微生物工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 微生物工学
科目番号 0097 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 村尾澤夫・荒井基夫「応用微生物学」培風館/配布プリント
担当教員 平沢 大樹

到達目標

1)人為に係る微生物の分類・機能・生態を説明できること。
2)微生物の代謝と発酵を説明できること。
3)微生物を用いた工業と環境問題に対処する重要な知識・考え方を説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1微生物工学に関する現象・理論・技術を文章と図表を用いて理論的に説明できる。微生物工学に関する現象・理論・技術を図表によって説明できる。微生物工学に関する現象・技術を図や表によって説明できる。   A ・ B ・ C
評価項目2微生物の複数の代謝経路・代謝反応を関連付けて説明でき、物質生産との関連を考察できる。微生物の複数の代謝経路・代謝反応を関連付けて説明できる。微生物の代謝経路・代謝反応を説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目3発酵食品の製造プロセスや環境浄化プロセスと微生物反応および微生物の種類を関連付けて説明できる。発酵食品の製造プロセスや環境浄化プロセスと微生物反応を関連付けて説明できる。発酵食品の製造プロセスや環境浄化プロセスを説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE a 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微生物工学はバイオテクノロジーの基本となる学問である。人間が様々な分野に微生物を利用している事実を認識した後、微生物の系統、生理機能、利用技術について解説する。また、現在産業、環境問題や医療、物質生産などで微生物の利用がさらに人類に貢献しうる可能性を解説する。微生物工学の本質的理解と考察を目指す。
授業の進め方・方法:
授業は教科書を基にした配布プリントを使用して進める。環境工学、分子生物学、生物工学の基礎的な知識を基にして、微生物工学の本質的理解と考察ができるようになってもらいたい。授業では、ペア・グループでの学習を取り入れるため、自主的に講義に取り組む意識を持つこと。
注意点:
1)環境工学、分子生物学、生物工学の講義内容を十分に理解しておくこと。
2)自己学習においては教科書、専門誌、URL、e-learning等を利用し、微生物工学に関する最新の技術動向について調べておくこと。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明 微生物工学の全体像・重要性について説明できる。
2週 産業・地球環境に微生物の果たす役割 ① 微生物学の重要な発見を説明できる
② 微生物工学の歴史と発展を説明できる
3週 バクテリア、アーキア、ウィルスの種類・形態・生態(1) ① 3ドメインの特長を説明できる
② 微生物の分類基準を説明できる
4週 バクテリア、アーキア、ウィルスの種類・形態・生態(2) ① Bacteriaの様々な性状の違いを説明できる。
② Archaea,Virusとは何かを説明できる。
5週 バクテリア、アーキア、ウィルスの種類・形態・生態(3) 主要なバクテリア、アーキア、ウイルスについて説明資料を作成し、発表できる。
6週 真菌類・藻類・原生動物など、真核生物の種類・形態・生態(1) ① 菌類とは何かを説明できる。
② 酵母,藻類,原生動物とは何かを説明できる。
7週 真菌類・藻類・原生動物など、真核生物の種類・形態・生態(2) 菌類、酵母、藻類、原生動物について説明資料を作成し、発表できる。
8週 微生物の栄養と培養(1) ① 分裂法による微生物の増殖の細菌数を計算できる。
② 栄養要求による微生物の分類とは何か説明できる。
2ndQ
9週 微生物の栄養と培養(2) 微生物の栄養性と培養方法について詳細に説明できる。
10週 前期中間試験
11週 試験問題の解説及びポートフォリオの記入 間違った問題を正し、説明できる
12週 微生物の分離,培養,保存 ① 有用微生物の自然界からの分離方法・その培養方法を説明できる。
② 発酵工業における微生物の保存における重要な側面を説明できる。
13週 微生物の改良 ① 突然変異とは何かを説明できる。
② 微生物菌株の改良方法を説明できる。
14週 AMP、ADP、ATPの構造、解糖系、発酵 ① AMP、ADP。ATP の構造について説明できる。
② 解糖系で生成される ATP 収支と電子伝達体の利用について説明できる。
15週 TCA回路、電子伝達系 ③ TCA 回路と電子伝達系の関係を説明できる。
16週 前期末試験
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
間違った問題を正し、説明できる
後期
3rdQ
1週 脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害(1) 脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害について説明資料を作成できる。
2週 脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害(2) 脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害について説明資料を用いて発表できる。
3週 食料・飼料用微生物 ① 食料・飼料用微生物とは何かを説明できる。
② 食料・飼料用微生物の応用方法を説明できる。
4週 アルコール発酵・乳酸発酵 ① アルコール発酵・乳酸発酵とは何かを説明できる。
② アルコール発酵・乳酸発酵の産業への適用例を説明できる。
5週 アミノ酸発酵 ① アミノ発酵とは何かを説明できる。
② アミノ発酵の産業への適用例を説明できる。
6週 抗生物質生産、生理活性物質 ① 抗生物質生産、生理活性物質とは何かを説明できる。
② 抗生物質生産、生理活性物質の産業への適用例を説明できる。
7週 酵素生産 ① 酵素生産の流れを説明できる。
② 酵素生産による産業について説明できる。
8週 自然界の物質循環と微生物 ① 自然界の物質循環について説明できる。
② 自然界の物質循環に関与する微生物の働きを説明できる。
4thQ
9週 メタン発酵・水素発酵・バイオエタノール ① メタン発酵・水素発酵・バイオエタノールとは何かを説明できる。
② メタン発酵・水素発酵・バイオエタノールの産業への適用例を説明できる。
10週 硫黄酸化・硫酸還元・硝化・脱窒 ① 硫黄酸化・硫酸還元・硝化・脱窒とは何かを説明できる。
② 硫黄酸化・硫酸還元・硝化・脱窒の産業への適用例を説明できる。
11週 難分解性物質(炭化水素類)の分解除去 ① 微生物を利用した難分解性物質(炭化水素類)の分解除去について説明できる。
② 微生物を用いた難分解性物質(炭化水素類)の分解除去方法を提案できる。
12週 バイオレメデェーション ① バイオレメディエーションとは何かを説明できる。
② 微生物を利用したバイオレメディエーションの方法を考案できる。
13週 種類・症状・予防 ① 微生物の病原性について説明できる。
② 病原菌への対策方法を提案できる。
14週 今後の微生物利用 今後の微生物を利用した産業を提案できる。
15週 学年末課題
16週 ポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学ヌクレオチドの構造を説明できる。3前14,前15,前16
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。2前14,前15,前16
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。2前13,前16
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。2後7,後15,後16
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。2後7,後15,後16
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。2後7,後15,後16
解糖系の概要を説明できる。4前14,前15,前16
クエン酸回路の概要を説明できる。4前14,前15,前16
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前14,前15,前16
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4前14,前15,前16
各種の光合成色素の働きを説明できる。2後1,後2,後15,後16
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3後1,後2,後8,後15,後16
炭酸固定の過程を説明できる。3後1,後2,後8,後15,後16
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前10,前11,後3,後4,後5,後8,後15,後16
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4前1,前2,前6,前7,前10,前11,後3,後4,後5,後8,後15,後16
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前16
微生物の育種方法について説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前16
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前16,後13,後14,後15,後16
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後4,後14,後15,後16
食品加工と微生物の関係について説明できる。4前12,後3,後4,後14,後15,後16
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4後1,後2,後6,後13,後14,後15,後16
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4前2,前10,前11,後9,後10,後11,後12,後14,後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合7015001500100
基礎的能力6050050070
専門的能力550050015
分野横断的能力550050015