週
後期
3rdQ
1週 実験テーマの概要説明 10テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
2週 実験テーマの概要説明 10テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
3週 実験レポートの作成指導 レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
4週 実験レポートの作成指導 レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
5週 実験データの統計処理 実験結果の信頼性やデータの統計処理について知る。
6週 液体の密度測定 各種濃度のエチルアルコール水溶液の25℃における密度を測定し、濃度-密度曲線を作成する。
7週 液体の粘度測定 各種濃度のエチルアルコール水溶液の25℃における比粘度を測定し、粘度を計算する。また濃度-粘度曲線を作成する。
8週 液体の相互溶解度測定 水-ベンゼン-酢酸混合物の溶解度を測定し、3液から成る溶液の組成を三角図を作成する。
4thQ
9週 液体の凝固点降下測定 溶質としてナフタレンを含むベンゼンの凝固点を測定し、凝固点降下度からナフタレンの分子量を求める。
10週 一次反応の反応速度測定 酸触媒による酢酸エチルの加水分解反応(偽一次反応)の速度定数を測定する。
11週 合金の溶融点測定 各種組成のスズ-鉛合金の冷却曲線から融点図を作成し、共融混合物の組成と共融点を求める。
12週 電池の起電力測定 ボルタ電池およびダニエル電池を構成し、起電力を測定する。また電流の計時変化を測定する。
13週 導電率(電解伝導度)の測定 コールラウシュブリッジを利用して、酢酸水溶液の導電率を測定し、酢酸の当量導電率および電離度、電離定数を求める。
14週 吸着平衡の測定 酢酸溶液中における活性炭による酢酸の吸着量を測定し、吸着等温線を描く。
15週 中和熱の測定 塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応の反応熱(中和熱)を測定する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果品実技その他合計
総合評価割合00600400100
知識の基本的な理解0030030060
思考・推論・創造への適応力0030010040
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000