建築環境工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建築環境工学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 田中俊六・武田仁他2名著,最新建築環境工学改訂4版(井上書院) 9784753017577
担当教員 小原 聡司

到達目標

1)単位や語句の定義がある程度説明できること。
2)関連する図表類を利用してある程度の予測や見積もり値を読み取れること。
3)簡易な手計算(関数電卓使用)である程度の予測や見積もり計算ができること。
4)その分野全体に関する重要事項をある程度説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)
評価項目1その数値にあった単位を正確に記述したり,組み合わせができること。語句は必要十分な説明ができること。 その数値にあった単位を正確に記述したり,組み合わせができること。語句は必要十分な説明ができること。 その数値にあった単位をある程度正確に記述したり,組み合わせができること。語句はある程度の説明ができること。助言があればその数値にあった単位に記述したり,組み合わせができること。語句は助言があれば説明ができること。
評価項目2関連する図表類を利用してある数値や見積もり値を正確に読み取れること。関連する図表類を利用してある数値や見積もり値をある程度正確に読み取れること。助言があれば関連する図表類を利用してある数値や見積もり値を読み取れること。
評価項目3簡易な手計算(関数電卓使用)で正確に予測や見積もり計算ができること。簡易な手計算(関数電卓使用)である程度正確に予測や見積もり計算ができること。助言があれば簡易な手計算(関数電卓使用)である程度正確に予測や見積もり計算ができること。
評価項目4 その分野全体に関する重要事項をほぼ完全に説明でき,文章の正誤問題や修正問題がほぼ正確に解答できること。その分野全体に関する重要事項をある程度文章で説明でき,文章型の正誤問題や修正問題がある程度正確に解答できること。助言があればその分野全体に関する重要事項を文章で説明でき,文章型の正誤問題や修正問題も解答できること。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建物周囲の自然環境を利用あるいは制御して,建物内部の人間が安全かつ快適な生活を送ることができるような技術に関する知識を得,設計において環境を考慮した計画ができるようになること。同時に,各種の図表を利用した演習を関数電卓を利用して解くことにより,建築環境の定量的評価が正確にできるようになること。
授業の進め方・方法:
講義内容の理解度や応用性を高めるため,ほぼ毎時間,作図や計算機を使った例題や演習を行うので,常に目盛り付き定規及び計算機(できればプレイバック機能付き電卓かポケコンが望ましい。)を持参すること。 準備学習としてシラバスに沿った教科書該当分野の予習をすること。さらに自己学習としてほぼ毎回の課題があるので,これを提出すること。これらは事後学習として評価する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.授業計画の説明
ガイダンス 風土と建築 気候と気象,気温と湿度の関係,雨雪湿度の関係等について説明できる。ヒートアイランドや空気汚染,都市環境の形成について説明できる。





 
2週 2.採光照明 2-1 照明 照明の目的と種類,方法を理解する。赤外線,紫外線を学ぶ。 語句の説明ができる。
3週 2-2 光と視覚,表色・色彩 光の定義と可視範囲を理解する。測光量単位。色の表し方を知る。 視覚と光の関係を説明できる。測光量について理解している。
4週 2-4 照度計算 直接照度,間接照度の計算式を理解し,点・線・面光源による直接照度を計算する。 直接照度計算ができる。
間接照度を説明できる。
点光源の直接照度計算ができる。
5週 同上

線光源の直接照度計算ができる。
6週 2-5 採光窓の特性と関連法規 立体角投射の法則や錘面積分の法則を理解し,垂直窓と天窓の採光特性の違いを理解する。明視,各種グレアを学ぶ。 面光源の照度の計算ができる。
7週 2-6 採光窓の必要面積 その1 法規で定められた必要窓面積を算出する。
グレアの現象について説明できる。
8週 2-7 採光窓の必要面積 その2 必要窓面積を算出し,採光計画を考える。 採光に必要な最低開口面積を求められる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の返却と解説,訂正作業,ポートフォリオの記入 前期中間試験の誤りを修正できる。
明視、グレアの現象について説明できる。表色系について説明できる。
11週 2-8 照明計算 光束法を用いた人工照明器具の配置計画を行う。 人工照明について説明できる 照明計画(および照度計算)ができる。
12週 3.日照・日射  3-1 太陽と日照・日射 気候と気象における日照と日射の影響(風),可視光紫外線との違いを理解する。また天球上における太陽の位置の概念を理解する。 日照と日射,紫外線,および可視光線について説明できる
13週 3-2 時刻系 地点と太陽位置を表すのに不可欠な時刻系の概念について理解し,特定の時刻を真太陽時・平均太陽時・中央標準時で表す。 建設地と太陽位置について説明できる。
14週 3-3 任意の日時における太陽位置の計算 太陽位置図を利用した位置の特定

