鋼構造学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 鋼構造学
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「建築学構造シリーズ 建築鉄骨構造 改定3版」、松井千秋、編著、(株)オーム社 / ISBN:978-4-274-21642-8
担当教員 平田 光春

到達目標

1)鋼材の性質及び鋼構造の特徴を理解し、建築構造物に対して、適切な鋼材及び適切な部材断面を選定し、架構を組み立てることができる。
2)各種の力(軸方向力、曲げモーメント、せん断力)を受ける柱材や梁材について部材の挙動を理解し、設計することができる。
3)接合法(ボルト接合法、溶接接合法)を理解し、力の流れを考慮して、柱や梁の接合部を設計することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B最低到達レベルの目標(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1多種多様な建築構造物に対して、適切な鋼材及び適切な部材を選定・配置することができる。標準的な架構形式に対しては、適した鋼材と適した部材を選定・配置することができる。基本的な鋼材及び部材に対しては、性質と特徴を説明することができる。  A ・ B ・ C
評価項目2色々な建築構造架構に対して、各種の力を受ける部材の挙動を説明することができ、適切な部材の設計ができる。標準的な架構形式に対しては、部材の挙動を説明することができ、適した部材を設計することができる。一部の構造形式に対しては、部材の挙動を説明することができる。  A ・ B ・ C
評価項目3様々な形状の接合部に対して、力の流れを考慮しながら適切な接合法を選定し、適切な接合部の設計ができる。標準的な接合部に対しては、適した接合部を選定した上で、適した接合部の設計をすることができる。一部の接合部に対しては、接合部の力の流れを説明することができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
概要:この科目は、企業で建築物の構造設計を担当していた教員が、その経験を活かし、鋼材・鋼構造形式の種類、特性、最新の設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
目的:我が国では主要な構造の1つである鋼構造に関して、鋼材の性質、設計用荷重・外力の算出、ボルト接合法及び溶接接合法、各種部材に発生する応力及び部材の設計、座屈に代表される鋼構造の特徴など、鋼構造に関する一連の内容を学習し、建築鉄骨構造物の設計を行うための基本を修得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
1)2年時、3年時で学んだ構造力学及び材料力学を復習して理解しておくこと。特に断面の性質及び断面定数の算出については、十分に理解しておくこと。
2)RC構造学で学習する内容と対比させながら、鋼構造の特徴について理解を深めること。
3)事前学習により、当該授業時間で進行する部分を予習しておくこと。
4)自己学習として、実際に建っている鉄骨造建物の各種部材及び各種接合部等を興味を持って確認し、立体的な形状で部材に発生する力を理解すること。
注意点:
参考図書:「建築鋼構造-その理論と設計-」井上一朗、吹田啓一郎 著、鹿島出版会 / ISBN:978-4-274-21642-8

