建築構造Ⅱ

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築構造Ⅱ
科目番号 0022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 建築構造/実教出版 978-4-407-20200-7
担当教員 山本 剛

到達目標

1)鉄筋コンクリート構造(RC構造)の特徴と形式、基礎の形式、躯体の構成、配筋、仕上げ、各種構造について、適切な表現で説明することができる。
2)鋼構造の特徴と形式、鋼材の性質、鋼材の接合、基礎の種類、骨組、耐火被覆、仕上げ、各種構造について、適切な表現で説明することができる。
3)鋼構造の構造図に関して、伏図、軸組図の図面内容を正しく読み、正確にトレースすることができる。
4)地震の現象と建築物の地震被害について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1RC構造において、構造の特徴と形式、躯体の構成、配筋等、全てに関して適切な表現で説明することができる。RC構造において、構造の特徴と形式、躯体の構成、配筋等、全てに関して説明することはできる。RC構造において、構造の特徴と形式、躯体の構成、配筋等、部分的には説明することができる。  A ・ B ・ C
評価項目2鋼構造において、構造の特徴と形式、鋼材の性質、鋼材の接合等、全てに関して適切な表現で説明することができる。鋼構造において、構造の特徴と形式、鋼材の性質、鋼材の接合等、全てに関して説明することはできる。鋼構造において、構造の特徴と形式、鋼材の性質、鋼材の接合等、部分的には説明することができる。  A ・ B ・ C
評価項目3S造(ラーメン構造)の構造図に関して、全ての図面を正確にトレースし、図面内容を正しく読むことができる。S造(ラーメン構造)の構造図に関して、トレースは行い、図面内容も一部を除いて読むことはできる。S造(ラーメン構造)の構造図のトレースは行うことができるが、図面内容が一部しか読むことができない。  A ・ B ・ C
評価項目4マグニチュードの概念と震度階および建築物の地震被害の特徴について適切な表現で説明することができる。マグニチュードの概念と震度階および建築物の地震被害の特徴について説明することができる。マグニチュードの概念と震度階および建築物の地震被害の特徴について部分的には説明することができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我が国では主要な構造である鉄筋コンクリート構造と鋼構造について、構造の特徴、使用材料、基礎、躯体の構成や骨組、仕上げについて学習する。この学習は、建築物の構造設計を行うための基本事項を学習することである。また、鋼構造建物の構造図のトレースを行うことにより、各種部材の図面表示の方法を学習する。
授業の進め方・方法:
1)この科目は学習単位のため、事前・事後学習としてレポートを実施する。前期は講義形式の授業、後期は自学学習形式の授業を行う。
2)鋼構造の学習においては、構造図面の作成(トレース)を行うので製図道具を持参すること。
3)教科書及び配付資料に掲載されている解説図や概念図をよく見て理解を深めること。
4)事前学習により、当該授業時間で進行する部分を予習しておくこと。
5)自己学習として、常日頃から実際の建物を観察することを心がけて授業で学習した内容について理解を深めること。
6)1年次に使用した「コンパクト建築設計資料集成」に掲載されている建物の写真や図面等を見て復習を行うこと。
注意点:
評価方法は定期試験を60%、レポートを40%とし、総合評価で60%以上を合格とする。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
RC構造の特徴と構造形式
RC構造の特徴(長所と短所)と構造形式について理解する。
2週 鉄筋とコンクリート(1)
1.コンクリートの材料
2.セメントの性質
3.フレッシュコンクリートの性質
コンクリートの材料、セメントの性質、フレッシュコンクリートの性質について理解する。
3週 鉄筋とコンクリート(2)
1.硬化後のコンクリート
2.混和剤
3.レディーミクストコンクリート
4.様々なコンクリート・コンクリート製品
硬化後のコンクリートの性質、混和剤のはたらき、レディーミクストコンクリート、様々なコンクリート・コンクリートについて理解する。
4週 基礎
躯体(1)
1.基礎
2.柱・梁
基礎の形式、構造、設計上の注意点および躯体の構成、柱と梁の役割、構造計画、標準寸法について理解する。
5週 躯体(2)
1.床・壁
2.階段
3.耐震計画・免震
床と壁の働き・標準寸法、階段の構造、耐震壁の配置計画と免震について理解する。
6週 躯体(3)
1.配筋の基本
2.基礎の配筋
3.梁の配筋
配筋の基本的な考え方、基礎の配筋、梁の配筋について理解する。
7週 躯体(4)
1.柱の配筋
2.床の配筋
3.壁の配筋

