量子化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 量子化学
科目番号 0087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考図書:「量子化学-基本の考え方16章-」中田宗隆 著 (東京化学同人)978-4-8079-0433-4
担当教員 藤森 崇夫

到達目標

1) 量子力学の発展の歴史を知り、古典力学との相違を認知する。
2) 自由粒子や井戸型ポテンシャルについてシュレーディンガー方程式を解き、波動関数を導き出せる。
3) 簡単な分子について軌道エネルギー準位図を推定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1量子力学の発展の歴史に基づいて、古典力学との相違について正しく説明できる。量子力学と古典力学の相違について説明できる。量子力学について説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目2水素原子についてシュレーディンガー方程式から1s軌道の波動関数を導出し、動径分布関数を求められる。水素原子についてシュレーディンガー方程式から1s軌道の波動関数を導き出せる。水素原子について1s軌道の波動関数を思い出せる。  A ・ B ・ C
評価項目3水素分子に基づいて、二原子分子の分子軌道についてエネルギー準位図を描くことができ説明できる。水素分子の波動関数の導出方法を理解できる。電子軌道について説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
量子化学は新しい物理学である量子力学の手法を使って化学現象を理解する学問領域である。量子力学の理論は自然科学のあらゆる分野で立証されており、その手法を原子・分子に関する非常に困難な問題に適用することで、化学現象を理論的に解釈することができる。この量子化学の諸概念を解説し、水素原子の構造に関する常識が量子化学によって明らかとされたことを確認し、その有用性を理解する。また、分子軌道法を適用した応用技術を修得する。
授業の進め方・方法:
1) 事前学習として無機化学の分子軌道法を復習すること
2) 事後学習として授業内容に関連したレポートを数回課す。これは自己学習のレポートとして評価するので、期日までに提出すること。
3) レポートの提出期限を守ること。
注意点:
教科書は指定しない
参考図書:「量子化学-基本の考え方16章-」中田宗隆 著 (東京化学同人)978-4-8079-0433-4

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。                                      
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 黒体放射と電磁波 古典力学で説明できない現象について説明できる
2週 光電効果とコンプトン効果 量子力学の概念により光電効果とコンプトン効果が説明できる
3週 原子模型とボーア理論 電子軌道が離散的に存在することを説明できる
4週 物質波と電子回析 ドブロイ波長を説明でき、電子の回折現象について説明できる
5週 シュレディンガーの波動方程式(1) 波の運動方程式に基づいて電子の波動方程式を導出できる
6週 シュレディンガーの波動方程式(2) 演算子、固有値、固有関数について説明できる
7週 水素原子の波動関数(1) 水素原子の波動方程式を説明できる
8週 水素原子の波動関数(2) 波動方程式に基づいて、1s軌道の電子軌道の固有値と固有関数を求めることができる
4thQ
9週 角運動量とゼーマン効果 電子の核運動とゼーマン効果について説明できる
10週 電子スピンと核スピン 電子と核のスピンについて概観できる
11週 ヘリウム原子とイオン化エネルギー ヘリウム原子の電子軌道からイオン化エネルギーを説明できる
12週 パウリの排他原理 パウリの排他原理を量子化学の観点から説明できる
13週 水素分子とLCAO近似 分子軌道を電子軌道の線形結合で表せることを説明できる
14週 水素分子とヘリウム分子 水素分子について説明できる
15週 等核二原子分子と異核二原子分子 等核、異核の二原子分子の分子軌道をエネルギー準位図を用いて説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4後6,後7,後8,後10
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4後3,後5,後6,後7,後8,後9
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4後12
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4後1,後2,後4,後11,後13,後14,後15

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解60060
思考・推論・創造への適応力20020
汎用的技能000
態度・志向性(人間力)01010
総合的な学習経験と創造的思考力01010