概要:
この科目は,建築に用いられる各種材料の性質及び使用方法等について講義形式で授業を行い,建築材料に関する基礎的知識を学習するものである.
授業の進め方・方法:
・基本的にはテキストを中心に授業を進めるが,プロジェクター,ビデオ等を使用した授業を行う.授業中,メモをしっかりとるように心がけること.また,授業では,大量の資料を配布するので試験前に見直しができるように整理しておくこと
・関連科目としては1年次に履修した「建築構造Ⅰ」,2年次に履修した「建築構造Ⅱ」,3年次に前期から履修する「建築学実験(建築材料実験)」があるので,事前学習として木造,鋼構造,RC構造の構法等についても十分に復習しておくこと.
・本授業単位は学習単位であるので,自己学習としてほぼ各章ごとに演習問題を課し,その得点はレポート点として総合評価に加味する.
注意点:
・教科書「建築材料」ならびに配布されたテキストを利用し,事前学習により当該授業時間で進行する部分を予習しておくこと
・建築材料を未修得で卒業した場合,高専卒業後,4年間の実務経験を経ても,一級建築士試験の受験資格が認められないので注意すること
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業計画の説明と建築材料の一般的性質
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・授業計画・達成目標・成績の評価方法を理解する. ・建築材料の変遷や発展について理解する. ・建築材料の規格・要求性能について理解する.
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2週 |
セメント・せっこう・石灰系材料 |
・セメントの製造方法について(廃棄物の利用法も含む)について説明できる. ・セメントの種類・特徴について説明できる. ・せっこう,石灰系材料の硬化メカニズム,使用上の留意点を説明できる. ・内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる.
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3週 |
コンクリートの概要 |
・コンクリートの一般的性質および性能を説明できる.
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4週 |
コンクリートの構成材料 |
・水,骨材および混和材料などのコンクリート材料としての要求性能を説明できる.
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5週 |
フレッシュコンクリートの性質 |
・フレッシュコンクリートの性質について説明できる.
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6週 |
硬化コンクリートの性質 |
・コンクリートの力学性状,耐久性能を説明できる.
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7週 |
各種コンクリート及びコンクリート製品 |
・各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる. ・コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる.
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8週 |
第7週までの内容の復習(後期中間試験) |
・試験により第7週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
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4thQ |
9週 |
試験答案の返却及び解説(中間試験の結果を確認するとともにポートフォリオにより自己の理解度の客観評価を行う) |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
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10週 |
鋼材 |
・鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき,その特異点(比例限界、弾性限界,上降伏点,下降伏点,最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる. ・鋼材の耐久性(腐食,電食,耐火など)の現象と概要について説明できる. ・建築用構造用鋼材の種類(SS,SM,SNなど)・性質について説明できる. ・建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる.
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11週 |
非鉄金属 |
・非鉄金属(アルミ,銅、ステンレスなど)の分類,特徴をあげることができる.
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12週 |
木材 |
・木材の種類,組織形成,物理的性質を説明できる. ・木材の耐久性,耐火性について説明できる. ・木材工業製品について説明できる.
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13週 |
石材及びガラス |
・建築材料としての石材の特徴および種類を理解する. ・ガラスの製法,種類を理解する.
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14週 |
粘土焼成品及び高分子材料 |
・れんが,タイルおよび瓦などの種類と特徴を説明できる. ・プラスチック,アスファルト,塗料および接着剤の種類とその用途を説明できる.
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15週 |
第10週~第14週までの内容の復習 |
・第10週~第14週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
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16週 |
学年末試験 (17週目は試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入) |
・試験により第10週~第14週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 後2,後4,後7,後10,後13 |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 後10,後13 |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | 後1,後3 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 材料 | 建築材料の変遷や発展について説明できる。 | 4 | 後1 |
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。 | 4 | 後1 |
木材の種類について説明できる。 | 4 | 後12 |
傷(節など)について説明できる。 | 4 | 後12 |
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。 | 4 | 後12 |
耐火性について説明できる。 | 4 | 後12 |
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。 | 4 | 後12 |
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。 | 4 | 後12 |
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。 | 4 | 後2 |
セメントの種類・特徴について説明できる。 | 4 | 後2 |
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。 | 4 | 後4 |
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。 | 4 | 後4 |
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。 | 4 | 後5 |
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。 | 4 | 後5 |
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。 | 4 | 後6 |
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。 | 4 | 後7 |
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。 | 4 | 後7 |
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。 | 4 | 後6 |
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。 | 4 | 後10 |
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。 | 4 | 後10 |
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。 | 4 | 後11 |
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。 | 4 | 後10 |
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。 | 4 | 後10 |
石材の種類・性質について説明できる。 | 4 | 後13 |
石材の使用方法について説明できる。 | 4 | 後13 |
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。 | 4 | 後14 |
タイルの種類、特徴をあげることができる。 | 4 | 後14 |
ガラスの製法、種類をあげることができる。 | 4 | 後13 |
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。 | 4 | 後14 |
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。 | 4 | 後12 |
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。 | 4 | 後12,後14 |
内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる。 | 4 | 後2,後12 |