反応有機化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 反応有機化学
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー 有機化学概説 John McMurry, Eric Simanek著 ISBN978-4807909278
担当教員 山下 敏明

到達目標

有機化学反応を反応ごとに分類し、種々の有機化学反応の本質を系統的に理解する。さらに、各々の有機化学反応の基礎的な知識が具体的な反応にも応用できるようになる。これらの修得をもとに、有機化学の本質を学べる知識と能力を身につけることを目的とする。以下に到達目標を記す。
1)原子・分子軌道、共有結合、混成軌道など有機化学反応を学ぶための基礎が理解できる。
2)求電子付加反応、ジエンの付加反応およびディールス-アルダー反応、芳香族化合物の求核置換反応および求電子置換反応、SN2・SN1反応、E1・E2反応、アルデヒドとケトンの付加反応、カルボン酸の求核的付加反応、アルドール付加反応の反応機構が説明できる。
3)各種化合物の合成法、他の化合物への変換反応が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安       A標準的な到達レベルの目安       B未到達レベルの目安     C(学生記入欄) 到達したレベルに〇をすること。
評価項目1様々な分子の構造を分子軌道を用いて説明することができ、各種反応への応用が説明できる。様々な分子の構造を分子軌道を用いて描くことができる。原子・分子軌道、共有結合、混成軌道などが理解できる。  A ・ B ・ C
評価項目2本授業で取り上げていない反応についても自分の力で反応機構を説明できる。右に示す各反応の反応機構が説明できる。求電子付加反応、ジエンの付加反応およびディールス-アルダー反応、芳香族化合物の求核置換反応および求電子置換反応、SN2・SN1反応、E1・E2反応、アルデヒドとケトンの付加反応、カルボン酸の求核的付加反応、アルドール付加反応の違いが理解できる。  A ・ B ・ C
評価項目3未知の化合物のための、いくつかの合成法が提案できる。目的化合物を合成するための原料を示すことができる。各種反応において原料が示されれば、生成物を書くことができる。  A ・ B ・ C

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる

教育方法等

概要:
求電子付加反応、ジエンの付加反応およびディールス-アルダー反応、芳香族化合物の求核置換反応および求電子置換反応、SN2・SN1反応、E1・E2反応、アルデヒドとケトンの付加反応、カルボン酸の求核的付加反応、アルドール付加反応を学習する。
授業の進め方・方法:
予習を事前に行い、授業後は、復習を行うとともに、各課題をレポートとしてまとめること。
注意点:
毎回の授業で課題を課すので、次回の講義の際にレポートして提出すること。

ポートフォリオ

(学生記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。

【理解の度合】理解の度合について記入してください。
      (記入例)ファラデーの法則、交流の発生についてはほぼ理解できたが、渦電流についてはあまり理解できなかった。
 ・前期中間試験まで: 
                                      
 ・前期末試験まで :
                                       
                                       
【試験の結果】定期試験の点数を記入し、試験全体の総評をしてください。
       (記入例)ファラデーの法則に関する基礎問題はできたが、応用問題が解けず、理解不足だった。
 ・前期中間試験 点数:      総評:                                       

 ・前期末試験  点数:      総評:                                       


【総合到達度】「到達目標」どおりに達成することができたかどうか、記入してください。
 ・総合評価の点数:      総評:                                       


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(教員記入欄)
【授業計画の説明】実施状況を記入してください。
  
  
【授業の実施状況】実施状況を記入してください。
  ・前期中間試験まで:  
                                     
  ・前期末試験まで :                                       

                                        
【評価の実施状況】総合評価を出した後に記入してください。
 
    

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明
有機化学の基礎(その1)
授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明
原子および分子の軌道、電気陰性度
課題:各種化合物の構造の仕組み I
2週 有機化学の基礎(その2) 混成軌道、イオン性および共有結合性化合物
課題:各種化合物の構造の仕組み II
3週 アルケンの反応(その1) アルケンの構造とマルコウニコフ則の本質
課題:各種アルケンへの付加反応 I
4週 アルケンの反応(その2) アルケンの反応性および種々の付加反応
課題:各種アルケンへの付加反応 II
5週 アルキンの反応 アルキンの構造および反応性
課題:各種アルキンへの付加反応 I
6週 ジエンの反応 ジエンの1,4-付加反応およびディールス-アル
ダー反応
課題:ジエンのディールス-アルダー反応
7週 芳香族化合物の反応(その1) 芳香族化合物の求電子置換反応の反応機構
課題:各種求電子置換反応
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案の返却及び解説
芳香族化合物の反応(その2)
試験問題の解説及びポートフォリオの記入
芳香族化合物の求核置換反応の反応機構
10週 ハロゲン化物の反応(その1) SN1およびSN2の反応機構
課題:SN1およびSN2の反応機構
11週 ハロゲン化物の反応(その2) E1およびE2の反応機構
課題:BHCの反応機構,2種の脱離反応
12週 アルデヒドとケトン(その1) アルデヒドとケトンの性質、付加反応の基礎
課題:各種付加反応 I
13週 アルデヒドとケトン(その2) 酸化・還元反応、互変異性
課題:各種付加反応 II
14週 カルボン酸の反応 カルボン酸の性質および求核的付加反応
課題:各種付加反応
15週 付加反応と縮合反応 アルドール付加反応
課題:各種アルドール付加反応
16週 試験(16週)および試験の解説(17週) 試験(16週)および試験問題の解説及びポートフォリオの記入(17週)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。5
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。5
σ結合とπ結合について説明できる。5
混成軌道を用い物質の形を説明できる。5
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。5
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。5
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。5
共鳴構造について説明できる。5
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。5
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。5
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。5
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。5
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。5
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。5
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。5
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。5
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。5
反応機構に基づき、生成物が予測できる。5

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力2010000030
専門的能力6010000070
分野横断的能力0000000