構造演習

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 構造演習
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし(資料を適宜配布する。)
担当教員 加藤 巨邦,浅野 浩平

到達目標

後期分について以下に示す。
1)構造架構における、力のつりあい・反力・部材に生じる力・断面の性質・部材の応力度について理解し、架構の力学特性を説明することができる。
2)建築物に用いられている代表的な構造方法である、木造、鉄筋コンクリート造、鋼構造について、材料及び構造を理解し、各々の構造特性を説明することができる。
3)建築基準法で規定されている耐震設計法(構造計算に用いる荷重・外力の設定、構造計画)を理解し、設計時に配慮することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目標(可)
評価項目1多種多様な構造架構に対して、適切な解法で応力度等を算出し、適切な表現で力学特性を説明することができる。基本的な構造架構に対しては、適切な解法で応力度等を算出し、力学特性を説明することができる。一部の構造架構に対して、反力等の算出だけは行うことができる。
評価項目2上記3種類の構造方法に対して、色々な構造材料の種類や性質及び構造特性を、適切な表現で説明することができる。基本的な構造材料の種類と構造特性については、適切な表現で説明することができる。一部の構造方法に対しては、構造特性を説明することができる。
評価項目3現行法の耐震設計法を理解し、様々な架構に対する設計時においては、適切に配慮して用いることができる。耐震設計法は理解し、基本的な架構に対しては、設計時において、適切に配慮することができる。耐震設計法の概要は説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
本科過程で履修した構造関係(建築構造材料、材料力学、構造力学、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造、壁構造、地盤・基礎、荷重・外力、構造計画等)の学修内容を、演習を通して総復習し、それぞれを融合させながら各々の理解を深めることを目的とする。(前期分は別紙参照のこと。)
授業の進め方・方法:
1)配布資料や課題レポート等を通じて理解を深めること。
2)当該授業時間で進行する部分に関連する教科書等を持参すること。
3)事前学習により、当該授業時間で進行する部分の構造内容について、自主的に予習(過去の復習)しておくこと。
4)自己学習として、1年次から4年次までに使用した教科書、及び、5年次で使用している教科書に掲載されている例題、及び、当時のレポート課題等を再度解いて、内容を整理しておくこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・内容の説明、RC構造の復習1 RC部材の曲げ性状について、許容応力度設計の復習
2週 RC構造の復習1 RC部材の曲げ性状について、許容応力度設計の復習
3週 RC構造の復習2 RC部材のせん断補強筋算定についての復習
4週 耐震壁の許容応力度設計1 耐震壁の基本的な事項について学習する
5週 耐震壁の許容応力度設計2 耐震壁の許容応力度設計(配筋等)について学習し、理解を深める
6週 演習(耐震壁) 耐震壁についての例題を演習することによって、理解を深める
7週 スラブの許容応力度設計 スラブに関する基本的事項および許容応力度設計(配筋等)を学習し、理解を深める
8週 基礎の許容応力度設計 基礎(特に独立基礎、杭基礎)に関する基本的事項および許容応力度設計(配筋等)を学習し、理解を深める
2ndQ
9週 演習(スラブ・基礎) スラブ、基礎についての例題を演習することによって、理解を深める
10週 前期中間試験の答案返却・解説 前期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
11週 RC部材の終局強度設計1 せん断力の伝達と鉄筋の付着力について学習し、理解を深める(トラス機構・アーチ機構)
12週 RC部材の終局強度設計2 付着応力度とRC部材のせん断力との関係性について学習し、理解を深める
13週 RC部材の力と変形 RC部材の復元力特性について学習し、理解を深める
14週 演習(終局強度設計) せん断終局強度設計についての例題を演習することによって、理解を深める
15週 演習(力と変形) RC部材の力と変形についての例題を演習することによって、理解を深める
16週 前期末試験の答案返却・解説 前期末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
後期
3rdQ
1週 授業計画・内容の説明、構造力学及び材料力学-1 力のつりあい、反力、部材に生じる力の算出方法について復習し、理解を深める。
2週 構造力学及び材料力学-2 力のつりあい、反力、部材に生じる力の算出方法について復習し、理解を深める。
3週 構造力学及び材料力学-3 断面1次モーメント・断面2次モーメント・断面係数・断面2次半径・剛度と剛比等の断面の性質、及び、部材の応力度の算出方法について復習し、理解を深める。
4週 構造力学及び材料力学-4 断面1次モーメント・断面2次モーメント・断面係数・断面2次半径・剛度と剛比等の断面の性質、及び、部材の応力度の算出方法について復習し、理解を深める。
5週 鉄筋コンクリート造-1 鉄筋コンクリート造に関する各種材料(鉄筋、コンクリート)について復習し、理解を深める。
6週 鉄筋コンクリート造-2 鉄筋コンクリート造に関する各種構造(梁、柱、床板、耐震壁、主筋・せん断補強筋に関する配筋及び配筋比、定着方法)について復習し、理解を深める。
7週 壁構造 壁式鉄筋コンクリート造、補強コンクリートブロック造について復習し、理解を深める。
8週 鉄骨造-1 鉄骨造に関する材料の性質や特徴について復習し、理解を深める。
4thQ
9週 鉄骨造-2 鉄骨造に関する材料の性質や特徴について復習し、理解を深める。
10週 鉄骨造-3 鉄骨造に関する材料の性質や特徴について復習し、理解を深める。
11週 木造-1 木造に関する各種材料(木材、木質系材料)について復習し、理解を深める。
12週 木造-2 木造に関する各種構造(耐力壁、各部構造、接合部)について復習し、理解を深める。
13週 木造-3 木造に関する各種構造(耐力壁、各部構造、接合部)について復習し、理解を深める。
14週 荷重・外力、構造計画 固定荷重と積載荷重の算定方法及び荷重の組合せに関する設定方法、地震力及び風圧力の算出方法、構造計画(耐震要素の配置計画、剛性分布のバランスの確認)について復習し、理解を深める。
15週 地盤・基礎、各種構造、構造一般 液状化、地盤調査、基礎、基礎構造について復習し、理解を深める。
免震構造、制振構造、耐震診断、耐震補強、その他の構造技術について復習し、理解を深める。
16週 学年末試験における、試験答案の返却及び解説 学年末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の特徴・分類を説明できる。3後5,後8,後11,後16
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。3後5,後8,後11,後16
木材の種類について説明できる。3後11,後16
種類と用途について説明できる。3後11,後16
構造と組織について理解している。3後11,後16
