到達目標
1)建築請負契約を締結する際の手続きと締結後の施工者の権利と義務を理解し,説明できること.
2)種々の施工管理項目の意義を理解し,代表的な管理手法を説明できること.
3)各工事の関連性を理解するとともに,各種工事における代表的な工法の種類および特徴を説明できること.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 健全な建築請負契約のあり方を論じることができる. | 請負契約締結後の施工者の権利と義務を解説できる. | 請負契約の意義と必要性が説明でる. |
評価項目2 | 施工管理業務を遂行する上での技術者に求められる資質を論じることができる. | 管理内容に則した現場組織のあり方について説明できる. | 施工管理業務における主たる管理項目を説明できる. |
評価項目3 | 各工事における代表的な工法のみならず,特殊な工法の知識も具備し,施工条件に適した工法を提示できる. | 各工事における代表的な工法およびその特徴を説明できる. | 各工事に用いられる材料の種類特徴を説明できる. |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (b)
説明
閉じる
JABEE (c)
説明
閉じる
JABEE (d)
説明
閉じる
JABEE B2
説明
閉じる
教育方法等
概要:
建築技術者として修得しなければならない生産管理技術の基本事項を理解すること.建設業法等の各種法令規則を学び,建築技術者としての法令遵守精神を涵養すること.また,建物の請負契約締結後の「工事の準備~仕上工事」までの各種工事における代表的な工法を学習し,建築施工技術に関する基礎的知識を修得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
・基本的にはテキストを中心に授業を進めるが,適宜,プロジェクター,ビデオ等を用いた授業も行う.授業中,比較的多くの板書説明を行うので,ノートはしっかりとるように心がけること.また,授業でプロジェクターを使用するときは,大量の資料を配布するので試験前に見直しができるように整理しておくこと.
・後期中間試験は実施しない.
注意点:
・本校では,建築生産学を未修得で卒業した場合,建築生産科目の単位不足のため,高専卒業後,4年間の実務経験を経ても,一級建築士試験の受験資格が認めれません.
・単位未修得により専攻科に進学した場合,建築材料・施工・構法分野の単位不足のため,学士取得はできません.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画・授業内容の説明 |
授業計画・達成目標・成績の評価方法を理解する.
|
2週 |
建設業法 |
建設業法の目的と内容を説明できる.
|
3週 |
請負制度・発注・入札 |
・請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる. ・発注形式及び入札方法について説明できる.
|
4週 |
請負契約 |
・工事契約書の記載事項,建築生産における発注者および請負者の権利と義務について説明できる. ・瑕疵・保証について説明ができる.
|
5週 |
施工管理 |
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる.
|
6週 |
各種届出および災害防止関連法規 |
・各種書類の行政への届出先と期限について説明できる
|
7週 |
工程管理 |
・ネットワーク工程表の計算ができる. ・バーチャート工程表について説明できる.
|
8週 |
第7週までの内容の復習(前期中間試験) |
試験により第7週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
|
2ndQ |
9週 |
中間試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う. |
|
10週 |
施工計画 |
・工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる. ・現場組織の編成について説明できる ・設計図書と施工図の関係について説明できる.
|
11週 |
地盤調査 |
着工前に行う地盤調査および土質試験方法等について説明できる.
|
12週 |
仮設工事 |
仮設,仮設建物,足場および災害防止法について説明できる.
|
13週 |
土工事(その1) |
山留の設置基準,水の処理方法について説明できる.
|
14週 |
土工事(その2) |
・山留壁・山留工法の種類について説明できる. ・山留壁の崩壊現象とその対策について説明できる.
|
15週 |
第10週~第14週までの内容の復習(前期末試験) |
試験により第10週~第14週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
|
16週 |
前期末試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う. |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
地業・基礎工事(その1) |
地業全般および直接基礎工事について説明できる.
|
2週 |
地業・基礎工事(その2) |
既製杭の種類および工法について説明できる.
|
3週 |
地業・基礎工事(その3) |
場所打ちコンクリート杭の工法および地盤改良法について説明できる.
|
4週 |
鉄筋工事(その1) |
・鉄筋の加工について説明できる. ・継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる. ・定着の仕様とメカニズムについて説明できる.
