建築生産学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 建築生産学
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 鯉田和夫著 「最新建築施工」(技報堂出版)/日本建築学会,「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリ-ト工事」.建築大辞典.その他市販の建築士学科試験問題集
担当教員 原田 志津男

到達目標

1)建築請負契約を締結する際の手続きと締結後の施工者の権利と義務を理解し,説明できること.
2)種々の施工管理項目の意義を理解し,代表的な管理手法を説明できること.
3)各工事の関連性を理解するとともに,各種工事における代表的な工法の種類および特徴を説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1健全な建築請負契約のあり方を論じることができる.請負契約締結後の施工者の権利と義務を解説できる.請負契約の意義と必要性が説明でる.
評価項目2施工管理業務を遂行する上での技術者に求められる資質を論じることができる.管理内容に則した現場組織のあり方について説明できる.施工管理業務における主たる管理項目を説明できる.
評価項目3各工事における代表的な工法のみならず,特殊な工法の知識も具備し,施工条件に適した工法を提示できる.各工事における代表的な工法およびその特徴を説明できる.各工事に用いられる材料の種類特徴を説明できる.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
建築技術者として修得しなければならない生産管理技術の基本事項を理解すること.建設業法等の各種法令規則を学び,建築技術者としての法令遵守精神を涵養すること.また,建物の請負契約締結後の「工事の準備~仕上工事」までの各種工事における代表的な工法を学習し,建築施工技術に関する基礎的知識を修得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
・基本的にはテキストを中心に授業を進めるが,適宜,プロジェクター,ビデオ等を用いた授業も行う.授業中,比較的多くの板書説明を行うので,ノートはしっかりとるように心がけること.また,授業でプロジェクターを使用するときは,大量の資料を配布するので試験前に見直しができるように整理しておくこと.
・後期中間試験は実施しない.
注意点:
・本校では,建築生産学を未修得で卒業した場合,建築生産科目の単位不足のため,高専卒業後,4年間の実務経験を経ても,一級建築士試験の受験資格が認めれません.
・単位未修得により専攻科に進学した場合,建築材料・施工・構法分野の単位不足のため,学士取得はできません.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・授業内容の説明 授業計画・達成目標・成績の評価方法を理解する.
2週 建設業法 建設業法の目的と内容を説明できる.
3週 請負制度・発注・入札 ・請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる.
・発注形式及び入札方法について説明できる.
4週 請負契約 ・工事契約書の記載事項,建築生産における発注者および請負者の権利と義務について説明できる.
・瑕疵・保証について説明ができる.
5週 施工管理 5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる.
6週 各種届出および災害防止関連法規 ・各種書類の行政への届出先と期限について説明できる
7週 工程管理 ・ネットワーク工程表の計算ができる.
・バーチャート工程表について説明できる.
8週 第7週までの内容の復習(前期中間試験) 試験により第7週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
2ndQ
9週 中間試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う.
10週 施工計画 ・工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる.
・現場組織の編成について説明できる
・設計図書と施工図の関係について説明できる.
11週 地盤調査 着工前に行う地盤調査および土質試験方法等について説明できる.
12週 仮設工事 仮設,仮設建物,足場および災害防止法について説明できる.
13週 土工事(その1) 山留の設置基準,水の処理方法について説明できる.
14週 土工事(その2) ・山留壁・山留工法の種類について説明できる.
・山留壁の崩壊現象とその対策について説明できる.
15週 第10週~第14週までの内容の復習(前期末試験) 試験により第10週~第14週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
16週 前期末試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う.
後期
3rdQ
1週 地業・基礎工事(その1) 地業全般および直接基礎工事について説明できる.
2週 地業・基礎工事(その2) 既製杭の種類および工法について説明できる.
3週 地業・基礎工事(その3) 場所打ちコンクリート杭の工法および地盤改良法について説明できる.
4週 鉄筋工事(その1) ・鉄筋の加工について説明できる.
・継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる.
・定着の仕様とメカニズムについて説明できる.
5週 鉄筋工事(その2) ・鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる.
・かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる.
6週 型枠工事(その1) ・型枠の材料、種類をあげることができる.
・型枠の組立て手順について説明できる.
7週 型枠工事(その2) ・せき板の存置期間について説明できる.
・支保工の存置期間について説明できる.
8週 コンクリート工事(その1) ・使用材料の試験・管理値について説明できる.
・生コンの発注について説明できる.
4thQ
9週 コンクリート工事(その2) ・運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる.
・養生の必要性について説明できる.
10週 鉄骨工事(その1) 工場製作,現場組立て(建方)方法、工法について説明できる.
11週 鉄骨工事(その2) ・各種接合法について説明できる.
・柱脚と基礎の接合法,耐火被覆について説明できる.
12週 木工事 木工事に主な留意点について説明できる.
13週 その他の工事 防水工事及びタイル工事等における各種工法について説明できる.
14週 保守・維持管理 建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる.
15週 後期の授業内容の復習(学年末試験) 試験により後期の授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
16週 学年末試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造木構造の特徴・構造形式について説明できる。3後12
木材の種類・性質について説明することが出来る。3後12
木材の接合について説明できる。3後12
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3後12
木造枠組み壁構法について説明できる。3後12
施工・法規建設業法、建築基準法、労働基準法、労働安全衛生規則、建築士法等について説明できる。3前2
請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。3前3,前4
現場組織の編成について説明できる。3前5
設計図書と施工図の関係について説明できる。3前5
仮設計画図の役割を理解している。3前10,前12
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。3前6
品質管理(施工計画書)について説明できる。3前5
原価管理(調達)について理解している。3前5
工程管理について理解している。3前7
ネットワーク工程表の計算ができる。3前7
バーチャート工程表について説明できる。3前7
安全管理(災害防止)について理解している。3前6
環境管理について理解している。3前5
地盤調査について理解している。3前11
敷地調査について理解している。3前11
ボーリング調査について説明できる。3前11
掘削・根切りについて理解している。3前13
山留め壁・支保工について理解している。3前14
基礎の種類(直接・各種杭(既成コンクリート杭・鋼杭・場所打ちコンクリート杭)など)および特徴について説明できる。3後1,後2,後3
鉄筋材料種類・性質について説明できる。3後4
鉄筋の加工について説明できる。3後4
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。3後4
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。3後4
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。3後5
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。3後5
品質管理・検査について説明できる。3後5
型枠の材料、種類をあげることができる。3後6
型枠の組立て手順について説明できる。3後6
せき板の存置期間について説明できる。3後7
支保工の存置期間について説明できる。3後7
コンクリートの材料について説明できる。3後8
使用材料の試験・管理値について説明できる。3後8
生コンの発注について説明できる。3後8
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。3後9
養生の必要性について説明できる。3後9
構造用鋼材の種類・性質について説明できる。3後10
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。3後10
工場製作(工程プロセス、工作図、塗装、製品検査)について理解している。3後12
防水工事の各種工法(たとえばアスファルト防水、改質アスファルト防水、シート防水、塗膜防水など)について理解していること。3
タイル工事において、材料の種類、性質、および施工方法について理解している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力100000515
専門的能力7000001585
分野横断的能力0000000