柱の配筋、床の配筋、壁の配筋について理解する。
8週 仕上げ
1.外部仕上げ
2.内部仕上げ
陸屋根の防水と外壁の仕上げおよび床・内壁・天井の仕上げについて仕上材選択の留意点、構造RC構造における、開口部、階段を理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験における、試験答案の返却及び解説
11週 壁式構造
プレストレストコンクリート
壁式構造・プレキャストコンクリート・補強コンクリートブロック構造の構造形式と構造規定とプレストレストコンクリートの原理・長所・使用事例について理解する。
12週 鋼構造の特徴と構造形式

構造用鋼材

鋼構造の長所と短所、ラーメン構造とブレース構造、鋼の物理的性質・機械的性質・温度による変化・鋼材・構造用鋼材の分類、断面形状、寸法表示について理解する。
13週 鋼材の接合
1.接合方法
2.高力ボルト接合
3.ボルト接合
4.溶接

2.
鋼構造の接合方法の種類、高力ボルトを用いた接合の種類とそれらの特徴、ボルト接合の方法とそれらの特徴、溶接の方法とそれらの特徴、溶接継手、溶接継ぎ目、溶接記号、溶接欠陥補強コンクリートブロック構造について理解する。
14週 骨組(1)
1.骨組の構成と耐震計画
2.骨組の部材
3.梁
4.梁の接合部

ラーメン構造とブレース構造および耐震計画、単一材と組み立て材・引張材と圧縮材、形鋼梁・プレート梁・トラス梁・ラチス梁、仕口と継手について理解する。
15週 骨組(2)
1.柱
2.柱脚
3.床・階段
4.耐火被覆

単一材と組立柱・柱と柱の継手および柱と梁の仕口、柱脚の形式、デッキプレート床・ALCパネル床および階段、耐火被覆の方法について理解する。
16週 前期末試験における、試験答案の返却及び解説
後期
3rdQ
1週 軽量鋼構造と鋼管構造
鉄骨鉄筋コンクリート構造
軽量鋼構造、鋼管構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造の特徴と構造形式について理解することができる。
2週 地震と建築物の被害


地震のメカニズム・マグニチュード・震度階および建築物の構造種別の地震被害の特徴について理解する。
3週 鋼構造の構造図(1)
1.構造図の構成
2.部材記号
3.伏図, 軸組図
4.基礎伏図のトレース#1
・基礎伏図の読図
・レイアウト・基準線
構造図の目的と種類、部材記号の表記方法、伏図の描き方について理解する。また、基礎伏図のレイアウトを行い、基準線を仕上げる。
4週 基礎伏図のトレース#2
基礎伏図のトレース#2
1.基礎・基礎梁
2.部材記号・寸法・寸法線・図面名
基準線に基礎、基礎梁を描き加え、部材記号、寸法、寸法線、図面名等を書き入れ基礎伏図を完成させる。
5週 床伏図のトレース#1
・床伏図の読図
・レイアウト・基準線
床伏図のレイアウトを行い、基準線を仕上げる。
6週 床伏図のトレース#2
柱・梁
基準線に柱、梁を描き加える。
7週 床伏図のトレース#3
部材記号・寸法・寸法線・図面名
軸組図に部材記号、寸法、寸法線、図面名等を書き入れ、床伏図を完成させる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験における、試験答案の返却及び解説
10週 軸組図のトレース#1
1.軸組図の描き方
2. Y1通り軸組図のトレース#1
レイアウト・基準線
軸組図の描き方の手順を理解する。また、軸組図のレイアウトを行い、基準線を仕上げる。
11週 Y1通り軸組図のトレース#2
柱・梁
基準線に柱、梁等の部材を描き加える。
12週 Y1通り軸組図のトレース#3
部材記号・寸法・寸法線・図面名
軸組図に部材記号、寸法、寸法線、図面名等を書き入れ、 Y1通り軸組図を完成させる。
13週 X1通り軸組図のトレース#1
レイアウト・基準線
軸組図のレイアウトを行い、基準線を仕上げる。
14週 X1通り軸組図のトレース#2
柱・梁
基準線に柱、梁等の部材を描き加える。
15週 X1通り軸組図のトレース#3
部材記号・寸法・寸法線・図面名
軸組図に部材記号、寸法、寸法線、図面名等を書き入れ、床伏図を完成させる。
16週 学年末試験における、答案の返却及び解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料セメントの種類・特徴について説明できる。1前2
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。1前2
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。1前3
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。2前2
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。1前2
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。1前3
構造建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。2前1,前11,前12,後1
S造の特徴・構造形式について説明できる。1前12
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。1前13
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。2前1,前11
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。2前4
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。1後2
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。2後2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート小テスト合計
総合評価割合600000400100
基礎的能力30000020050
専門的能力30000020050
分野横断的能力00000000