線形数学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 線形数学
科目番号 0011 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 田中 守

到達目標

1. 線形空間における線形独立, 線形従属および線形空間の基底・次元について理解できること.
2. 線形写像の表現行列, 核, 像, 基底の変換行列について理解できること.
3. 行列の固有値と行列式, トレースとの関係およびケーリー・ハミルトンの定理について理解できること.
4. 行列の対角化とその応用について理解できること.
5. 内積空間における直交系について理解できること.
6. ジョルダン標準形とその応用について理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1線形独立, 線形従属および線形空間の基底・次元について応用・発展的な考察ができる. 線形独立, 線形従属について基本的な考察ができ, 線形空間の基底・次元を求めることができる. 特定の線形空間の基底・次元を求めることはできる.   A ・ B ・ C
評価項目2線形写像の表現行列, 核, 像, 基底の変換行列について図形の変換等と関連付けた応用・発展的な考察ができる. 基本的な線形写像の表現行列と核, 像を求めることができ, 基底の変換行列を求める計算ができる. 特定の線形写像の表現行列を求めることはできる.   A ・ B ・ C
評価項目3行列の固有値と行列式, トレースとの関係および, ケーリー・ハミルトンの定理を応用した計算ができる. 基本的なの行列の行列式, トレース, 固有値を求めることができ, ケーリー・ハミルトンの定理を使用できる. 特定の行列の行列式, トレース, 固有値を求めることはできる.   A ・ B ・ C
評価項目4複素数係数の行列の対角化ができ, その正方行列の冪乗計算に応用できる. 基本的な行列の対角化ができ, 正方行列の冪乗計算ができる. 特定の行列の対角化はできる.   A ・ B ・ C
評価項目5いろいろな内積空間の正規直交系について考察ができる. シュミットの直交化法を用いて3次元空間の正規直交基底を求めることができる. 正規直交系の定義は理解できる.   A ・ B ・ C
評価項目62次と3次正方行列のジョルダン標準形を求めることができ, 正方行列の冪乗計算に応用できる. 2次と3次正方行列のジョルダン標準形を求めることができる. 2次正方行列のジョルダン標準形を求めることはできる.   A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「線形性」という数学的構造は, 数学の様々な所に内在し, またいろいろな形で現れ, 通常, 行列やベクトルを用いて表現される. この授業では, 線形空間に関する抽象化された概念や理論の考え方を理解し, その観点から, 行列やベクトルを扱う技術を向上させることを目的とする.
授業の進め方・方法:
授業ごとに「授業プリント」と「課題プリント」を配付する.
各授業は、「授業プリント」に基づいて進め, 「課題プリント」により予習・復習してもらう.
この科目は学習単位科目のため, 事前・事後学習としてレポート(課題プリント)を実施します.
注意点:
事前に本科で学んだ行列, ベクトルに関する内容を復習しておくこと.
「課題プリント」を必ず提出期限日までに提出すること.
参考図書:
「新線形代数」 (大日本図書)  ISBN: 978-4477026411
「新線形代数 問題集」 (大日本図書)  ISBN: 978-4477026435
碓氷久・高遠節夫・濵口直樹・松澤寛・山下哲「はじめて学ぶ ベクトル空間」 (大日本図書)  ISBN: 978-4477030494
硲野敏博・加藤芳文「理工系の基礎線形代数学」(学術図書出版社)  ISBN: 978-4873611709
馬場敬之・高杉豊「線形代数キャンパス・ゼミ」(マセマ出版社)  ISBN: 978-4907165901
石村園子「すぐわかる線形代数」(東京図書)  ISBN: 978-4489021381

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

                                        
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 集合, 線形空間, 線形独立と線形従属 集合に関連した用語, 記号, 線形空間および線形独立と線形従属の定義と例を理解する.
2週 基底と次元, 部分空間 線形空間およびその部分空間の基底, 基底の変換の定義と例を理解する. また, その次元を求めることができる.
3週 内積空間と正規直交基底 内積空間の定義と例を理解する. また, グラムシュミットの直交化法により, その正規直交基底を求めることができる.
4週 共通部分・和空間・直交補空間 部分空間の共通部分・和空間・直交補空間を求めることができる.
5週 線形写像の行列による表現 線形写像の定義と例を理解し, 行列による表現ができる.
6週 線形写像の核と像, 次元定理 線形写像の核と像の定義と例を理解し, 次元定理を用いて核の次元を求めることができる.
7週 行列式 いろいろな手法を用いて行列式を求めることができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 固有値, トレース, ケーリーハミルトンの定理 固有値とトレースの定義と例を理解し, それらを求めることができる. また, ケーリーハミルトンの定理を用いて行列の計算ができる.
10週 固有ベクトルと対角化 固有値と固有ベクトルを用いて対角化可能な行列を対角化できる. また, 対称行列を直交行列を用いて対角化できる.
11週 2次形式 2次形式を標準化できて, 2次曲線の概形を描くことができる.
12週 複素行列の対角化 エルミート行列をユニタリ行列を用いて対角化できる.
13週 行列の平方根と指数関数 行列の対角化を用いて, 行列の平方根や指数関数について計算できる.
14週 2次正方行列のジョルダン標準形 2次正方行列のジョルダン標準形が求められる.
15週 3次正方行列のジョルダン標準形 3次正方行列のジョルダン標準形が求められる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4前1,前2,前8,前9,前10,前15,前16
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4前1,前2,前8,前9,前10,前15,前16
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4前3,前8,前9,前15,前16
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4前3,前4,前8,前9,前15,前16
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4前5,前6,前7,前8,前9,前10,前15,前16
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4前7,前8,前9,前15,前16
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4前11,前12,前15,前16
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4前5,前8,前9,前10,前13,前14,前15,前16
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4前6,前7,前8,前9,前11,前13,前14,前15,前16

評価割合

中間試験期末試験レポート合計
総合評価割合353530100
知識の基本的な理解25252070
思考・推論・創造への適応力10101030