応用物理

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:原康夫著「物理学基礎」(学術図書)978-4780605259。実験書、実験準備ノート、実験ノート等は配布する。参考書:都筑嘉弘著「チャート式新物理」(数研出版)978-4410118425、高橋正雄著「理工系の電磁気学」(共立出版)978-4320034327、D. ハリディ, J. ウォーカー, R. レスニック共著「物理学の基礎[3]電磁気学」 (培風館)978-4563022570、志村史夫著「したしむ量子論」(朝倉書店)978-4254227635、物理学実験指導書編集委員会編「新物理学実験」(学術出版)978-4873611006
担当教員 若生 潤一,野田 宗佑

到達目標

1) 電磁気学における基礎概念を理解すること。
2) 電磁気に関する基本的な現象について定量的に説明できること。
3) 量子論とはどのようなものか、またその基本的な考え方を説明できること。
4) 実験で扱われる諸現象とその背後にある法則を説明できること。
5) 実験結果を正確に提示し、それについて考察したことを明解な文章で表現できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1多くの物理概念・物理量を含んだ問題を解くことができる。定義から物理概念が理解でき、物理量を計算できる。計算で求めた答えは単位付きで表示することができる。物理量の定義を一部は説明することができる。定義式を用いた特定の計算はできる。  A ・ B ・ C
評価項目2物理法則の数式を説明することができ、問題を解くことができる。重要な物理法則を用いて、問題を解くことができる。重要な物理法則の一部の説明はできる。  A ・ B ・ C
評価項目3表やグラフを正しく完成できる。実験装置のしくみや実験の原理を説明することができる。測定データから表やグラフを作成し、物理法則を用いて分析することができる。定められた形式で実験ノートを期日までに完成させることができる。実験ノートに測定データの記録までは完成させることができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学、量子論の基礎概念を身に付け、専門科目への応用の基礎をつくる。実験により物理現象の理解をさらに深めるとともに、実験ノート提出を通じて実験結果を考察し、文章により表現する力を発展させる。
授業の進め方・方法:
【座学】黒板を用いて学習内容の説明を行う。理解度の確認のため、前後期で2-3回レポートを出す。
【実験】5回の実験を行う。実験結果およびその分析を実験ノートに記述し、毎回提出する。
注意点:
実験準備ノートと実験書を事前に読み、しっかりと理解しておくこと。
実験ノート未提出者の単位取得はできない。また、実験ノート未提出で単位が取得できなかった学生の再試験は実施できない。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要、実験に向けての説明 2週目から始まる実験に関する基礎事項を理解する。
時間があれば担当教員の研究に関連した最新の物理学に関する話をする。
2週 応用物理実験2~6 ヤング率
3週 応用物理実験2~6 剛体の運動
4週 応用物理実験2~6 固体の線膨張率
5週 応用物理実験2~6 ニュートンリング
6週 応用物理実験2~6 光電効果
7週 実験の復習と試験対策 座学で実験内容を内容をおさらいして試験に備える。
コンデンサーのしくみ、電気容量について理解する。
8週 前期中間試験
試験答案の返却及び解説
実験で学んだ計算に関する中間試験を受ける。
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
2ndQ
9週 電磁気学の概観、電荷とクーロン力 電磁気学の概要について学び、その導入として電荷とその間に働く力について理解すること。
10週 電場と近接作用 近接作用の考え方と場の概念について理解すること。
11週 電場とガウスの法則1 ガウスの法則について理解すること。
12週 電場とガウスの法則2、ここまでのまとめと演習 ガウスの法則を用いて電荷の周辺にできる電場の計算ができるようにすること。
13週 電位とポテンシャルエネルギー ポテンシャルエネルギーの復習をして電位について理解すること。
14週 電位と電場の関係、演習  電位と電場の関係について理解すること。
15週 試験対策 ここまでの復習をして試験の対策問題を解くこと。
16週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
(17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)
後期
3rdQ
1週 電位とコンデンサー1 コンデンサー(キャパシター)とは何かを理解すること。
球殻コンデンサーを例にコンデンサーの静電容量の計算法を理解すること。
2週 電位とコンデンサー2、演習 いくつかのコンデンサーの計算方法を理解すること。
3週 電流 電流の正体が電荷の流れであることを理解すること。
電気抵抗、抵抗率、金属中の自由電子、オームの法則、ジュール熱について理解する。
4週 電流と磁場 直線電流が作る磁場を例に、電流と磁場の関係について理解すること。
5週 ビオ-サバールの法則1 ビオ-サバールの法則の定式化と意味を理解すること。
6週 ビオ-サバールの法則2、まとめと演習 ビオ-サバールの法則を用いて電流が作る磁場を計算すること。
7週 試験対策 試験対策として問題演習とその解説をする。
8週 後期中間試験
試験答案の返却及び解説
中間試験を受ける。
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
4thQ
9週 アンペールの法則1 アンペールの法則と線積分について理解すること。
10週 アンペールの法則2、電磁誘導の法則 アンペールの法則を用いて電流が作る磁場が求められること。
11週 ローレンツ力、演習 ローレンツ力について理解すること。アンペールの法則に関する問題演習をすること。
12週 量子力学の概観、シュレーディンガー方程式1
量子力学が何かについて理解すること。シュレディンガー方程式が与える波動関数と、電子の位置などを測定した際の確率の関係について理解する
13週 シュレーディンガー方程式2 シュレディンガー方程式が与える波動関数と、電子の位置などを測定した際の確率の関係について理解する
14週 量子力学のまとめと演習 量子力学のまとめと問題演習を通じて、シュレーディンガー方程式についての理解を深めること。
15週 試験対策 これまでの復習をして演習問題が解けること。
16週 試験答案の返却及び解説 試験問題の解説及びポートフォリオの記入
(17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3後9
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後9
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
安全を確保して、実験を行うことができる。3前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後1,後2,後3,後7
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後1,後4,後7
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後1,後5,後7
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後1,後5,後6,後7
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後1,後7
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後1,後6,後7
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3

評価割合

定期試験実験レポートレポート(電磁気学・量子力学の演習)合計
総合評価割合602020100
知識の基本的な理解30101050
思考・推論・創造への適応力30101050
汎用的技能0000
態度・志向性 (人間力)0000
総合的な学習経験 と創造的思考力0000