到達目標
鋼材の性質及び鋼構造の特徴を理解し、建築構造物に対して、適切な鋼材及び適切な部材断面を選定し、架構を組み立てることができる。各種の力(軸方向力、曲げモーメント、せん断力)を受ける柱材や梁材について部材の挙動を理解し、設計することができる。接合法(ボルト接合法、溶接接合法)を理解し、力の流れを考慮して、柱や梁の接合部を設計することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 多種多様な建築構造物に対して、適切な鋼材及び適切な部材を選定・配置することができる。 | 標準的な架構形式に対しては、適した鋼材と適した部材を選定・配置することができる。 | 基本的な鋼材及び部材に対しては、性質と特徴を説明することができない。 |
評価項目2 | 色々な建築構造架構に対して、各種の力を受ける部材の挙動を説明することができ、適切な部材の設計ができる。 | 標準的な架構形式に対しては、部材の挙動を説明することができ、適した部材を設計することができる。 | 一部の構造形式に対しては、部材の挙動を説明することができない。 |
評価項目3 | 様々な形状の接合部に対して、力の流れを考慮しながら適切な接合法を選定し、適切な接合部の設計ができる。 | 標準的な接合部に対しては、適した接合部を選定した上で、適した接合部の設計をすることができる。 | 一部の接合部に対しては、接合部の力の流れを説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (c)
説明
閉じる
JABEE (d)
説明
閉じる
JABEE B2
説明
閉じる
教育方法等
概要:
我が国では主要な構造の1つである鋼構造に関して、鋼材の性質、設計用荷重・外力の算出、ボルト接合法及び溶接接合法、各種部材に発生する応力及び部材の設計、座屈に代表される鋼構造の特徴など、鋼構造に関する一連の内容を学習し、建築鉄骨構造物の設計を行うための基本を修得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
2年時、3年時で学んだ構造力学を復習して理解しておくこと。特に断面の性質及び断面定数の算出については、十分に理解しておくこと。RC構造学で学習する内容と対比させながら、鋼構造の特徴について理解を深めること。事前学習により、当該授業時間で進行する部分を予習しておくこと。自己学習として、実際に建っている鉄骨造建物の各種部材及び各種接合部等を興味を持って確認し、立体的な形状で部材に発生する力を理解すること。
注意点:
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画・内容の説明 建築鉄骨構造概論 |
授業計画・達成目標・成績の評価方法を理解する 歴史と現状、各種構造システム、構造性能と特徴、新構法と展望を説明出来る。
|
2週 |
構造計画と設計法 |
構造計画、設計用荷重・外力、設計判定条件、各種設計法の要点を説明出来る。
|
3週 |
鋼材の性質 |
製法、規格と種類、機械的性質、各種性能と機能鋼を説明出来る。
|
4週 |
圧縮材の曲げ座屈
|
オイラーの座屈荷重、座屈長さ、座屈応力度・細長比、H形断面圧縮材のねじれ座屈、曲げねじれ座屈を説明出来る。
|
5週 |
H形断面梁の横座屈 曲げと圧縮を受けるH形断面柱 |
横座屈、横座屈モーメント、曲げねじれ座屈、強度相関関係を説明出来る。
|
6週 |
補剛 板要素の局部座屈 |
圧縮材の補剛、梁・柱の補剛、幅厚比、板座屈係数を説明出来る。
|
7週 |
塑性解析法の基本 |
塑性解析の基本仮定、塑性ヒンジの概念、全塑性モーメント、塑性崩壊、塑性崩壊荷重と設計を説明出来る。
|
8週 |
軸方向力を受ける部材 |
各種引張・圧縮部材の断面形と特徴、引張材の挙動と設計、圧縮材の挙動と設計、筋かい材の挙動と設計を説明出来る。
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
試験により第8週までの授業内容の理解度を確認し、不十分な部分の復習を行うことができる。
|
10週 |
試験答案の返却及び解説 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
|
11週 |
曲げモーメントとせん断力を受ける梁材 |
各種曲げ材の断面形と特徴、断面の応力分布、梁材の挙動、梁材の設計を説明出来る。
|
12週 |
曲げモーメントとせん断力を受ける梁材 |
各種曲げ材の断面形と特徴、断面の応力分布、 梁材の挙動、梁材の設計を説明出来る。
|
13週 |
軸方向力と曲げモーメントを受ける柱材 |
各種柱材の断面形と特徴、断面の応力分布、柱材の挙動、柱材の設計を説明出来る。
|
14週 |
軸方向力と曲げモーメントを受ける柱材 |
各種柱材の断面形と特徴、断面の応力分布、柱材の挙動、柱材の設計を説明出来る。
|
15週 |
各種骨組の概要 |
骨組の種類と特徴、トラスの挙動と設計、ラーメンの挙動と設計、耐震要素付ラーメンの挙動と設計を説明出来る。
|
16週 |
試験答案の返却及び解説 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
骨組の必要保有水平耐力 |
保有水平耐力と必要保有水平耐力、構造特性係数、ラーメン及びブレース付ラーメンの変形能力確保を説明出来る。
|
2週 |
接合部の概要 |
各種接合部の構成と特徴、継手の挙動と設計、柱梁接合部の挙動と設計を説明出来る。
|
3週 |
各種接合部の挙動と設計 |
引張ブレース接合部の設計、柱脚の挙動と設計、保有耐力接合の設計を説明出来る。
|
4週 |
各種接合部の挙動と設計 |
引張ブレース接合部の設計、柱脚の挙動と設計、保有耐力接合の設計を説明出来る。
|
5週 |
ボルト接合の基本事項 |
ボルトの種類と特徴、普通ボルト、高力ボルトを説明出来る。
|
6週 |
ボルト接合部の挙動と設計 |
普通ボルトの場合、高力ボルトの場合を説明出来る。
|
7週 |
ボルト接合の施工法と品質管理 |
普通ボルトの施工法と品質管理、高力ボルトの施工法と品質管理を説明出来る。
|
8週 |
後期中間試験 |
試験により第7週までの授業内容の理解度を確認し、不十分な部分の復習を行うことができる。
|
4thQ |
9週 |
試験答案の返却及び解説 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
|
10週 |
溶接接合の基本事項 |
溶接の種類と特徴、溶接部の性質を説明出来る。
|
11週 |
溶接継手の種類 |
完全溶込み溶接とすみ肉溶接、溶接記号を説明出来る。
|
12週 |
溶接部の設計と強度計算 |
有効のど厚、有効長さ、許容応力度、許容耐力、溶接施工と品質管理を説明出来る。
|
13週 |
溶接部の設計と強度計算 |
有効のど厚、有効長さ、許容応力度、許容耐力、溶接施工と品質管理を説明出来る。
|
14週 |
建築鉄骨の製作技術と品質管理 鉄骨構造の地震と強風と積雪の被害 |
建築鉄骨の構造安全性、建築鉄骨の品質管理、鉄骨の製作と検査、鉄骨構造の地震被害、強風による被害、積雪による被害を説明出来る。
|
15週 |
積雪荷重及び風圧力に対する安全確認 |
積雪荷重の設定及び安全性の確認、風圧力の設定及び安全性の確認、屋根ふき材等の耐風計算を説明出来る。
|
16週 |
試験答案の返却及び解説 |
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
知識の基本的な理解 | 60 | 10 | 70 |
思考・推論・創造への適応力 | 20 | 10 | 30 |
汎用的技能 | 0 | 0 | 0 |
態度・志向性(人間力) | 0 | 0 | 0 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 0 | 0 | 0 |