物質工学実験

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物質工学実験
科目番号 0070 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 オリジナル実験書
担当教員 清山 史朗,野口 大輔,岩熊 美奈子,藤森 崇夫

到達目標

1)実験の原理を十分理解すること.
2)実験途中の経過,変化の状況をよく観察し,各測定原理および実験結果についての十分な考察を行うこと.
3)化学実験の報告書として適切な形態の報告書を作成できること.
4)材料の製造法あるいは評価法を実習し,物質の機能評価とその応用技術を探求することができること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験の原理を十分理解し,実験を遂行することができる.実験の原理が理解できる.実験の理解が不十分で,実験を遂行するために支障がある.
評価項目2実験結果について十分考察を行うことができ,その原因まで追及できる.実験結果について考察を行うことができる.実験結果のみ理解できる.
評価項目3適切な携帯のレポートが作成でき,周辺技術の応用例まで考察できる.レポートを作成することができる.レポートの作成が未熟である.
評価項目4物質の機能評価と応用技術を探求でき,実際に応用できる.物質の機能評価を探求することができる.物質の機能評価について,探求が不足している.

学科の到達目標項目との関係

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JABEE D2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料の製造法あるいは評価法について実験実習を通して習得し,物質の機能評価ならびにその応用技術を探求する能力を身につける.
授業の進め方・方法:
1グループあたり3〜4人で編成し,約5グループに分け,5テーマの実験を行い,決められた期限までにレポートを提出する.
注意点:
レポートは実験終了後,1週間以内に提出すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績評価方法等の説明
教員が担当するテーマに関する操作と原理について説明する.
各実験テーマの操作と原理について大まかに理解する.
2週 1.In-situ重合法によるアクリル系マイクロカプセルの調製
アクリル系ポリマーを骨格としたマイクロカプセルをin-situ重合法により調製する.
マイクロカプセル調製方法の原理を理解する.
3週 1.In-situ重合法によるアクリル系マイクロカプセルの調製
調製したカプセルの形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察し,粒径をレーザー回折式粒度分布装置を用いて測定する.
走査型電子顕微鏡およびレーザー回折式粒度分布装置の原理と操作方法を理解する.
4週 レポート整理 テーマ1のレポートを作成する.
5週 2.キレート樹脂を用いた金属の分配係数の測定 金属に選択性のあるキレート樹脂を用いて金属に対する選択性を検討する.
6週 2.キレート樹脂を用いた金属の分配係数の測定 選択的に吸着した金属の分配係数を算出する.
7週 レポート整理 テーマ2のレポートを作成する.
8週 3.スパッタリング法による金属化合物薄膜の作製と結晶構造評価 スパッタリング法を用いて金属化合物薄膜を作製する.
2ndQ
9週 3.スパッタリング法による金属化合物薄膜の作製と結晶構造評価 その作製条件に対する結晶構造変化をX線回折(XRD)により評価する.
10週 レポート整理 テーマ3のレポートを作成する.
11週 4.NMRを通して見る平衡に基づいた分子の状態変化 分子の状態変化について測定結果から予測する.
12週 4.NMRを通して見る平衡に基づいた分子の状態変化 平衡論の観点から溶液内で起こる化学変化を評価する.
13週 レポート整理 テーマ4のレポートを作成する.
14週 5.有機合成と合成物のFT-IR測定 Claisen-schmidt反応によりジベンザルアセトンを合成する.
15週 5.有機合成と合成物のFT-IR測定 合成物をサンプルにしてFT-IR測定を行い,FT-IR装置の取扱い方法を学ぶ.
16週 レポート整理 テーマ5のレポートを作成する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前12
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3前11
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前11
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000007070
専門的能力000003030
分野横断的能力0000000