概要:
本科目は,建築技術者として修得しなければならない生産管理技術.建設業法等の各種法令規則及び建物の請負契約締結後の「工事の準備~仕上工事」までの各種工事における代表的な工法等について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
・基本的にはテキストを中心に授業を進めるが,プロジェクター等を使用した授業を行う.授業中,メモをしっかりとるように心がけること.また,授業では,建築施工に関する演習問題(国家試験の過去問)を送信するので、授業前に予習として解いて、更に授業後に復習すること。更に試験前に見直しができるように整理しておくこと.
・関連科目としては,3年次開講の建築材料,4年次開講のRC構造学,鋼構造学および5年次開講の木質構造がある。事前学習として,鉄筋コンクリート工事,鉄骨工事および木工事の授業前には,各工事に関連する上記科目の内容を十分に復習しておくこと。
・本科目は学習単位であるので,自己学習として演習問題を課し,その得点はレポート点として総合評価に加味する.
注意点:
・本校では,建築生産学を未修得で卒業した場合,建築生産科目の単位不足のため,高専卒業後,4年間の実務経験を経ても,一級建築士試験の受験資格が認めれませんので注意すること。
・単位未修得により専攻科に進学した場合,建築材料・施工・構法分野の単位不足のため,学士取得はできませんので、注意すること。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画・授業内容の説明 |
授業計画・達成目標・成績の評価方法を理解する.
|
2週 |
請負契約・請負制度 |
・請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる. ・発注形式及び入札方法について説明できる. ・工事契約書の記載事項,建築生産における発注者および請負者の権利と義務について説明できる.
|
3週 |
施工計画 |
・現場組織の編成について説明できる. ・各種届出について説明できる. ・5大管理について説明できる.
|
4週 |
仮設工事 |
・仮設,仮設建物,足場および災害防止法について説明できる.
|
5週 |
地盤調査 |
・着工前に行う地盤調査および土質試験方法等について説明できる.
|
6週 |
土工事 |
・土工事計画の基本,山留め各種工法の特徴および地下水対策について説明できる.
|
7週 |
地業・基礎工事 |
・地業全般および直接基礎工事について説明できる. ・既製杭の種類および工法について説明できる. ・場所打ちコンクリート杭の工法および地盤改良法について説明できる.
|
8週 |
第7週までの内容の復習(前期中間試験) |
試験により第7週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
|
2ndQ |
9週 |
・中間試験結果に基づき,ポートフォリオにより自己の理解度の客観的評価を行う. ・鉄筋工事 |
・鉄筋工事の留意点ついて説明できる.
|
10週 |
型枠工事 |
・型枠工事の留意点について説明できる.
|
11週 |
コンクリート工事 |
・コンクリート工事の留意点について説明できる。
|
12週 |
鉄骨工事 |
・鉄骨工事の留意点について説明できる.
|
13週 |
木工事 |
・木質構造の施工準備および建方等について説明できる.
|
14週 |
仕上工事
|
・防水工事,タイル工事,建具・ガラス工事,設備工事等の各種工事の留意点について説明できる.
|
15週 |
保守維持管理 |
・建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる.
|
16週 |
第10週~第14週までの内容の復習(前期末試験) |
試験により第10週~第14週までの授業内容の理解度を確認し,不十分な部分の復習を行うことができる.
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理 | 技術者倫理 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | 前2 |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | 前2 |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | 前2 |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 前2 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 前6,前11,前14 |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前6,前11,前14 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 前2,前6 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 前3 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 前3 |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | 前3 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 木構造の特徴・構造形式について説明できる。 | 4 | 前13 |
木材の接合について説明できる。 | 4 | 前13 |
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。 | 4 | 前13 |
施工・法規 | 請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
瑕疵・保証について説明ができる。 | 4 | 前2 |
現場組織の編成について説明できる。 | 4 | 前3 |
設計図書と施工図の関係について説明できる。 | 4 | 前3 |
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。 | 4 | 前3 |
ネットワーク工程表の計算ができる。 | 4 | 前3 |
バーチャート工程表について説明できる。 | 4 | 前3 |
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。 | 4 | 前3 |
鉄筋の加工について説明できる。 | 4 | 前9 |
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。 | 4 | 前9 |
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。 | 4 | 前9 |
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。 | 4 | 前9 |
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。 | 4 | 前9 |
型枠の材料、種類をあげることができる。 | 4 | 前10 |
型枠の組立て手順について説明できる。 | 4 | 前10 |
せき板の存置期間について説明できる。 | 4 | 前10 |
支保工の存置期間について説明できる。 | 4 | 前10 |
使用材料の試験・管理値について説明できる。 | 4 | 前11 |
生コンの発注について説明できる。 | 4 | 前11 |
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。 | 4 | 前11 |
養生の必要性について説明できる。 | 4 | 前11 |
現場組立て(建方)方法、工法について説明できる。 | 4 | 前12 |
建築物などの定義について説明できる。 | 4 | 前2,前5 |
工作物の定義について説明できる。 | 4 | 前2,前5 |
建築設備関連法令を探すことができる。 | 4 | 前14 |
確認と許可について説明できる。 | 4 | 前3 |
建築基準法に関連する法律関係(例えば都市計画法、消防法、ハートビル法、品確法、建築士法、建設業法、労働安全衛生規則など)の法令を探すことができる。 | 4 | 前2,前3 |
工事の流れ(仮設・準備・基礎・地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体)について説明できる。 | 4 | 前3 |
建築物の保守・維持管理の概要・現状について説明できる。 | 4 | 前14 |