構造演習

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 構造演習
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし(資料を適宜配布する。)
担当教員 浅野 浩平

到達目標

1)構造架構における、力のつりあい・反力・部材に生じる力・断面の性質・部材の応力度について理解し、架構の力学特性を説明することができる。
2)建築物に用いられている代表的な構造方法である鉄筋コンクリート造について、材料及び構造を理解し、各々の構造特性を説明することができる。
3)建築基準法で規定されている耐震設計法を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目標(可)
評価項目1多種多様な構造架構に対して、適切な解法で応力度等を算出し、適切な表現で力学特性を説明することができる。基本的な構造架構に対しては、適切な解法で応力度等を算出し、力学特性を説明することができる。一部の構造架構に対して、反力等の算出だけは行うことができる。
評価項目2上記3種類の構造方法に対して、色々な構造材料の種類や性質及び構造特性を、適切な表現で説明することができる。基本的な構造材料の種類と構造特性については、適切な表現で説明することができる。一部の構造方法に対しては、構造特性を説明することができる。
評価項目3現行法の耐震設計法を理解し、様々な架構に対する設計時においては、適切に配慮して用いることができる。耐震設計法は理解し、基本的な架構に対しては、設計時において、適切に配慮することができる。耐震設計法の概要は説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科過程で履修した構造関係の学修内容を、演習を通して総復習し、それぞれを融合させながら各々の理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
1)レポート等を通じて理解を深めること。
2)事前学習により、当該授業時間で進行する部分の構造内容について、自主的に予習(過去の復習)しておくこと。
3)自己学習として、1年次から4年次までに使用した教科書、及び、5年次で使用している教科書に掲載されている例題、及び、当時のレポート課題等を再度解いて、内容を整理しておくこと。
4) 前期については4年次のRC構造学で扱わなかった範囲について学修し、後期については演習を通して総復習を行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・内容の説明、RC構造の復習1 RC部材の曲げ性状について、許容応力度設計の復習
2週 RC構造の復習1 RC部材の曲げ性状について、許容応力度設計の復習
3週 RC構造の復習2 RC部材のせん断補強筋算定についての復習
4週 耐震壁の許容応力度設計1 耐震壁の基本的な事項について学習する
5週 耐震壁の許容応力度設計2 耐震壁の許容応力度設計(配筋等)について学習し、理解を深める
6週 演習(耐震壁) 耐震壁についての例題を演習することによって、理解を深める
7週 スラブの許容応力度設計 スラブに関する基本的事項および許容応力度設計(配筋等)を学習し、理解を深める
8週 基礎の許容応力度設計 基礎(特に独立基礎、杭基礎)に関する基本的事項および許容応力度設計(配筋等)を学習し、理解を深める
2ndQ
9週 演習(スラブ・基礎) スラブ、基礎についての例題を演習することによって、理解を深める
10週 前期中間試験の答案返却・解説 前期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
11週 RC部材の終局強度設計1 せん断力の伝達と鉄筋の付着力について学習し、理解を深める(トラス機構・アーチ機構)
12週 RC部材の終局強度設計2 付着応力度とRC部材のせん断力との関係性について学習し、理解を深める
13週 RC部材の力と変形 RC部材の復元力特性について学習し、理解を深める
14週 演習(終局強度設計) せん断終局強度設計についての例題を演習することによって、理解を深める
15週 演習(力と変形) RC部材の力と変形についての例題を演習することによって、理解を深める
16週 前期末試験の答案返却・解説 前期末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
後期
3rdQ
1週 授業計画・内容の説明、構造力学及び材料力学-1 力のつりあい、反力、部材に生じる力の算出方法について復習し、理解を深める。
2週 構造力学及び材料力学-2 力のつりあい、反力、部材に生じる力の算出方法について復習し、理解を深める。
3週 構造力学及び材料力学-3 断面1次モーメント・断面2次モーメント・断面係数・断面2次半径・剛度と剛比等の断面の性質、及び、部材の応力度の算出方法について復習し、理解を深める。
4週 構造力学及び材料力学-4 断面1次モーメント・断面2次モーメント・断面係数・断面2次半径・剛度と剛比等の断面の性質、及び、部材の応力度の算出方法について復習し、理解を深める。
5週 鉄筋コンクリート造-1 鉄筋コンクリート造に関する各種材料(鉄筋、コンクリート)について復習し、理解を深める。
6週 鉄筋コンクリート造-2 鉄筋コンクリート造に関する各種構造(梁、柱)について復習し、理解を深める。
7週 鉄筋コンクリート造-3 鉄筋コンクリート造に関する各種構造(床板、耐震壁、主筋・せん断補強筋に関する配筋及び配筋比、定着方法)について復習し、理解を深める。
8週 鉄骨構造-1 鉄骨構造に関する材料およびその性質、構造形式について復習し、理解を深める。
4thQ
9週 鉄骨構造-2 鉄骨構造に関する部材の設計、接合法について復習し、理解を深める。
10週 鉄骨鉄筋コンクリート構造-1 鉄骨鉄筋コンクリート構造の特徴や、許容応力度に基づく設計について学修する。
11週 鉄骨鉄筋コンクリート構造-2 鉄骨鉄筋コンクリート構造の構造各部の算定について学修する。
12週 地盤と基礎構造-1 地質の区分、土粒子の分類、地盤調査法について基礎的事項を学修する。
13週 地盤と基礎構造-2 地盤の許容応力度について基礎的事項を学修する。
14週 コンクリートブロック造-1 型枠コンクリートブロック造、補強コンクリートブロック造について基礎的事項について学修する。
15週 コンクリートブロック造-2 コンクリートブロック塀、組積造について基礎的事項を学修する。
16週 学年末試験における、試験答案の返却及び解説 学年末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。4
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。4後5,後8,後11,後16
木材の種類について説明できる。4後11,後16
傷(節など)について説明できる。4後11,後16
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。4後11,後16
耐火性について説明できる。4後11,後16
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。4後11,後16
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。4後5,後16
セメントの種類・特徴について説明できる。4後5,後16
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。4後5,後16
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。4後5,後16
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。4
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4後5,後16
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4後5,後16
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。4後5,後16
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。4後5,後16
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。4
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4後8,後16
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4後8,後16
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。4後8,後16
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。4
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。4
構造断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4後3,後4,後16
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4後3,後4,後16
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。4
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。4後1,後2,後16
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4後1,後2,後16
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4後1,後2,後16
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4後1,後2,後16
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4後1,後2,後16
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。4
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。4
ラーメンやその種類について説明できる。4後1,後2,後16
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。4後1,後2,後16
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。4後8,後9,後10,後16
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。4後5,後6,後16
構造計算の設計ルートについて説明できる。4後5,後6,後14,後16
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。4後5,後6,後14,後16
断面内の応力の分布について説明できる。4後5,後6,後16
許容曲げモーメントを計算できる。4後5,後6,後16
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4後5,後6,後16
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4後5,後6,後7,後16
せん断補強筋の算定ができる。4後5,後6,後7,後16
終局曲げモーメントについて説明できる。4
終局剪断力について説明できる。4
断面内の応力の分布について説明できる。4
許容曲げモーメントを計算できる。4
MNインターラクションカーブについて説明できる。4
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4
せん断補強筋の算定ができる。4
終局曲げモーメントについて説明できる。4
終局剪断力について説明できる。4
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。4
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。4
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。4後14,後15,後16

評価割合

定期試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(レポート)合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力5000002070
専門的能力2000001030
分野横断的能力0000000