概要:
微生物工学はバイオテクノロジーの基本となる学問である。人間が様々な分野に微生物を利用している事実を認識した後、微生物の系統、生理機能、利用技術について解説する。また、現在産業、環境問題や医療、物質生産などで微生物の利用がさらに人類に貢献しうる可能性を解説する。微生物工学の本質的理解と考察を目指す。
授業の進め方・方法:
授業は教科書を基にした配布プリントを使用して進める。環境工学、分子生物学、生物工学の基礎的な知識を基にして、微生物工学の本質的理解と考察ができるようになってもらいたい。授業では、ペア・グループでの学習を取り入れるため、自主的に講義に取り組む意識を持つこと。
注意点:
1)環境工学、分子生物学、生物工学の講義内容を十分に理解しておくこと。
2)自己学習においては教科書、専門誌、URL、e-learning等を利用し、微生物工学に関する最新の技術動向について調べておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明 |
微生物工学の全体像・重要性について説明できる。
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2週 |
産業・地球環境に微生物の果たす役割 |
① 微生物学の重要な発見を説明できる ② 微生物工学の歴史と発展を説明できる
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3週 |
バクテリア、アーキア、ウィルスの種類・形態・生態(1) |
① 3ドメインの特長を説明できる ② 微生物の分類基準を説明できる
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4週 |
バクテリア、アーキア、ウィルスの種類・形態・生態(2) |
① Bacteriaの様々な性状の違いを説明できる。 ② Archaea,Virusとは何かを説明できる。
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5週 |
バクテリア、アーキア、ウィルスの種類・形態・生態(3) |
主要なバクテリア、アーキア、ウイルスについて説明資料を作成し、発表できる。
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6週 |
真菌類・藻類・原生動物など、真核生物の種類・形態・生態(1) |
① 菌類とは何かを説明できる。 ② 酵母,藻類,原生動物とは何かを説明できる。
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7週 |
真菌類・藻類・原生動物など、真核生物の種類・形態・生態(2) |
菌類、酵母、藻類、原生動物について説明資料を作成し、発表できる。
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8週 |
微生物の栄養と培養(1) |
① 分裂法による微生物の増殖の細菌数を計算できる。 ② 栄養要求による微生物の分類とは何か説明できる。
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2ndQ |
9週 |
微生物の栄養と培養(2) |
微生物の栄養性と培養方法について詳細に説明できる。
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10週 |
前期中間試験 |
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11週 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入 |
間違った問題を正し、説明できる
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12週 |
微生物の分離,培養,保存 |
① 有用微生物の自然界からの分離方法・その培養方法を説明できる。 ② 発酵工業における微生物の保存における重要な側面を説明できる。
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13週 |
微生物の改良 |
① 突然変異とは何かを説明できる。 ② 微生物菌株の改良方法を説明できる。
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14週 |
AMP、ADP、ATPの構造、解糖系、発酵 |
① AMP、ADP。ATP の構造について説明できる。 ② 解糖系で生成される ATP 収支と電子伝達体の利用について説明できる。
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15週 |
TCA回路、電子伝達系 |
③ TCA 回路と電子伝達系の関係を説明できる。
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16週 |
前期末試験 試験問題の解説及びポートフォリオの記入 |
間違った問題を正し、説明できる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害(1) |
脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害について説明資料を作成できる。
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2週 |
脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害(2) |
脂質、アミノ酸、光合成、ヌクレオチド合成の代謝系、代謝阻害について説明資料を用いて発表できる。
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3週 |
食料・飼料用微生物 |
① 食料・飼料用微生物とは何かを説明できる。 ② 食料・飼料用微生物の応用方法を説明できる。
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4週 |
アルコール発酵・乳酸発酵 |
① アルコール発酵・乳酸発酵とは何かを説明できる。 ② アルコール発酵・乳酸発酵の産業への適用例を説明できる。
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5週 |
アミノ酸発酵 |
① アミノ発酵とは何かを説明できる。 ② アミノ発酵の産業への適用例を説明できる。
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6週 |
抗生物質生産、生理活性物質 |
① 抗生物質生産、生理活性物質とは何かを説明できる。 ② 抗生物質生産、生理活性物質の産業への適用例を説明できる。
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7週 |
酵素生産 |
① 酵素生産の流れを説明できる。 ② 酵素生産による産業について説明できる。
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8週 |
自然界の物質循環と微生物 |
① 自然界の物質循環について説明できる。 ② 自然界の物質循環に関与する微生物の働きを説明できる。
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4thQ |
9週 |
メタン発酵・水素発酵・バイオエタノール |
① メタン発酵・水素発酵・バイオエタノールとは何かを説明できる。 ② メタン発酵・水素発酵・バイオエタノールの産業への適用例を説明できる。
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10週 |
硫黄酸化・硫酸還元・硝化・脱窒 |
① 硫黄酸化・硫酸還元・硝化・脱窒とは何かを説明できる。 ② 硫黄酸化・硫酸還元・硝化・脱窒の産業への適用例を説明できる。
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11週 |
難分解性物質(炭化水素類)の分解除去 |
① 微生物を利用した難分解性物質(炭化水素類)の分解除去について説明できる。 ② 微生物を用いた難分解性物質(炭化水素類)の分解除去方法を提案できる。
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12週 |
バイオレメデェーション |
① バイオレメディエーションとは何かを説明できる。 ② 微生物を利用したバイオレメディエーションの方法を考案できる。
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13週 |
種類・症状・予防 |
① 微生物の病原性について説明できる。 ② 病原菌への対策方法を提案できる。
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14週 |
今後の微生物利用 |
今後の微生物を利用した産業を提案できる。
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15週 |
学年末課題 |
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16週 |
ポートフォリオの記入 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 3 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 3 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 3 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 2 | 後1 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 3 | 前14,前15,前16 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 2 | 前14,前15,前16 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 2 | 前13,前16 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 2 | 後7,後15,後16 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 2 | 後7,後15,後16 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 2 | 後7,後15,後16 |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | 前14,前15,前16 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | 前14,前15,前16 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | 前14,前15,前16 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | 前14,前15,前16 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 2 | 後1,後2,後15,後16 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後8,後15,後16 |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後8,後15,後16 |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前10,前11,後3,後4,後5,後8,後15,後16 |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前6,前7,前10,前11,後3,後4,後5,後8,後15,後16 |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 3 | 前8,前9,前10,前11,前12,前16 |
微生物の育種方法について説明できる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前16 |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13,前16,後13,後14,後15,後16 |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 4 | 後4,後14,後15,後16 |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 4 | 前12,後3,後4,後14,後15,後16 |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 4 | 後1,後2,後6,後13,後14,後15,後16 |
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。 | 4 | 前2,前10,前11,後9,後10,後11,後12,後14,後15,後16 |