分子生物学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分子生物学
科目番号 0071 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎分子生物学第4版、田村隆明・村松正實著(東京化学同人)
担当教員 野口 太郎

到達目標

1)分子生物学の成り立ちについて理解し、説明できるようになる。
2)セントラルドグマの各過程(複製、転写、翻訳)について理解し、説明できるようになる。
3)遺伝子工学の基礎知識および高次生命現象の原理を理解し、説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分子生物学における重要な多くの実験を紹介、説明できる。分子生物学発展の経緯を説明できる。分子生物学がどのような学問かは理解できる。
評価項目2セントラルドグマの過程に関わるタンパク質群の各々の役割と全体の反応を総合的に理解し、説明できる。セントラルドグマにおける各過程が生体分子により行われることを説明できる。セントラルドグマにおける各過程がどのような現象を指すのかは説明できる。
評価項目3遺伝子やDNAを用いた技術を理解し、遺伝子組換え実験の作業工程を提案できる。遺伝子操作とその利用方法について一通り説明できる。遺伝子が工学利用できることは理解できる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
  分子生物学とは「生物における諸過程や種々の生命現象を、単なる現象論的な視点にとどまらず、分子レベルでの実体的な把握に立脚した立場から解明しようとする現代生物学の一分野」である。本講義では、生物を構成している分子(特にDNA、RNA、蛋白質を中心に)の構造、性質、機能を学ぶ事で、生命現象を分子レベルで理解することを目標とする。また、分子生物学の工学への応用について、その原理を紹介する。
授業の進め方・方法:
・授業内容を予習し、内容が分からない箇所があった場合は授業で確認できるようにしておくこと。
・自己学習では教科書のみならず、参考書も利用すること。
・授業で説明した内容をまとめ、自分の言葉で説明出来るようにすること。
注意点:
生物化学を十分に理解しておく。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
生物学を理解するための基礎知識
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
分子生物学の概要、生物の分類について理解する。
2週 細胞と生物 分子にはたらく力、水の性質について理解する。
3週 細胞の構成物質 細胞の構造、代謝、増殖について理解する。
4週 細胞の構成物質 細胞の構造、代謝、増殖について理解する。
5週 遺伝物質DNAの発見 DNAが遺伝情報を伝達する物質であることが証明された経緯を理解する。
6週 遺伝物質DNAの発見 DNAが遺伝情報を伝達する物質であることが証明された経緯を理解する。
7週 DNA、RNA、蛋白質の構造と性質 DNA、RNA、蛋白質の構造と性質について理解する。
8週 DNA、RNA、蛋白質の構造と性質 DNA、RNA、蛋白質の構造と性質について理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
11週 DNAの複製 DNAの複製機構について理解する。
12週 DNAの複製 DNAの複製機構について理解する。
13週 突然変異 DNAの突然変異のメカニズム、変異と進化の関連について理解する。
14週 DNAの修復と病気 DNAの修復機構と修復異常が関与する疾病について理解する
15週 RNAの転写1 転写の原理について理解する。
16週 前期末試験
試験答案の返却及び解説
後期
3rdQ
1週 転写の調節 転写調節の機構について理解する。
2週 RNAの転写2 転写の詳細なメカニズムについて理解する。
3週 蛋白質の翻訳 翻訳の原理について理解する。
4週 蛋白質の翻訳 翻訳の原理について理解する。
5週 分子遺伝学 遺伝学の手法を理解する。
6週 分子遺伝学 遺伝学の手法を理解する。
7週 DNAの取扱い DNAの抽出、検出、分析について理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
10週 遺伝子工学技術1 PCR法について理解する。
11週 遺伝子工学技術2 サンガー法について理解する。
12週 細胞周期 細胞周期について理解する。
13週 免疫 免疫、抗体、分化について理解する。
14週 免疫 免疫、抗体、分化について理解する。
15週 分化 バイオテクノロジーについて理解する。
16週 学年末試験
試験答案の返却及び解説

試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前2
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3前4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3前4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。2前4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4前5,前7
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4前5
細胞周期について説明できる。4後12
分化について説明できる。3後13,後15
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3前5,前6
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4後13,後14
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前7
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前2
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前11
タンパク質の高次構造について説明できる。4前11
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前7,前11
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4前7
DNAの半保存的複製を説明できる。4前12
RNAの種類と働きを列記できる。4前11
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4前13,前15,後1,後2,後3,後4
解糖系の概要を説明できる。1前4
クエン酸回路の概要を説明できる。1前4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。1前4
各種の光合成色素の働きを説明できる。1前4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。1前4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3前2
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。2前2
遺伝子組換え技術の原理について理解している。3後5,後6,後7,後10,後11
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。2後7
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。2後10,後11

評価割合

定期試験合計
総合評価割合100100
知識の基本的な 理       知識の基本的な 理       解4040
思考・推論・創造 へ の 適 応 力6060
汎用的技能00
態度・志向性 (人間力)00
総合的な学習経験 と創造的思考力00