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       

 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・内容の説明、建築鉄骨構造概論 歴史と現状、各種構造システム、構造性能と特徴、新構法と展望について説明できる。
2週 構造計画と設計法 構造計画、設計用荷重・外力について説明できる。
3週 鋼材の性質 製法、規格と種類、機械的性質、各種性能と機能鋼について説明できる。
4週 圧縮材の曲げ座屈 オイラーの座屈荷重、座屈長さ、座屈応力度・細長比、圧縮材のねじれ座屈について説明できる。
5週 H形断面梁の横座屈、曲げと圧縮を受けるH形断面柱 横座屈、曲げねじれ座屈について説明できる。
6週 補剛、板要素の局部座屈 圧縮材の補剛、梁・柱の補剛について、また、幅厚比、板要素の局部座屈について説明できる。
7週 軸方向力を受ける部材 各種引張・圧縮部材の断面形と特徴、引張材の挙動と設計、圧縮材の挙動と設計について説明できる。
8週 前期中間試験 1週から7週までの内容を理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験における、試験答案の返却及び解説 前期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
10週 曲げモーメントとせん断力を受ける梁材-1 各種曲げ材の断面形と特徴、断面の応力分布について説明できる。
11週 曲げモーメントとせん断力を受ける梁材-2 梁材の挙動、梁材の設計について説明できる。
12週 軸方向力と曲げモーメントを受ける柱材-1 各種柱材の断面形と特徴、断面の応力分布について説明できる。
13週 軸方向力と曲げモーメントを受ける柱材-2 柱材の挙動、柱材の設計について説明できる。
14週 各種骨組みの概要 骨組の種類と特徴、トラスの挙動と設計、ラーメンの挙動と設計について説明できる。
15週 骨組の必要保有水平耐力 保有水平耐力と必要保有水平耐力について説明できる。
16週 前期末試験
(17週目は、前期末試験の試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)
前期末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
後期
3rdQ
1週 接合部の概要 各種接合部の構成と特徴、継手の挙動と設計、柱梁接合部の挙動と設計について説明できる。
2週 各種接合部の挙動と設計-1 引張ブレース接合部の設計、柱脚の挙動と設計について説明できる。
3週 各種接合部の挙動と設計-2 保有耐力接合の設計について説明できる。
4週 ボルト接合の基本事項 ボルトの種類と特徴について説明できる。
5週 ボルト接合部の挙動と設計 普通ボルト、高力ボルトの接合部について説明できる。
6週 ボルト接合の施工法と品質管理 普通ボルトの施工法と品質管理、高力ボルトの施工法と品質管理について説明できる。
7週 柱脚の挙動と設計 柱脚の挙動と設計について説明できる。
8週 後期中間試験 1週から7週までの内容を理解する。
4thQ
9週 後期中間試験における、試験答案の返却及び解説 後期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
10週 溶接接合の基本事項 溶接の種類と特徴、溶接部の性質について説明できる。
11週 溶接継手の種類-1 完全溶込み溶接とすみ肉溶接について説明できる。
12週 溶接継手の種類-2 溶接記号について説明できる。
13週 溶接部の設計と強度計算-1 有効のど厚、有効長さ、許容応力度について説明できる。
14週 溶接部の設計と強度計算-2 許容耐力、溶接施工と品質管理について説明できる。
15週 建築鉄骨の製作技術と品質管理、鉄骨構造の地震と強風と積雪の被害 建築鉄骨の構造安全性、建築鉄骨の品質管理、鉄骨の製作と検査について、また、鉄骨構造の地震被害、強風による被害、積雪による被害について説明できる。
16週 学年末試験
(17週目は、学年末試験の試験答案の返却・解説及びポートフォリオの記入)
学年末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。4前1,前2,前9
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4前1,前2,前9
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4前3,前8,前9
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4前3,前8,前9
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。4前3,前8,前9
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。4前3,前9
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。4前3,前9
構造弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4前4,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4前5,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4前5,前8,前9,前10,前11,前16
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。4前2,前8,前9,前14,前15,前16,後8,後9,後10,後15,後16
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。4前2,前8,前9,前15
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4前4,前6,前8,前9,前12,前13,前16
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。4前4,前6,前8,前9,前12,前13,前16
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。4前7,前8,前9,前15,後8,後15,後16
S造の特徴・構造形式について説明できる。4前2,前8,前9,前14,前15,前16,後8,後9,後10
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。4後10,後11,後12,後13,後14,後16
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。4前7,前8,前9
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。4前12,前13,前16
曲げ材の設計の計算ができる。4前12,前13,前16
継手の設計・計算ができる。4後1,後2,後3,後9,後10
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10
溶接接合の種類と設計法について説明できる。4後1,後2,後3,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
仕口の設計方法について説明ができる。4後1,後2,後3,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。4後1,後3,後7,後9
施工・法規一般構造(構造方法に関する技術的基準)の法令文を読み、適用できる。4前1,前2,前8,前9
構造強度(構造計算方法に関する規定)の法令文を読み、適用できる。4前1,前2,前8,前9

評価割合

定期試験その他合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解501060
思考・推論・創造への適応力301040
汎用的技能000
態度・志向性(人間力)000
総合的な学習経験と創造的思考力000