電子物性工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子物性工学
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械電気工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 1) 松澤剛雄ほか共著 「電子物性」 (森北出版) 2) 西永頌著 「電子物性工学の基礎」 (昭晃堂) 3) 阿部正紀著 「電子物性概論」 (倍風館)
担当教員 野地 英樹

到達目標

1) 結晶の成り立ちと空間格子について十分に理解できる。
2) 1次元格子モデルを用いた格子振動について十分に理解できる。
3) 固体の比熱と熱伝導について正確に説明できる。
4) 古典論を用いた金属の電子伝導の理論について正確に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低レベルの目安(可)
評価項目1結晶の成り立ちと空間格子について十分に理解し、説明できる。結晶の成り立ちと空間格子について説明できる。結晶の成り立ちと空間格子について理解できる。
評価項目21次元格子モデルを用いた格子振動について十分に理解し、説明できる。1次元格子モデルを用いた格子振動について説明できる。1次元格子モデルを用いた格子振動について理解できる。
評価項目3固体の比熱と熱伝導について正確に理解し、説明できる。固体の比熱と熱伝導について説明できる。固体の比熱と熱伝導について理解できる。
評価項目4古典論を用いた金属の電子伝導の理論について正確に理解し、説明できる。古典論を用いた金属の電子伝導の理論について説明できる。古典論を用いた金属の電子伝導の理論について理解できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE (e) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 今後の科学技術の発展のためには新しい機能性を持った新材料の開発が必要不可欠であり、その開発のためには固体物理学の基礎知識は欠かすことができない。この授業では、初等的な量子力学と古典的な固体物理学の基礎知識の習得を目的とする。
授業の進め方・方法:
 教科書をベースに丁寧な解説をしていく。授業内容としては、物性の古典論から初等量子論までとする。
注意点:
 参考資料なども使いながら説明をしていくので、ノートをとりながら聴講すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業計画の説明
結晶の結合力
結合に関与している力の種類について理解できる。イオン結合、共有結合について理解できる。
2週 結晶の結合力
空間格子
金属結合、ファン・デル・ワールス結合について理解できる。格子定数、単位格子、空間格子内の原子の位置について理解できる。
3週 格子方向と格子面
ブラベー格子
格子方向、格子面のミラー指数の決め方、ミラー面が表す格子面について理解できる。ブラベー格子について理解できる。
4週 代表的な結晶構造 体心立方格子、面心立方格子、塩化ナトリウム構造、六方最密構造、ダイヤモンド構造、閃亜鉛鉱構造について理解できる。
5週 X線回折と結晶構造
同種原子からなる1次元格子振動
ブラッグの回析条件について理解できる。1次元格子の平衡状態と平衡状態からの各原子の変位について理解できる。
6週 同種原子からなる1次元格子振動
2種類の原子からなる1次元格子振動
1次元格子振動における分散関係について理解できる。質量の異なる2種類の原子からなる1次元格子振動について理解できる。
7週 2種類の原子からなる1次元格子振動
格子振動の量子化
2種類の原子からなる1次元格子振動における分散関係について理解できる。フォノン、フォトン、プランク分布について理解できる。
8週 固体の比熱 固体の比熱に関する古典論、アインシュタインの理論、デバイの理論について理解できる。
4thQ
9週 後期中間試験 試験成績60点以上
10週 試験答案の返却及び解説
固体の熱伝導
熱伝導における格子振動と自由電子の役割について理解できる。
11週 自由電子
ドリフト速度、緩和時間、移動度
金属中の自由電子の動きについて理解できる。電界中の自由電子の動き、電子の電界方向の速度成分の時間的変化について理解できる。
12週 ドリフト速度、緩和時間、移動度
合成緩和時間、合成抵抗率
電子の移動度、電流密度と導電率、抵抗率の関係について理解できる。金属の抵抗率の温度依存性について理解できる。
13週 物質の粒子性と波動性
不確定性原理
シュレディンガーの波動方程式
プランクのエネルギーの量子化説、アインシュタインの光量子説について理解できる。ハイゼンベルグの不確定性原理について理解できる。シュレディンガーの波動方程式について理解できる。
14週 井戸型ポテンシャル
トンネル効果
水素原子
シュレディンガーの波動方程式の応用例として、井戸型ポテンシャル、1次元ポテンシャル障壁(トンネル効果)、水素原子中の電子について理解できる。
15週 学年末試験 試験成績60点以上
16週 試験答案の返却及び解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5後1,後2,後3,後4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5後11,後12

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合7030100
知識の基本的な理解7030100