生物工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物工学
科目番号 0099 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 生物化学工学 第3版(講談社)、(著) 海野肇ら 、ISBN 978-4-06-139831-3
担当教員 平沢 大樹

到達目標

1)生体触媒に関する知識・技術を理解し、環境問題等の解決法を検討できること。
2)生物を用いた工業プロセスとその長所・欠点を理解できること。
3)遺伝子工学や細胞工学の最新の技術を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1生物工学に関する現象・理論・技術を文章のみで説明できる。生物工学に関する現象・理論・技術を文章と図によって説明できる。生物工学に関する現象・技術を図や表によって説明できる。  A ・ B ・ C
評価項目2微生物の増殖や生産物の収率などの計算ができ、実用面での応用を考察できる。微生物の増殖や生産物の収率などの計算ができ、複数の計算を組合わせた応用ができる。微生物の増殖や生産物の収率などの計算ができる。  A ・ B ・ C
評価項目3バイオプロセスによる物質生産に関して、最適な工程を組立て、説明できる。バイオプロセスによる物質生産に関して、工程を組立てることができる。バイオプロセスによる物質生産に関して、各工程を説明できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE a 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 人間が様々な分野に生物を利用している事実を認識した後、その利点、問題点等を解説する。また、現在産業に使われている生物の改良によって、環境問題や医療、物質生産などで生物の利用がさらに人類に貢献しうる可能性を解説し、基礎を習得させる。
授業の進め方・方法:
1)本講議の理解には化学の知識が必要で、十分勉強しておくことが望ましい。
2)事前に教科書の授業部分を熟読しておくこと。
注意点:
1)生物に関する知識は、実社会・企業においても必要なので、本講義で得た知識・情報は日常新聞等でも注意を払うこと。
2)自己学習においては教科書、専門書等を利用すること。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
バイオプロセスと構成1
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
バイオプロセスについて理解する。
2週 バイオプロセスと構成2 各分野におけるバイオプロセスの利用について概要を理解する。
3週 バイオプロセスと構成3 各分野におけるバイオプロセスの利用について概要を理解する。
4週 代謝と生体触媒 生物を構成している要素について理解する。
5週 細胞を構成する分子 生物を構成する分子について理解する。
6週 染色体とセントラルドグマ 染色体の構造とセントラルドグマについて理解する。
7週 タンパク質の合成1 転写について理解する。
8週 タンパク質の合成2 リボソームにおける翻訳機構について理解する。
2ndQ
9週 中間試験
10週 試験答案の返却及び解説
育種と遺伝子組換え1
分子育種の原理・手法について理解する。
11週 育種と遺伝子組換え2 分子育種の原理・手法について理解する。
12週 育種と遺伝子組換え3 微生物育種の原理・手法について理解する。
13週 生物化学量論 生物工学における収率と反応速度論について理解する。
14週 酵素反応の速度論1 酵素反応について理解する。
15週 酵素反応の速度論2 酵素反応について理解する。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 細胞増殖の速度論 細胞増殖速度について理解する。
2週 バイオリアクターの種類と特徴 リアクターの形状や反応液の添加方法、それらの特徴について理解する。
3週 バイオリアクターの基本設計 リアクターの体積や、添加・反応速度について理解する。
4週 固定化生体触媒を用いたバイオリアクター1 固定化生体触媒の特徴を理解する。
5週 固定化生体触媒を用いたバイオリアクター2 生体触媒の固定化方法について理解する。
6週 滅菌操作 種々の滅菌方法とそれらの特徴について理解する。
7週 バイオセパレーションの特徴と目的 バイオセパレーションにおける特徴について理解する。
8週 バイオセパレーション:細胞の破砕 バイオセパレーションにおける細胞の破砕方法について理解する。
4thQ
9週 バイオセパレーション:固体成分の分離 バイオセパレーションにおける遠心や濾過などを用いた固体成分の分離について理解する。
10週 バイオセパレーション:吸着 バイオセパレーションにおける吸着操作における種類と特徴について理解する。
11週 バイオセパレーション:膜分離 バイオセパレーションにおける膜分離について理解する。
12週 バイオセパレーション:抽出 バイオセパレーションにおける抽出操作の種類と特徴について理解する。
13週 バイオセパレーション:電気泳動 バイオセパレーションにおける電気泳動の種類と特徴について理解する。
14週 バイオプロセスの実用化1 バイオプロセスの実用化例について理解する。
15週 バイオプロセスの実用化2 バイオプロセスの実用化例について理解する。
16週 学年末試験
試験答案の返却及び解説

試験問題の解説及びポートフォリオの記入

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3後10
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。3後12
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。3後10
化学工学物質の流れと物質収支についての計算ができる。3前13,後2,後3
流れの物質収支の計算ができる。3前13,後2,後3
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。2後9,後10,後12
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後9,後10,後11
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4後2,後3
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。2前4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3前4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前1,前14
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。2前5,前6
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。2
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。2前6
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3前4,前5
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。2後4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前4
グリコシド結合を説明できる。4前4
多糖の例を説明できる。4前4
脂質の機能を複数あげることができる。3前5
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前5
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。3前5
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3前14
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。2前5,前14
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。2前5
タンパク質の高次構造について説明できる。2
ヌクレオチドの構造を説明できる。1前5
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。2前5
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3前7,前8
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3前11,前14
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3前11,前14
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。1
生物工学微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4前15,後1
微生物の育種方法について説明できる。4前12,前14
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。3後1,後6
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4前3
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4前2
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4前3

評価割合

定期試験レポート課題合計
総合評価割合702010100
知識の基本的な理解50201080
思考・推論・創造への適応力100010
総合的な学習経験と創造的思考力100010