技術者倫理

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学専攻 対象学年 専2
開設期 集中 週時間数
教科書/教材 【内山】日本建築学会の技術者倫理教材
担当教員 清山 史朗,藤原 稔,外山 真也,内山 雅仁,丸田 耕正

到達目標

〇目的
【内山】自らの技術で組織発展のために寄与する側面と技術者倫理に沿った生き方をする側面とどう向き合っていくか、基本的な考え方の体系を学び、その適応について具体的な事例を交え考察していく。
【丸田】社会人として「技術者」となった時、高い倫理観を持って業務に当たり、公益性・経済性・安全性・利便性のバランスを考えて貢献できるようにSDGsの目標・ターゲットとの繋がりを通して理解する。
【外山】技術者倫理の必要性、倫理問題についての対処方法、評価方法を学習し、理解する。
【藤原】技術者と公衆の関係について概説し、組織活動とステークホルダーとの関係、社会問題から生じるリスク、環境倫理の重要性、政策立案と主体形成について実践的手法の重要性を理解する。
〇到達目標
【内山】技術者倫理の基本的な考え方について習得していること。また、その基本に基づきながら自分なりの考え方を身に付け、実例で意見を展開できるようになること。
【丸田】「技術者」として、「脱慣習レベル(自分の良心に沿った行為を善と認識し、組織よりも自分の倫理観で行動できる状況)」の倫理意識を持つ必要性を理解する。
【外山】技術者や研究者は高い次元の倫理観および教養を必要とされる。それらの理由を理解し、説明できること。
【藤原】技術者と公衆は、社会と実施主体の関係において、リスクコミニケーションの重要性を理解し、説明できること。また、公益の確保と信用失墜行為の禁止、環境倫理など基本的な技術士倫理について説明できること。リスクマネジメントを理解し、政策課題についてステークホルダーの関係を整理し、解決への提案ができること。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解・説明でき、更に応用までできる。技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解し、説明できる。技術者として生きていくために、基本となる社会との係わりでの義務と責任について理解できる。  A ・ B ・ C
評価項目2倫理的に仕事をすることは、「公衆の安全・健康・福利」のために貢献でき、自分の人生も「幸せ」であるということを理解し、それらとSDGsの17の目標との繋がりに対する理解を含めて、「技術者」として多角的に説明できる。倫理的に仕事をすることは、「公衆の安全・健康・福利」のために貢献でき、自分の人生も「幸せ」であるということを理解し、SDGsの目標とそれらとの繋がりについても自分の専門分野について説明できる。倫理的に仕事をすることは、「公衆の安全・健康・福利」のために貢献できるということまでは理解できるが、技術者としての「幸せ」やSDGsの目標については余り説明できない。  A ・ B ・ C
評価項目3研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる理由を理解し、説明でき、更に応用までできる。研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる理由を理解し、説明できる。研究者が高い次元の倫理観および教養を必要とされる理由を理解できる。  A ・ B ・ C
評価項目4技術者と公衆は、社会と実施主体の関係において、倫理観を理解し、説明でき、更に、公益の確保と信用失墜行為の禁止、環境倫理など基本的な技術士倫理について説明できる。技術者と公衆は、社会と実施主体の関係において、倫理観を理解し、説明できる。技術者と公衆は、社会と実施主体の関係において、事項と倫理観を理解できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
技術士の資格を持つ4人の講師が、技術者倫理について講義する。試験は実施せず、各講師が授業後にレポートを課す。
授業の進め方・方法:
夏季休暇中に、4人の講師が1日8時間ごとの集中講義を行う。オムニバス形式。
注意点:
【内山】日頃から新聞,テレビニュース等をよく見ておくこと。課題では、最近の事例について問う内容も出題している。
【丸田】「技術者」としての倫理上の対応策だけではなく、事件や事故の発生を考慮して、業務遂行上どうすれば自分自身も、倫理観の高い技術者であることができるかを念頭におき、SDGsとの繋がりを感じながら履修する。
【外山】紹介された事例と同じような状況になった場合に、どのような行動がとれるのか、よりよい解決方法はないかを考えることに集中すること。
【藤原】具体的な事例から技術者倫理に関する意見を学生に求め、課題を解くことにより理解度を高めていく。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 
 
                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 
                                       
 
【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  
                                         
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
1.内山担当分
1-1. 技術倫理
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明。
まずDVD(DVD「技術者の自律」30分)でイントロダクションを行い、その後技術倫理についてテキストに基づいて体系的に学ぶ。
2週 1-2. リスクマネジメントと安全管理 リスクマネジメント(安全管理含む)についてテキストに基づいて体系的に学び、その後具体的事例を見ていく。
3週 1-3. コンプライアンスと説明責任 コンプライアンスについてテキストに基づいて体系的に学び、DVD等で具体的事例を見ていく(DVD「三菱自動車リコール事件」)。
4週 1-4. 倫理的意思決定のフロー 倫理的意思決定のフローについて事例を交え学ぶ。その後グループに分かれて実際にあるテーマについて意思決定する作業及びディスカッションをしてもらう
5週 2.丸田担当分
2-1「技術者」とは
2-2.「技術者倫理」とは何かを考える
「技術者」にとって必須なことは、「独創性」や「倫理」であることを理解する。
「技術者」としての責任ある行動、脱慣習レベルの倫理意識、不祥事の排除、公益通報等について考える。
6週 2-3.SDGsの目標、ターゲット及び達成度の指標 SDGsの目標のすべてが、「技術者倫理」と共通しており、それらの課題解決(ターゲット)結果を評価する指標がどのようなものであるかを併せて理解する。
7週 2-4.環境法令及びコンプライアンス SDGsと関連性の深い環境法令と法令の遵守(コンプライアンス)について考える。
8週 2-5.事例研究 具体的な事例をもとに技術者としてどのように行動すべきかを考える。
2ndQ
9週 3.外山担当分
3-1. 事例研究(1) 内部告発
ミートホープ牛肉偽装事件について
社内の不正に対処する心構え、告発は容易ではない。
10週 3-2. 事例研究(2) 研究者の倫理 STAP細胞論文不正について
 論文不正をなくすための倫理、安易な改ざんは命取り
11週 3-3. 事例研究(3) 
   事故を予見できるのは技術者
スペースシャトルチャレンジャーの事故について
 事故の予見と上司を説得することのむずかしさ
12週 3-4. 事例研究(4) リスクの予見と回避 福島原発事故について
 わずかでも対処していれば大事故にはならなかった。
13週 4・藤原担当分
4-1. ステークホルダー
4-2. 行政活動の目的
組織活動におけるステークホルダーの役割、リスクコミュニケーションの必要性。
技術者と公衆、環境倫理、専門家の役割、倫理観観。
14週 4-3. 環境
4-4. リスクマネジメント
環境の定義、日本人の環境観、環境の課題、環境の公益的機能、環境経済評価。
リスクマネジメントの各要素、情報管理、PI。
コロナを題材に小テストによりリスクマジメントの理解。
15週 4-4. リスクマネジメント
4-5. ナレッジマネジメント
リスクマネジメントの各要素、情報管理、PI。
コロナを題材に小テストによりリスクマジメントの理解。
個人知、組織知、暗黙知、形式知などの知の相互転換。
16週 4-6. 課題演習 脱炭素に係る資料を提示し、リスクマネジメントの視点から技術的課題解決の提案。
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。4
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4
社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
知識の基本的な理解050000050
思考・推論・創造への適応力040000040
総合的な学習経験と創造的思考力010000010