到達目標
1) 量子力学の発展の歴史を知り、古典力学との相違を認知する。
2) 自由粒子や井戸型ポテンシャルについてシュレーディンガー方程式を解き、波動関数を導き出せる。
3) 分子軌道関数のつくり方について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安
A | 標準的な到達レベルの目安
B | 未到達レベルの目安(可)
C | (学生記入欄)
到達したレベルに〇をすること。 |
評価項目1 | 量子力学の発展の歴史に基づいて、古典力学との相違について正しく説明できる。 | 量子力学と古典力学の相違について説明できる。 | 量子力学について説明できる。 | A ・ B ・ C |
評価項目2 | 水素原子についてシュレーディンガー方程式から1s軌道の波動関数の導出方法を説明し、動径分布関数を示すことができる。 | 水素原子についてシュレーディンガー方程式から1s軌道の波動関数の導出法を説明できる。 | 水素原子について1s軌道の波動関数を思い出せる。 | A ・ B ・ C |
評価項目3 | 水素分子イオンに基づいて、分子軌道関数を導出できる。 | 一般的な化学結合(分子軌道)の関数の導出法を説明できる。 | 原子軌道について説明できる。 | A ・ B ・ C |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 B
説明
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JABEE c
説明
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JABEE d
説明
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教育方法等
概要:
量子化学は新しい物理学である量子力学の手法を使って化学現象を理解する学問領域である。量子力学の理論は自然科学のあらゆる分野で立証されており、その手法を原子・分子に関する非常に困難な問題に適用することで、化学現象を理論的に解釈することができる。この量子化学の諸概念を解説し、水素原子の構造に関する常識が量子化学によって明らかとされたことを確認し、その有用性を理解する。また、分子軌道法を適用した応用技術を修得する。
授業の進め方・方法:
1) 事前学習として無機化学の分子軌道法を復習しておくこと
2) 事後学習として授業内容をまとめたレポートを毎回課す。これは自己学習のレポートとして評価するので、期日までに提出すること。
3) レポートの提出期限を守ること。
4) 教科書の1,2章は自己学習範囲とするので、各自必要な際には教科書を参照して勉強すること。
注意点:
後期中間試験は行わないので、注意すること。
授業の終わりには確認問題を実施するので、その日の講義はきちんと聞いておくこと。
ポートフォリオ
(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
(記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
・後期中間試験まで:
・学年末試験まで :
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
(記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
・後期中間試験 点数: 総評:
・学年末試験 点数: 総評:
【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
・総合評価の点数: 総評:
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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
・後期中間試験まで:
・学年末試験まで :
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
黒体放射と電磁波 |
古典力学で説明できない現象について説明できる
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2週 |
光電効果とコンプトン効果 |
量子力学の概念により光電効果とコンプトン効果が説明できる
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3週 |
原子模型とボーア理論 |
電子軌道が離散的に存在することを説明できる
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4週 |
波動方程式(1) |
弦の定常波の波動方程式から波動関数を導出できる
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5週 |
波動方程式(2) |
波の運動方程式に基づいて電子の波動方程式を導出できる
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6週 |
微分方程式 |
微分方程式からその一般解を求められ、シュレーディンガー方程式に適用できる
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7週 |
井戸型ポテンシャル(1) |
1次元の井戸型ポテンシャルについて、波動関数、エネルギーを説明できる
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8週 |
井戸型ポテンシャル(2) |
1次元の井戸型ポテンシャルについて、波動関数、エネルギーを説明できる
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4thQ |
9週 |
量子化学の基本 |
量子化学で用いる微分方程式の立て方や仮定について説明できる
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10週 |
水素原子 |
1電子系において、その軌道関数の導出法を理解し、動径分布関数について理解できる
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11週 |
電子スピン |
電子スピンについて理解できる
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12週 |
多電子系原子 |
ヘリウム原子を例に、2つ以上の電子をもつ原子の波動方程式の取り扱い方を説明できる
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13週 |
化学結合の基本① |
化学結合における量子力学の考え方を説明できる
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14週 |
化学結合の基本② |
水素分子イオンの分子軌道関数を導出し、その内容を説明できる
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15週 |
分子軌道法(2) |
永年方程式を一般的に導出し、説明できる
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16週 |
学年末試験 (17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入) |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 後10 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 後10 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 後9 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 後13,後14,後15 |
評価割合
| 定期試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
知識の基本的な理解 | 60 | 0 | 60 |
思考・推論・創造への適応力 | 20 | 0 | 20 |
汎用的技能 | 0 | 0 | 0 |
態度・志向性(人間力) | 0 | 10 | 10 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 0 | 10 | 10 |