到達目標
1) 器具や装置を正しく取扱い、精密なデータを取得できる。
2) 適切な統計処理によってデータの信頼性が評価できる。
3) 適切な参考文献を見つけ出し、実験結果を妥当に解釈できる。
4) 正しい書式のレポートを作成し、実験結果について妥当な考察を書ける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安
A | 標準的な到達レベルの目安
B | 未到達レベルの目安(可)
C | (学生記入欄)
到達したレベルに〇をすること。 |
評価項目1 | 器具や装置を正しく取扱い、精密なデータを取得でき、系統誤差について考察できる。 | 器具や装置を正しく取扱い、精密なデータを取得できる。 | 器具や装置を使ってデータを取得できる。 | A ・ B ・ C |
評価項目2 | 適切な統計処理によってデータの信頼性を評価し、改善方法を検討できる。 | 適切な統計処理によってデータの信頼性が評価できる。 | データの統計処理ができる。
| A ・ B ・ C |
評価項目3 | 適切な文献を参考にして実験結果を妥当に解釈し、考察できる。 | 適切な文献を参考にして実験結果を妥当に解釈できる。 | 実験結果を考察できる。 | A ・ B ・ C |
評価項目4 | 正しい書式のレポートを作成し、実験結果について優れた考察を書ける。 | 正しい書式のレポートを作成し、実験結果について妥当な考察を書ける。 | 正しい書式のレポートを作成できる。 | A ・ B ・ C |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B
説明
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JABEE c
説明
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JABEE d
説明
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教育方法等
概要:
物理化学は物理学の手法で化学現象を再現することを命題とする学問領域であり、これを実現するためには精密なデータを取得する技術を習得しなければならない。本実験では器具や装置を適正に使用し、精密な実験データを取得し、理論と合致することを確認する。また統計処理による実験データの信頼性の評価方法について学ぶ。さらにレポート作成では適切な参考文献の選び方と考察の書き方について習熟することを目的とする。
授業の進め方・方法:
【自己学習】
・密度、粘度、相平衡、凝固点降下、中和反応に関する内容を復習しておくこと。
・反応速度、電池、分解電圧、導電率、および吸着に関する内容を予習しておくこと。
・グラフ作成を含むデータ処理はパソコンを活用すること。
・レポートの考察は文献の内容を参考にしながらまとめること。
【成績評価】
・実験実技20%、実験レポート40%、試験成績40%の割合で評価します。
【試験】
・学年末の特別時間割の期間にデータ処理および考察に関する試験を実施します。
注意点:
・レポートの提出期限を守ること。
・反応速度、電池、分解電圧、導電率、および吸着に関する実験は授業と前後するので注意すること。
ポートフォリオ
(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
(記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
・前期中間試験まで:
・前期末試験まで :
・後期中間試験まで:
・学年末試験まで :
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
(記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
・前期中間試験 点数: 総評:
・前期末試験 点数: 総評:
・後期中間試験 点数: 総評:
・学年末試験 点数: 総評:
【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
・総合評価の点数: 総評:
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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
・前期中間試験まで:
・前期末試験まで :
・後期中間試験まで:
・学年末試験まで :
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験テーマの概要説明 |
5テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
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2週 |
実験テーマの概要説明 |
5テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
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3週 |
実験レポートの作成指導 |
レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
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4週 |
実験レポートの作成指導 |
レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
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5週 |
実験データの統計処理 |
実験結果の信頼性やデータの統計処理について知る。
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6週 |
液体の性質-密度- |
各種濃度のメチルアルコール水溶液の20℃における密度を測定し、濃度-密度曲線を作成する。
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7週 |
液体の性質-粘度- |
各種濃度のメチルアルコール水溶液の20℃における比粘度を測定し、粘度を計算する。また濃度-粘度曲線を作成する。
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8週 |
液体の相互溶解度-溶解度曲線- |
水-ベンゼン-酢酸混合物の溶解度を白濁法により測定し、三角図を使って溶解度曲線を作成する。
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2ndQ |
9週 |
液体の相互溶解度-タイライン- |
2相に分離した水-ベンゼン-酢酸混合物の水相と有機相中の酢酸を中和滴定し、各相の酢酸濃度から三角図の溶解度曲線にタイラインを引く。
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10週 |
反応速度 |
25℃の水酸化ナトリウム水溶液中における酢酸エチルの加水分解反応(2次反応)の速度定数を測定する。
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11週 |
反応速度 |
35℃の水酸化ナトリウム水溶液中における酢酸エチルの加水分解反応(2次反応)の速度定数を測定する。
