RC構造学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 RC構造学
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 林静雄 編著,初めて学ぶ鉄筋コンクリート構造(市ヶ谷出版社)ISBN978-4-87071-150-1
担当教員 浅野 浩平

到達目標

1) RC構造の特徴や仕組みを理解すること
2) RCの梁・柱の許容応力度設計法の基本的な考え方を理解すること
3) 設計基準、例題を参照しながら、梁・柱の断面算定が行うことができること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力を理解し、断面における応力度、ひずみ、軸力比、等価断面積などがどのような場合でも算定することができる授業中に扱った例題と同様ならば解くことができるRC構造の特長を理解している
評価項目2鉄筋とコンクリートの相互作用を良く理解し、単筋および複筋梁の許容応力度設計が応用的なものでもできる単筋および複筋梁の許容応力度設計ができる授業中に扱った例題と同様ならば解くことができる
評価項目3二軸応力状態およびせん断力の伝達方法を良く理解し、許容応力度設計ができ、せん断補強筋の配筋も提案できるせん断力に対する許容応力度設計ができる授業中に扱った例題と同様ならば解くことができる

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
RC構造の許容応力度設計法による部材断面設計の基礎理論を、最も基本的な部材である梁・柱を通して習得する
授業の進め方・方法:
この授業は、RC構造の基礎的内容から許容応力設計までを学修する。コンクリートの歴史から、高度な知識を要求する例題を扱い、講義形式で行う。
各講義では、その回に扱う内容に沿った例題を数問解説し、講義時間内に演習問題を解かせるようにしている。
注意点:
構造力学の弾性論(応力度・ひずみ度)や平面保持の仮定、建築材料のコンクリートや鋼材の力学的性質について復習しておくこと
評価方法は4回の定期テストの総合評価が60%以上を合格とする

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄筋コンクリート構造の概要 コンクリートの歴史や、構造形式を理解する
2週 鉄筋コンクリート構造の長所・短所 鉄筋コンクリート構造の長所・短所について理解する
3週 鉄筋とコンクリートの性質 鉄筋の呼び名と性質、コンクリートの圧縮性状や構成材料について理解する
4週 軸力を受けるRC柱 RC柱の基礎知識を理解する
5週 大きな軸力が作用する柱 軸力が作用する柱の概要を学ぶ
6週 圧縮軸力が作用する柱 断面の応力度、ひずみを理解する
7週 圧縮軸力が作用する柱 軸力比、等価断面積について理解する
8週 引張軸力が作用する柱
2ndQ
9週 引張軸力が作用する柱
10週 曲げを受けるRC梁 RC梁の基礎知識を理解する
11週 断面のひずみと応力度 断面の力のつり合い、曲率、平面保持の仮定
12週 曲げモーメントと変形・ひずみ・応力 曲げひび割れモーメントを理解する
13週 曲げモーメントと変形・ひずみ・応力 等価断面二次モーメント、等価断面係数を理解する
14週 許容曲げモーメント 単筋梁の中立軸位置、許容曲げモーメントについて理解する
15週 許容曲げモーメント 複筋梁の中立軸位置、許容曲げモーメントについて理解する
16週 許容曲げモーメント
各種例題を解く事ができる
後期
3rdQ
1週 曲げと軸力を受けるRC柱 基礎知識を理解する
2週 曲げと軸力による壊れ方 破壊性状、断面の力のつり合いについて理解する
3週 曲げと軸力による壊れ方
4週 曲げと軸力による壊れ方
5週 許容曲げモーメント N-M曲線について理解する
6週 許容曲げモーメント 中立軸位置、許容曲げモーメントについて理解する
7週 許容曲げモーメント 各種例題を解く事ができる
8週 許容曲げモーメント
4thQ
9週 せん断力を受けるRC部材 せん断力についての基礎知識を理解する
10週 せん断力の概要 モールの応力円(2軸応力状態)について理解する
11週 せん断破壊性状 せん断スパン比、せん断補強筋、主筋量、付着性状について理解する
12週 せん断力の伝達 トラス機構について理解する
13週 せん断力の伝達 アーチ機構について理解する
14週 せん断力に対する許容応力度設計 RC梁の許容応力度設計ができるようになる
15週 せん断力に対する許容応力度設計 RC柱の許容応力度設計ができるようになる
16週 せん断力に対する許容応力度設計 耐震壁の許容応力度設計ができるようになる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。4
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4
セメントの種類・特徴について説明できる。4
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。4
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。4
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。4
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。4
構造建築構造の成り立ちを説明できる。4
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。4
力の定義、単位、成分について説明できる。4
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。4
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。4
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。4
ラーメンやその種類について説明できる。4
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。4
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。4
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。4
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。4
構造計算の設計ルートについて説明できる。4
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。4
断面内の応力の分布について説明できる。4
許容曲げモーメントを計算できる。4
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4
せん断補強筋の算定ができる。4
終局曲げモーメントについて説明できる。4
終局剪断力について説明できる。4
断面内の応力の分布について説明できる。4
許容曲げモーメントを計算できる。4
MNインターラクションカーブについて説明できる。4
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4
せん断補強筋の算定ができる。4
終局曲げモーメントについて説明できる。4
終局剪断力について説明できる。4
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。4
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。4
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000