無機合成化学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機合成化学
科目番号 0017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:田中勝久 他 著 「固体化学」 (東京化学同人)
担当教員 藤森 崇夫

到達目標

1)微結晶から固体への生成過程について、理論に基づいて正しく説明できる。
2)具体的な合成方法とその特徴について説明できる。
3)電気伝導現象について金属の電子状態から説明でき、半導体の内容からダイオードやトランジスタの原理について固体の電子状態に基づいて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)
評価項目1固体生成の原理に基づき、与えられた条件に対して生成する固体の状態を予測できる。固体の成長の原理を理解し、固体が生成する過程を説明できる。固体成長の理論は説明できる。
評価項目2固体の合成法に基づいて、適切な合成法を提案できる。固体合成法について、授業で扱った全てについて説明できる。固体合成法のいくつかは説明できる。
評価項目3電気伝導のモデルに対して、原子軌道の観点から説明できる。固体の電気伝導をあらわすモデルについて全て説明できる。固体の電気伝導をあらわすモデルの内、いくつかは説明できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d) 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
固体の合成に用いられる一般的な方法について学び固体が示す物性の機構解明に固体の合成過程が重要であることを理解するとともに、固体において代表的な性質である電気伝導についても電子構造の観点から理解する。
授業の進め方・方法:
1)無機材料化学・有機材料化学・電子材料工学を十分に理解していることが望ましい
2)事前学習として本科無機材料化学を復習しておくこと
3)事後学習として規定の用紙に授業内容をまとめたものを提出すること。これは自己学習のレポートとして評価する
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単結晶と多結晶 単結晶と他結晶の違いについて説明できる
2週 固相反応反応(1) 原子の拡散について説明できる
3週 固相反応反応(2) 焼結について説明できる
4週 液相および気相の結晶生成 結晶核の生成、成長とその形状について説明できる
5週 融液からの単結晶の合成 ブリッジマン法、チョクラルスキー法、帯溶融法、ベルヌーイ法について説明できる
6週 溶液・気相からの固体の合成 共沈法、ゾル-ゲル法、水熱合成法、CVD法、スパッタ法について説明できる
7週 金属の電子構造と電気伝導(1) 固体の電気伝導モデルについて説明できる
8週 金属の電子構造と電気伝導(2) 自由電子気体モデルについて説明できる
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 バンド理論(1) バンド理論について説明できる
11週 バンド理論(2) バンド理論を用いて電子構造を記述できる
12週 半導体とエレクトロニクス(1) 半導体の構造とpn接合について説明できる
13週 半導体とエレクトロニクス(2) ダイオード、トランジスタの原理について説明できる
14週 金属および半導体となる物質(1) 酸化物結晶の電気伝導について説明できる
15週 金属および半導体となる物質(2) 層間化合物および次元を持った電気伝導化合物についてその性質を説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。1
無機化学パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。5前10
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。5前10
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。5前10,前11
金属結合の形成について理解できる。5前7,前8
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。5前11
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。5前14
各種無機材料の機能発現や合成反応を結晶構造、化学結合、分子軌道等から説明できる。5前15
配位結合の形成について説明できる。5前6
水素結合について説明できる。5前6
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。5前6
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3前4
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。3前2,前3,前12
現代を支える代表的な新素材を例に、その機能と合成方法、材料開発による環境や生命(医療)等、現代社会への波及効果について説明できる。4前5,前13
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などのいくつかについて代表的な材料合成法を理解している。5前1,前6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
知識の基本的な理解700000575
思考・推論・創造への適応力100000515
総合的な学習経験と創造的思考力100000010