建築設計演習

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築設計演習
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:4
教科書/教材 初めて学ぶ建築製図(建築のテキスト編集委員会編・学芸出版社)978-4-7615-2448-7、コンパクト建築設計資料集成(日本建築学会編、丸善出版)978-4-621-07509-8
担当教員 林田 義伸

到達目標

1) 実際の建築図面(平面図・立面図・断面図)を模写することにより、建築図面の読み方を理解し、描くことができること。また、様々な図面(平立断面図・詳細図・矩計図)に表記されている空間的相互関係について理解し、与えられた課題の図面を描くことができること。
2) 建築図面に表記されている部分から、立体としての建築を理解し、立体図として描くことができること。
3)設計課題の設計条件を理解・調査・分析し、適切な設計目標をたてることができる。
4)住宅の様々な機能,階層を系統づけて整理し,建築としてまとめることができる。
5)設計図書としての図面とプレゼンテーション用の図面の作成目的の違いを理解し、またそれぞれを適切に表現できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルを前提とし、第三者が読み取りやすい図面として仕上げることができる。模写する建築図面に記載されている基本的な記号や図面間の相互関係について理解し、正確な建築図面を描くことができる。建築図面に記載されている基本的な記号について理解し、建築図面を模写できる。
評価項目2標準的な到達レベルを前提とし、外構部、或いは内向部の豊かな表現が出来、作品として完成させることが出来る。平立断面図などから、立体としての建築を理解し、立体図として正確に描くことができる。平立断面図などから、立体としての建築を理解し、立体図として描くことができる。
評価項目3標準的な到達レベルを前提とし、独創的な提案が盛り込まれている。計画・設計に必要な設計条件を設定し、それらを満たした設計目標をつくることができる。目標とする建築空間を計画・設計するにあたり、どのような設計条件があるのかを理解できる。
評価項目4標準的な到達レベルを前提とし、意匠的な手法が研究され、求められている建築空間に相応しい手法が試みられていること。基本的な計画・設計方法の十分な理解をもとに、求められている建築空間が合理的にまとめられる。求められている建築空間の機能、動線など基本的な計画の知識を学習できる。
評価項目4標準的な到達レベルを前提とし、プレゼンテーションの様々な技巧を研究し、またそれを試みられていること。各自の設計コンセプトが、他者を理解させる構成・内容になっていること。設計図書としての図面を作成するに当たり、製図および各種図面の規則・書式を知っている。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築を表現するための基本的な作図方法を学習する。
前期は、建築製図の一般的ルールを理解し、設計提案するものを客観的に伝達できる技術を習得する。
後期は、住宅の設計の進め方、基本的な構造、設計した物の図による表現方法を学習する。
授業の進め方・方法:
製図作品を制作する。時間内に終了しなかった作業については、次週まで必ず自宅にて実施しておくこと。後期設計授業においては、建築の専門雑誌などで住宅の事例を収集し資料としてまとめておくこと。
注意点:
毎回、作業に必要な用具(製図器具など)を忘れず持参すること。各種提出物は提出期限日までに提出すること。(求められた内容が未達成の場合でも、その時点でできている図面などを提出すること。提出期限時点での評価を行う。)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建築図面の模写・作成 建築図面表記内容の概説
模写対象図面の表記された内容を理解する。
2週 建築図面の模写・作成 住宅建築の配置図兼1階平面図の模写
各種の線の意味を理解する。基準線及び壁線下書を作図する。
3週 建築図面の模写・作成 住宅建築の配置図兼1階平面図の模写
開口部の下書、壁線・開口部を適切な線種で仕上げる。
4週 建築図面の模写・作成 住宅建築の配置図兼1階平面図の模写
家具・床面などを下書し、適切な線種で仕上げる。
5週 建築図面の模写・作成 住宅建築の配置図兼1階平面図の模写
外構部の下書きを行う。
6週 建築図面の模写・作成 住宅建築の配置図兼1階平面図の模写
外構部を仕上げ、必要な記号や文字を書き込む。
7週 建築図面の模写・作成 住宅建築の2階平面図の模写
1階平面図との関連を考えながら、2階平面図の作図を行う。
8週 建築図面の模写・作成 住宅建築の立・断面図の模写・作図
平面図との関連を考えながら、立面図を作図する。
2ndQ
9週 建築図面の模写・作成 住宅建築の立・断面図の模写・作図
平面図・立面図との関連を考えながら、断面図の下書きを行う。
10週 建築図面の模写・作成 住宅建築の立・断面図の模写・作図
断面図を、適切な線種で仕上げる。
11週 建築の立体図面の作成 アイソメ図の作成手法について学習する。
12週 建築の立体図面の作成 アイソメ図の作成手法を用い、住宅の立体画像を作成する。まず、壁面と屋根について下書きする。
13週 建築の立体図面の作成 アイソメ図の壁面に開口部の下書きを行い、建築本体の図を適切な線種で仕上げる。
14週 建築の立体図面の作成 外構部の下書き(植栽・舗装・自動車などを含み、立・断面図の下書きを行う。
15週 建築の立体図面の作成 外構部を適切な線種で仕上げ、また必要事項を記入し、図面を仕上げる。
16週
後期
3rdQ
1週 独立住宅の設計及び製図の演習
課題説明・設計概念の検討・基本設計
課題説明を受け、設計目標を設定する。(設計概念の検討)
2週 独立住宅の設計及び製図の演習
必要空間の設定及び面積算定
設計目標に応じた必要空間を設定する。
3週 独立住宅の設計及び製図の演習
配置計画、動線計画、ゾーニング計画
配置計画、動線計画、ゾーニング計画を行う。
4週 独立住宅の設計及び製図の演習
平面・立面・断面の設計
住宅平面のエスキスを行う。
5週 独立住宅の設計及び製図の演習
平面・立面・断面の設計
住宅立・断面のエスキスを行う。
6週 独立住宅の設計及び製図の演習
平面・立面・断面の設計
住宅の平立断面のエスキスを再検討する。
7週 独立住宅の設計及び製図の演習
平立断面図の製図
住宅の平立断面のエスキスを再検討し、エスキスを完成させる。
8週 独立住宅の設計及び製図の演習
平立断面図の製図
平立断面の寸法を明確に決定し、平面図を作成する。
4thQ
9週 独立住宅の設計及び製図の演習
平立断面図の製図
立面図を作成する。
10週 独立住宅の設計及び製図の演習
平立断面図の製図
断面図を作成する。
11週 独立住宅の設計及び製図の演習
外構部を含めて平立断面図を完成させ、設計概念を含め、設計図書を作成する。
12週 独立住宅の設計及び製図の演習 平立断面図を元に、スタディ模型を作成する。
13週 独立住宅の設計及び製図の演習 外観図を作成する。
14週 独立住宅の設計及び製図の演習 内観図を作成する。
15週 独立住宅の設計及び製図の演習 外観図・内観図に説明を加え、プレゼンテーション用図面として完成する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。3後11,後15
設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。3前6,前8,前10,後11
線の描き分け(3種類程度)ができる。3前6,前8,前10,後11
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。3前6,前8,前10,後11
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。3前6,前8,前10,後11
図面の種類別の各種図の配置を理解している。3前6,前8,前10,後11
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。3前6,前8,前10,後11
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。3前15
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。3後12,後15
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。3後1
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。3後3
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。3後7,後11
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。3後15
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。3後15
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。2後7,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000003030
専門的能力000004040
分野横断的能力000003030