メカトロニクス特論

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 メカトロニクス特論
科目番号 0041 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「イラストで学ぶロボット工学」木野仁(著)谷口忠大(監)(講談社) ISBN:978-4061538344
担当教員 李 根浩

到達目標

1)機械の制御が数学・物理に基づくことを十分に理解し、応用する。
2)数学・物理を拡張したロボットマニピュレータの機構と力学解析に関する知識と応用力を身に着ける。
3)PID制御の技術を習得し、簡単なロボット制御問題に対して実装できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安(可)      C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価到達目標項目1機械の制御が十分理解でき、必要に合わせてロボットを適切な動作させることができる。機械制御の基本的な特徴が理解でき、ロボットの動作について検討できる。機械制御の基本的な特徴の一部について理解できる。  A ・ B ・ C
評価到達目標項目2ロボットマニピュレータの機構について、各々の特性を考慮して適切な力学解析が検討できる。ロボットマニピュレータの機構について基本的な力学解析が検討できる。ロボットマニピュレータの機構について、部分的に力学解析を検討できる。  A ・ B ・ C
評価到達目標項目3PID制御の特性を十分理解し、簡単なロボット制御問題について安定性や性能を考慮して設計できる。PID制御の基本的な特性が理解でき、簡単なロボット制御問題の基本的な制御系設計ができる。PID制御の特性の一部について理解できる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では、メカトロニクス分野におけるロボットアーム(マニピュレータ)の制御に焦点を当てる。ロボットマニピュレータ制御は機械制御の1つであり、多リンク構造体特有の問題を有する。本講義では、機械制御工学、機械力学の基礎を復習し、さらにロボット特有の運動学、ダイナミクス、制御について学ぶ。
授業の進め方・方法:
既に習った内容もあると思われるが、それらが新たに習う内容とどのような関係があるのか、応用するためにはどのような方法論や知識が必要となるかを考え、教科書を参考に十分復習しておくこと。また、各自の専門外の内容では,講義だけで理解できない場合も考えられる。その場合、適宜参考書などを活用して自己学習しておくこと。さらに、文献調査などのレポートを通して、知識を深めるよう努めること。
【評価方法】
・総合評価(100点)=定期試験2回60%+レポート(自己学習課題)40%で評価する。
注意点:
●本講義では高校での物理と数学が理解できていなければ、履修は困難である。数学と物理知識の内容を確実に理解しておくこと。
●電卓を持参すること。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。                                      
 ・後期中間試験まで:
                                       
 ・学年末試験まで :

                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・後期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・学年末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・後期中間試験まで:                                       

  ・学年末試験まで : 
        
                                
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. 最先端ロボット事情と講義ガイダンス 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
2週 2.並進系の制御 ・並進系の力学
・並進運動におけるP制御
・並進運動におけPD制御   について理解できる。
3週 3.回転系の制御 ・回転系の力学
・回転運動におけるPD制御   について理解できる。
4週 4.自由度と座標系 ・自由度の概念(手先自由度と関節自由度)
・非冗長と冗長
・関節と手先の座標系   について理解できる。
5週 5.順運動学と逆運動学 ・運動学の概念
・順運動学と逆運動学
・冗長マニピュレータの運動学   について理解できる。
6週 6.ロボット用アクチュエータ ・ロボット用アクチュエータの種類
・電磁駆動/油圧駆動/空気圧駆動アクチュエータなど
・DA変換器(DAコンバータ)   について理解できる。
7週 7.ロボット用センサ ・ロボット用センサの種類
・角度/角速度/力センサなど
・AD変換器(ADコンバータ)   について理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案の返却及び解説
8.関節座標系の位置制御
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
・PTP制御と軌道制御
・関節座標系PD制御と重力補償
・PTP制御を用いた簡易的な軌道制御   について理解できる。
10週 9.速度制御 ・ベクトル・行列の基礎
・速度関係とヤコビ行列
・分解速度法による軌道制御
・特異姿勢   について理解できる。
11週 10.力制御と作業座標系PD制御 ・ロボットの力制御
・作業座標系PD制御法   について理解できる。
12週 11.人工ポテンシャルと移動ロボットへの応用 ・人工ポテンシャル法
・作業座標系制御における障害物回避   について理解できる。
13週 12.解析力学の基礎 ・静力学と動力学
・ラグランジュ法による運動方程式の導出
・運動方程式の計算例   について理解できる。
14週 13.ロボットの動力学 ・2リンク2関節マニピュレータの運動方程式
・順動力学と逆動力学
・計算トルク法による軌道制御   について理解できる。
15週 14.インピーダンス制御 ・電気インピーダンスと機械インピーダンス
・インピーダンス制御の方法
・コンプライアンス制御   について理解できる。
16週 学年末試験
(17週目は試験答案の返却及び解説)

(試験問題の解説及びポートフォリオの記入)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。5後2,後3,後6,後14
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。5後2,後3,後4,後5
力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。5後2,後3,後11,後12,後13,後14
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。5後4,後5
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。5後4,後5,後6,後7,後10,後11
仕事の意味を理解し、計算できる。5後4,後5
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。5後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。5後11,後12,後13,後14,後15
動力の意味を理解し、計算できる。5後4,後5,後6,後7
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。5後2,後3,後13,後14,後15
計測制御計測の定義と種類を説明できる。5後10,後11
自動制御の定義と種類を説明できる。5後12
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。5後2,後3,後7,後9,後11,後12,後15

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合6040100
知識の基本的な理解402565
思考・推論・創造への適応力201535