制御工学特論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 制御工学特論
科目番号 0017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントを配布
担当教員 髙木 夏樹

到達目標

1) ラウスやナイキストの安定判別法を用いてシステムの安定判別ができること。
2) PID制御について説明でき、コントローラの設計ができること。
3) システムを状態空間表現でき、その安定判別ができること。
4) 状態フィードバックコントローラが設計できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
線形システムのラウスおよびナイキストの方法を用いて安定判別ができる。基本的なシステムについて、ラウスやナイキストの方法を用いて安定判別ができる。基本的なシステムの一部について、ラウスまたはナイキストの方法を用いて安定判別ができる。
PID制御の原理ついて説明でき、線形システムに対して、いくつかの手法でコントローラの設計ができる。PID制御の基本的な概念について説明でき、基本的なシステムに対して、特定の手法を用いてコントローラの設計ができる。PID制御の基本的な概念について部分的に説明できる。
線形システムが状態空間表現でき、その安定判別ができる。基本的な線形システムを状態空間表現でき、その安定判別ができる。基本的な線形システムの一部について状態空間表現できる
SISO線形システムの極配置および最適レギュレータによって状態フィードバックコントローラが設計できる。簡単な線形システムであれば、極配置によって状態フィードバックコントローラが設計できる。1入出力線形システムであれば、可制御性を判断して状態フィードバック系を検討できる。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
本科科目の自動制御または制御工学では、主に古典制御理論に関するシステムの特性、解析方法について習得した。本講義では、まず、それらの知識に基づいて、フィードバックコントローラの特徴や設計法について習得することを目的とする。次に、状態空間表現に基づくシステムの特性、状態フィードバックコントローラの設計法について習得し、現代制御理論の基礎を理解することを目的とする。
授業の進め方・方法:
本科科目の自動制御もしくは制御工学で習った古典制御理論(ラプラス変換に基づく伝達関数やブロック線図、応答の導出、周波数応答、安定判別法)については、演習問題などを用いて復習し、よく理解しておくこと。また、適宜レポートや演習課題を出題するため、文献調査などにより自己学習すること。
注意点:
1)電卓を持参すること。
2)本講義の内容は主として数学的であるが、利用される関数や方程式には工学的に重要な意味が含まれている。よって、これらを暗記するのではなく、原理や数式の意味を十分理解するよう努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明 制御工学の目的および制御系設計の概要について説明できる。
2週 1. 古典制御理論の復習 古典制御理論に基づくシステム表現、時間応答、周波数応答の導出ができる。
3週 2. 古典制御理論に基づく制御系設計
・コントローラの設計とは
コントローラの設計手順について説明でき、古典制御理論に基づく制御系設計を検討できる。
4週 2. 古典制御理論に基づく制御系設計
・制御系の安定性
古典制御理論に基づいて、制御系の安定性が評価できる。
5週 2. 古典制御理論に基づく制御系設計
・制御系の設計
制御系設計で必要となる考え方について、古典制御理論に基づいて説明できる。
6週 2. 古典制御理論に基づく制御系設計
・PID制御系の設計
制御系の極に基づいて、PID制御系を設計できる。
7週 3. 数学的準備 線形代数に基づく行列の基本的な演算ができる。
8週 3. 数学的準備 線形代数に基づく行列の基本的な演算ができる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 4. 現代制御理論の基礎
・システムの状態空間表現
システムの状態空間表現について説明できる。
11週 4. 現代制御理論の基礎
・システムの状態空間表現
線形微分方程式で記述されるシステムの状態空間表現を導出することができる。
12週 4. 現代制御理論の基礎
・線形システムの時間応答
状態空間表現で記述されるシステムの時間応答を求めることができる。
13週 4. 現代制御理論の基礎
・状態フィードバックによる制御系設計
14週 4. 現代制御理論の基礎
・状態フィードバックによる制御系設計
極配置による状態フィードバックコントローラの設計ができる。
15週 4. 現代制御理論の基礎
・状態フィードバックによる制御系設計
最適レギュレータによる状態フィードバックコントローラの設計ができる。
16週 試験答案の返却及び解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。5前11
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。5前11
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。5前11
計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。5前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。5前1,前3,前13
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。5前2,前3,前4,前5,前6,前12
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。5前2,前3,前4,前5,前6,前12
伝達関数を説明できる。5前2,前3,前4,前5,前6
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。5前2,前3,前4,前5,前6,前10,前13
制御系の過渡特性について説明できる。5前2,前3,前4,前5,前6,前14,前15
制御系の定常特性について説明できる。5前2,前3,前4,前5,前6,前14,前15
制御系の周波数特性について説明できる。5前2,前6
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。5前4,前5,前6,前14,前15
電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。5前2,前3,前4,前5,前6
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。5前2,前3,前4,前5,前6,前10,前13
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。5前2,前3,前5,前6,前14,前15
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。5前3,前5,前6,前14,前15
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。5前2,前6
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。5前4,前5,前6,前14,前15

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合5050100
知識の基本的な理解353570
思考・推論・創造への適応力151530