構造演習

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 構造演習
科目番号 0090 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし(資料を適宜配布する。)
担当教員 浅野 浩平

到達目標

1)構造架構における、力のつりあい・反力・部材に生じる力・断面の性質・部材の応力度について理解し、架構の力学特性を説明することができる。
2)建築物に用いられている代表的な構造方法である鉄筋コンクリート造について、材料及び構造を理解し、各々の構造特性を説明することができる。
3)建築基準法で規定されている耐震設計法を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目標(可)
評価項目1多種多様な構造架構に対して、適切な解法で応力度等を算出し、適切な表現で力学特性を説明することができる。基本的な構造架構に対しては、適切な解法で応力度等を算出し、力学特性を説明することができる。一部の構造架構に対して、反力等の算出だけは行うことができる。
評価項目2上記3種類の構造方法に対して、色々な構造材料の種類や性質及び構造特性を、適切な表現で説明することができる。基本的な構造材料の種類と構造特性については、適切な表現で説明することができる。一部の構造方法に対しては、構造特性を説明することができる。
評価項目3現行法の耐震設計法を理解し、様々な架構に対する設計時においては、適切に配慮して用いることができる。耐震設計法は理解し、基本的な架構に対しては、設計時において、適切に配慮することができる。耐震設計法の概要は説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科過程で履修した構造関係の学修内容を、演習を通して総復習し、それぞれを融合させながら各々の理解を深めることを目的とする。
授業の進め方・方法:
1)レポート等を通じて理解を深めること。
2)事前学習により、当該授業時間で進行する部分の構造内容について、自主的に予習(過去の復習)しておくこと。
3)自己学習として、1年次から4年次までに使用した教科書、及び、5年次で使用している教科書に掲載されている例題、及び、当時のレポート課題等を再度解いて、内容を整理しておくこと。
4) 前期については4年次のRC構造学で扱わなかった範囲について学修し、後期については演習を通して構造力学について総復習を行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・内容の説明、RC構造の復習1 RC部材の曲げ性状について、許容応力度設計の復習
2週 RC構造の復習1 RC部材の曲げ性状について、許容応力度設計の復習
3週 RC構造の復習2 RC部材のせん断補強筋算定についての復習
4週 耐震壁の許容応力度設計1 耐震壁の基本的な事項について学習する
5週 耐震壁の許容応力度設計2 耐震壁の許容応力度設計(配筋等)について学習し、理解を深める
6週 演習(耐震壁) 耐震壁についての例題を演習することによって、理解を深める
7週 スラブの許容応力度設計 スラブに関する基本的事項および許容応力度設計(配筋等)を学習し、理解を深める
8週 基礎の許容応力度設計 基礎(特に独立基礎、杭基礎)に関する基本的事項および許容応力度設計(配筋等)を学習し、理解を深める
2ndQ
9週 演習(スラブ・基礎) スラブ、基礎についての例題を演習することによって、理解を深める
10週 前期中間試験の答案返却・解説 前期中間試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
11週 RC部材の終局強度設計1 せん断力の伝達と鉄筋の付着力について学習し、理解を深める(トラス機構・アーチ機構)
12週 RC部材の終局強度設計2 付着応力度とRC部材のせん断力との関係性について学習し、理解を深める
13週 RC部材の力と変形 RC部材の復元力特性について学習し、理解を深める
14週 演習(終局強度設計) せん断終局強度設計についての例題を演習することによって、理解を深める
15週 演習(力と変形) RC部材の力と変形についての例題を演習することによって、理解を深める
16週 前期末試験の答案返却・解説 前期末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。
後期
3rdQ
1週 授業計画・内容の説明、構造力学及び材料力学の基礎-1 力のつりあい、反力、部材に生じる力の算出方法について復習し、理解を深める。
2週 構造力学及び材料力学の基礎-2 力のつりあい、反力、部材に生じる力の算出方法について復習し、理解を深める。
3週 構造力学及び材料力学の基礎-3 断面1次モーメント・断面2次モーメント・断面係数・断面2次半径・剛度と剛比等の断面の性質、及び、部材の応力度の算出方法について復習し、理解を深める。
4週 構造力学及び材料力学の基礎-4 断面1次モーメント・断面2次モーメント・断面係数・断面2次半径・剛度と剛比等の断面の性質、及び、部材の応力度の算出方法について復習し、理解を深める。
5週 影響線-1 単純梁、片持梁、ゲルバー桁の影響線について例題を演習することによって、理解を深める。
6週 影響線-2 間接荷重、トラスの影響線について例題を演習することによって、理解を深める。
7週 弾性曲線方程式-1 いろいろな構造物について、境界条件を考慮しつつ、任意の場所におけるたわみを求める。
8週 弾性曲線方程式-2 いろいろな構造物について、境界条件を考慮しつつ、任意の場所におけるたわみを求める。
4thQ
9週 弾性荷重法(モールの定理)-1 弾性荷重法を用いて、任意の場所におけるたわみを求める。
10週 弾性荷重法(モールの定理)-2 弾性荷重法を用いて、任意の場所におけるたわみを求める。
11週 エネルギー原理-1 重ね合わせの原理、ひずみエネルギーについて学習し、理解を深める。
12週 エネルギー原理-2 仮想仕事の原理、単位荷重法、カスチリアーノの定理について学習し、理解を深める。
13週 エネルギー原理-3 弾性方程式による不静定構造物の解法について学習し、理解を深める。
14週 モーメント分配法 モーメント分配法による不静定梁の解法について学習し、理解を深める。
15週 たわみ角法 たわみ角法による不静定梁の解法について学習し、理解を深める。
16週 学年末試験における、試験答案の返却及び解説 学年末試験の内容を理解する。また、ポートフォリオを記入する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。4
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。4
実験結果を整理し、考察できる。4
実験の目的と方法を説明できる。4
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。4
実験結果を整理し、考察できる。4
実験の目的と方法を説明できる。4
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。4
実験結果を整理し、考察できる。4

評価割合

定期試験発表相互評価態度ポートフォリオその他(レポート)合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力5000002070
専門的能力2000001030
分野横断的能力0000000