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12週 |
電気化学-電池の起電力- |
ダニエル電池および濃淡を構成し、起電力を測定する。
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13週 |
電気化学-分解電圧- |
硫酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液中の水の電気分解の分解電圧を測定する。
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14週 |
反応熱-融解熱- |
溶質としてナフタレンを含むベンゼンの凝固点を測定し、凝固点降下度からナフタレンの分子量を求める。またモル凝固点降下定数と融解熱の関係を確認する。
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15週 |
反応熱-中和熱- |
塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応の反応熱(中和熱)を測定する。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
実験テーマの概要説明 |
10テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
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2週 |
実験テーマの概要説明 |
10テーマの実験の概要を知り、薬品や器具等の取扱いや廃液の処理等について確認する。
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3週 |
実験レポートの作成指導 |
レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
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4週 |
実験レポートの作成指導 |
レポートの書式や文献検索、考察のまとめについて確認する。
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5週 |
実験データの統計処理 |
実験結果の信頼性やデータの統計処理について知る。
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6週 |
液体の性質-密度- |
各種濃度のメチルアルコール水溶液の20℃における密度を測定し、濃度-密度曲線を作成する。
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7週 |
液体の性質-粘度- |
各種濃度のメチルアルコール水溶液の20℃における比粘度を測定し、粘度を計算する。また濃度-粘度曲線を作成する。
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8週 |
液体の相互溶解度-溶解度曲線- |
水-ベンゼン-酢酸混合物の溶解度を白濁法により測定し、三角図を使って溶解度曲線を作成する。
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4thQ |
9週 |
液体の相互溶解度-タイライン- |
2相に分離した水-ベンゼン-酢酸混合物の水相と有機相中の酢酸を中和滴定し、各相の酢酸濃度から三角図の溶解度曲線にタイラインを引く。
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10週 |
反応速度 |
25℃の水酸化ナトリウム水溶液中における酢酸エチルの加水分解反応(2次反応)の速度定数を測定する。
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11週 |
反応速度 |
35℃の水酸化ナトリウム水溶液中における酢酸エチルの加水分解反応(2次反応)の速度定数を測定する。
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12週 |
電気化学-電池の起電力- |
ダニエル電池および濃淡を構成し、起電力を測定する。
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13週 |
電気化学-分解電圧- |
硫酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液中の水の電気分解の分解電圧を測定する。
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14週 |
反応熱-融解熱- |
溶質としてナフタレンを含むベンゼンの凝固点を測定し、凝固点降下度からナフタレンの分子量を求める。またモル凝固点降下定数と融解熱の関係を確認する。
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15週 |
反応熱-中和熱- |
塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応の反応熱(中和熱)を測定する。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 4 | |
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。 | 4 | |
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。 | 4 | |
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。 | 4 | |
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。 | 4 | |
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。 | 4 | |
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。 | 4 | |
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。 | 4 | |
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | レポート | 口頭発表 | 成果品実技 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 40 | 0 | 60 | 0 | 100 |
知識の基本的な理解 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 0 | 20 |
思考・推論・創造への適応力 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 0 | 20 |
汎用的技能 | 0 | 0 | 10 | 0 | 20 | 0 | 30 |
態度・志向性(人間力) | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 0 | 20 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 |