建設地と太陽位置について説明できる。
15週 前期末試験 表色系について説明できる。
色彩計画ができる。
16週 前期末試験の返却と解説,訂正作業,ポートフォリオの記入 前期末試験の誤りを訂正できる。
後期
3rdQ
1週 3-4 日照と日影 日影曲線・日影図・日影時間図を作図して太陽の動きを把握する。  時間別の日影図を描くとこができる。
2週 3-5 日差し曲線 日差し曲線を利用した日照時間の求め方を理解する。ブロック状の簡易な形状物体の陰影を描ける。
3週 3-6 日射熱量計算 任意の日・任意の方位・任意の傾斜面の日射量計算を計算する 建設地と太陽位置について説明できる。
4週 同上 建設地の各方位の日射量を計算できる。
5週 3-7 日射量と日照調整 季節・方位毎の日射特性を理解し,それを利用制御するパッシブデザイン方法を学ぶ。ヒートアイランド,緑化手法を理解する。 日照および日射の調整方法について説明できる。
6週 4.換気と通風 4-1 空気の質と換気 居室空気の汚染,室内空気基準について理解する。 空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。
7週 4-2 換気方法と空気の汚染 空気質を悪化させる原因を理解する。 自然換気と機械換気について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 前期中間試験の返却と解説,訂正作業,ポートフォリオの記入 後期中間試験の誤りを訂正できる。
10週 4-3 必要換気量の計算 人間の生存・燃焼器具の正常作動・人の快適性を考慮した必要換気量の計算を行う。 人間の生存のための必要換気量について計算できる。
11週 同上
燃焼器具の正常作動のため,及び人の快適性のための必要換気量について計算できる。
12週 4-4 自然換気量の計算 圧力の単位について理解し,風力換気と重力換気量を計算する。 自然換気の原理を説明できる。
風力換気と重力換気の換気量を計算できる。
13週 4-5 圧力損失 機械換気時の摩擦抵抗と形状抵抗について理解し,圧力損失を計算する。 圧力損失について説明できる。
摩擦抵抗を計算できる。
14週 同上
形状抵抗を計算できる。
15週 学年末試験
16週 学年末試験の返却と解説 学年末試験の誤りを訂正できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野環境・設備風土と建築について説明できる。4前1
気候、気象について説明できる。4前1
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4前1
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4前1
ヒートアイランドの現象について説明できる。4前1
大気汚染の歴史と現象について説明できる。4前1
都市環境における緑の役割について説明できる。4前1
建設地と太陽位置について説明できる。4前9,前13,後3,後4
日照および日射の調節方法について説明できる。4前12
日照時間および日照時間図について説明できる。4
日照と日射の使い分けについて説明できる。4
紫外線、赤外線、可視光線の効果の違いを説明できる。4
視覚と光の関係について説明できる。4前3
明視、グレアの現象について説明できる。4前11
採光および採光計画について説明できる。4前3
人工照明について説明できる。4前9
照明計画および照度の計算ができる。4前4,前5,前6,前7
表色系について説明できる。4前11,前15
色彩計画の概念を知っている。4前15
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。4後6
必要換気量について計算できる。4後10,後11
自然換気と機械換気について説明ができる。4後12,後13,後14

評価割合

定期試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(レポート)合計
総合評価割合67000033100
知識の基本的な理解1000001121
思考・推論・創造への適応力2000001131
汎用的技能3700001148