|
5週 |
鉄筋工事(その2) |
・鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる. ・かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる.
|
6週 |
型枠工事(その1) |
・型枠の材料、種類をあげることができる. ・型枠の組立て手順について説明できる.
|
7週 |
型枠工事(その2) |
・せき板の存置期間について説明できる. ・支保工の存置期間について説明できる.
|
8週 |
コンクリート工事(その1) |
・使用材料の試験・管理値について説明できる. ・生コンの発注について説明できる.
|
4thQ |
9週 |
コンクリート工事(その2) |
・運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる. ・養生の必要性について説明できる.
|
10週 |
鉄骨工事(その1) |
工場製作,現場組立て(建方)方法、工法について説明できる.
|
11週 |
鉄骨工事(その2) |
・各種接合法について説明できる. ・柱脚と基礎の接合法,耐火被覆について説明できる.
|
12週 |
木工事 |
木工事に主な留意点について説明できる.
|
13週 |
その他の工事 |
防水工事及びタイル工事等における各種工法について説明できる.
|
14週 |
保守・維持管理 |
建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる.
|
15週 |
後期の授業内容の復習(学年末試験) |
試験により後期の授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
|
16週 |
学年末試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う. |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 木構造の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | 後12 |
木材の種類・性質について説明することが出来る。 | 3 | 後12 |
木材の接合について説明できる。 | 3 | 後12 |
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。 | 3 | 後12 |
木造枠組み壁構法について説明できる。 | 3 | 後12 |
施工・法規 | 建設業法、建築基準法、労働基準法、労働安全衛生規則、建築士法等について説明できる。 | 3 | 前2 |
請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。 | 3 | 前3,前4 |
現場組織の編成について説明できる。 | 3 | 前5 |
設計図書と施工図の関係について説明できる。 | 3 | 前5 |
仮設計画図の役割を理解している。 | 3 | 前10,前12 |
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。 | 3 | 前6 |
品質管理(施工計画書)について説明できる。 | 3 | 前5 |
原価管理(調達)について理解している。 | 3 | 前5 |
工程管理について理解している。 | 3 | 前7 |
ネットワーク工程表の計算ができる。 | 3 | 前7 |
バーチャート工程表について説明できる。 | 3 | 前7 |
安全管理(災害防止)について理解している。 | 3 | 前6 |
環境管理について理解している。 | 3 | 前5 |
地盤調査について理解している。 | 3 | 前11 |
敷地調査について理解している。 | 3 | 前11 |
ボーリング調査について説明できる。 | 3 | 前11 |
掘削・根切りについて理解している。 | 3 | 前13 |
山留め壁・支保工について理解している。 | 3 | 前14 |
基礎の種類(直接・各種杭(既成コンクリート杭・鋼杭・場所打ちコンクリート杭)など)および特徴について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
鉄筋材料種類・性質について説明できる。 | 3 | 後4 |
鉄筋の加工について説明できる。 | 3 | 後4 |
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。 | 3 | 後4 |
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。 | 3 | 後4 |
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。 | 3 | 後5 |
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。 | 3 | 後5 |
品質管理・検査について説明できる。 | 3 | 後5 |
型枠の材料、種類をあげることができる。 | 3 | 後6 |
型枠の組立て手順について説明できる。 | 3 | 後6 |
せき板の存置期間について説明できる。 | 3 | 後7 |
支保工の存置期間について説明できる。 | 3 | 後7 |
コンクリートの材料について説明できる。 | 3 | 後8 |
使用材料の試験・管理値について説明できる。 | 3 | 後8 |
生コンの発注について説明できる。 | 3 | 後8 |
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。 | 3 | 後9 |
養生の必要性について説明できる。 | 3 | 後9 |
構造用鋼材の種類・性質について説明できる。 | 3 | 後10 |
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。 | 3 | 後10 |
工場製作(工程プロセス、工作図、塗装、製品検査)について理解している。 | 3 | 後12 |
防水工事の各種工法(たとえばアスファルト防水、改質アスファルト防水、シート防水、塗膜防水など)について理解していること。 | 3 | |
タイル工事において、材料の種類、性質、および施工方法について理解している。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 15 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 85 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |