構造力学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 構造力学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「建築構造設計」、文部科学省検定済教科書、実教出版(株)、平成25年3月検定済
担当教員 加藤 巨邦

到達目標

1)トラスの基本的な解法である”節点法による算式解法”、”節点法による図式解法”、”切断法”について理解し、それらの解法を用いて部材に生じる力を求めることができる。
2)モールの定理を理解し、その解法を用いて梁のたわみやたわみ角を求めることができる。
3)梁のたわみ曲線の微分方程式(弾性曲線式)を理解し、その解法を用いて、梁のたわみやたわみ角を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目標(可)
評価項目13つの解法をすべて理解し、さまざまな形状のトラスにおいて、部材に生じている軸力を正しく求めることができる。3つの解法をすべて理解し、基本的なトラス架構においては、部材に生じている軸力を求めることができる。トラスの3つの解法のうち1つは理解できて、部材に生じている軸力を求めることができる。
評価項目2モールの定理を理解し、各種の荷重が作用している場合における、梁のたわみやたわみ角を求めることができる。モールの定理を理解し、基本的な荷重が作用している場合は、梁のたわみやたわみ角を求めることができる。モールの定理は理解し、梁のたわみまたはたわみ角のどちらかは求めることができる。
評価項目3弾性曲線式を理解し、各種の荷重が作用している場合における、梁のたわみやたわみ角を正しく求めることができる。弾性曲線式を理解し、基本的な荷重が作用している場合は、梁のたわみやたわみ角を求めることができる。弾性曲線式は理解し、梁のたわみまたはたわみ角のどちらかは求めることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
大空間構造物を実現させる架構によく用いられている構造形式の1つである”トラス”について、基本的な解法を習得することを目的とする。また、部材に発生する曲げモーメント・せん断力・変位(たわみ、たわみ角)について、それぞれの力学的な関係を理解するとともに、それらの関係式を数学の微分方程式と対比させることにより求める解法を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
1)反力や部材に生じる力を求める際には、力の釣り合い状態を、力の向きを正確に捉えながら自ら図中に記入して解法に努めること。
2)電卓を持参すること。
3)事前学習により、当該授業時間で進行する部分を予習しておくこと。
4)自己学習として、参考書等に記載されている例題を、自ら解いて復習すること。
5)実際に建っている建築構造物を、モデル化された架構と対比させながら観察することにより、本科目で学修する内容について理解を深めること。
注意点:
                                       

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・内容の説明、図式解法による曲げモーメント図の作成-1 曲げモーメントの特性を用いて、図式的に曲げモーメントを描く解法について理解する。
2週 図式解法による曲げモーメント図の作成-2 曲げモーメントの特性を用いて、図式的に曲げモーメントを描く解法について理解する。
3週 静定トラス-1 トラス部材に生じる力とその力の表し方を理解する。
4週 静定トラス(節点法による算式解法)-1 接点法による算式解法を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
5週 静定トラス(節点法による算式解法)-2 接点法による算式解法を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
6週 静定トラス(切断法)-1 切断法(リッター法)を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
7週 静定トラス(切断法)-2 切断法(リッター法)を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
8週 静定トラス(切断法)-3 切断法(リッター法)を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
2ndQ
9週 前期中間試験 1週から8週までの内容を理解する。
10週 前期中間試験における、試験答案の返却及び解説 前期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
11週 静定トラス(節点法による図式解法)-1 接点法による図式解法を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
12週 静定トラス(節点法による図式解法)-2 接点法による図式解法を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
13週 静定トラス(節点法による図式解法)-3 接点法による図式解法を理解し、その解法を用いてトラス部材の軸力を求めることができる。
14週 静定トラス(三つの解法の解き比べ)-1 三つの解法について、それそれを解き比べることにより、各解法の利点を理解する。
15週 静定トラス(三つの解法の解き比べ)-2 三つの解法について、それそれを解き比べることにより、各解法の利点を理解する。
16週 前期末試験における、試験答案の返却及び解説 前期末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
後期
3rdQ
1週 梁の変形-1 梁に荷重が作用している場合における、梁のたわみとたわみ角について理解する。
2週 梁の変形(モールの定理)-1 モールの定理について理解する。
3週 梁の変形(モールの定理)-2 モールの定理について理解する。
4週 梁の変形(単純梁に対するモールの定理)-1 単純梁のたわみとたわみ角を、モールの定理を用いて求めることができる。
5週 梁の変形(単純梁に対するモールの定理)-2 単純梁のたわみとたわみ角を、モールの定理を用いて求めることができる。
6週 梁の変形(片持梁に対するモールの定理)-1 片持梁のたわみとたわみ角を、モールの定理を用いて求めることができる。
7週 梁の変形(片持梁に対するモールの定理)-2 片持梁のたわみとたわみ角を、モールの定理を用いて求めることができる。
8週 後期中間試験 1週から7週までの内容を理解する。
4thQ
9週 後期中間試験における、試験答案の返却及び解説 後期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
10週 梁の変形-支点のたわみとたわみ角、反曲点 支点のたわみとたわみ角について理解する。また、反曲点について理解する。
11週 梁のたわみ曲線の微分方程式(弾性曲線式)-式の導入 たわみ曲線の微分方程式の導入について理解する。
12週 梁のたわみ曲線の微分方程式(弾性曲線式)/単純梁-1 弾性曲線式を用いて、単純梁のたわみとたわみ角を求めることができる。
13週 梁のたわみ曲線の微分方程式(弾性曲線式)/単純梁-2 弾性曲線式を用いて、単純梁のたわみとたわみ角を求めることができる。
14週 梁のたわみ曲線の微分方程式(弾性曲線式)/片持梁-1 弾性曲線式を用いて、片持梁のたわみとたわみ角を求めることができる。
15週 梁のたわみ曲線の微分方程式(弾性曲線式)/片持梁-2 弾性曲線式を用いて、片持梁のたわみとたわみ角を求めることができる。
16週 学年末試験における、試験答案の返却及び解説 学年末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。3
力の定義、単位、成分について説明できる。3
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。3
力の合成と分解について理解し、計算できる。3
力のつり合いについて理解している。3
力の単位系について理解し、単位系の相互変換が計算できる。3
骨組構造物の種類やその安定・不安定について理解している。3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3前3,前9,前10,前16
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
単純ばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。3
片持ちばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。3前1,前2,前9,前10,前16
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
知識の基本的な理解401050
思考・推論・創造への適応力401050
汎用的技能000
態度・志向性(人間力)000
総合的な学習経験と創造的思考力000