木材の成長と伐採・製材について説明できる。3後11,後16
物理的性質について説明できる。3後11,後16
傷(節など)について説明できる。3後11,後16
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。3後11,後16
耐火性について説明できる。3後11,後16
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。3後11,後16
セメント・コンクリートの歴史について理解している。3後5,後16
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。3後5,後16
セメントの化学成分や組成について理解している。3後5,後16
セメントの物理的性質について理解している。3後5,後16
セメントの種類・特徴について説明できる。3後5,後16
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。3後5,後16
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。3後5,後16
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。3後5,後16
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。3後5,後16
応力とひずみの関係について説明できる。3後5,後16
弾性係数の意味について説明できる。3後5,後16
クリープ現象と構造物に対する影響について理解している。3後5,後16
乾燥収縮について理解している。3後5,後16
自己収縮について理解している。3後5,後16
中性化現象と鉄筋の腐食の関係について説明できる。3後5,後16
凍害現象と抑制方法について説明できる。3後5,後16
塩害現象と抑制方法について説明できる。3後5,後16
アルカリ骨材反応現象と抑制方法について説明できる。3後5,後16
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。3後5,後16
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。3後5,後16
鋼材の組織・組成について理解している。3後8,後16
鋼材の性質について説明できる。3後8,後16
鋼材の腐食と抑制方法について説明できる。3後8,後16
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。3後8,後16
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。3後8,後16
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。3後8,後16
構造力の合成と分解について理解し、計算できる。3後1,後2,後16
力のつり合いについて理解している。3後1,後2,後16
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3後3,後4,後16
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3後3,後4,後16
骨組構造物の種類やその安定・不安定について理解している。3後1,後2,後16
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3後1,後2,後16
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3後1,後2,後16
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3後1,後2,後16
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3後1,後2,後16
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3後1,後2,後16
単純ばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。3後1,後2,後16
片持ちばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。3後1,後2,後16
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3後1,後16
ラーメンやその種類について説明できる。3後1,後2,後16
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3後1,後2,後16
木構造の特徴・構造形式について説明できる。3後11,後12,後13,後16
木材の種類・性質について説明することが出来る。3後11,後12,後13,後16
木材の接合について説明できる。3後11,後12,後13,後16
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3後11,後12,後13,後16
外部および内部の仕上げについて説明できる。3後11,後12,後13,後16
木造枠組み壁構法について説明できる。3後11,後12,後13,後16
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。3後8,後9,後10,後16
S造の特徴・構造形式について説明できる。3後8,後9,後10,後16
鋼と鋼材の性質について説明できる。3後8,後9,後10,後16
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。3後8,後9,後10,後16
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3後8,後9,後10,後16
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。3後5,後6,後16
鉄筋材料の種類・性質について説明できる。3後5,後6,後16
コンクリート材料の種類・性質について説明できる。3後5,後6,後16
構造計算の設計ルートについて説明できる。3後5,後6,後14,後16
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。3後5,後6,後14,後16
コンクリートおよび鉄筋について説明できる。3後5,後6,後16
断面内の応力の分布について説明できる。3後5,後6,後16
許容曲げモーメントを計算できる。3後5,後6,後16
釣合い鉄筋比について説明ができる。3後5,後6,後16
許容せん断力を計算できる。3後5,後6,後7,後16
せん断補強筋の算定ができる。3後5,後6,後7,後16
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。3後14,後15,後16
地震による構造物の被害と対策について説明できる。3後14,後15,後16

評価割合

定期試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(レポート)合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力4000002060
専門的能力2000002040
分野横断的能力0000000